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大好きな旦那は幼馴染と不倫中  作者: hitorigasuki


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第39話 試合

 恵吾から軽いプロポーズを受けて1週間後に「今から会える?」とラインがきた。それが土曜日の午前中だったので、わたしと明斗がゆっくりと家で過ごしているとわかってのことだったのだろう。


《いいよ》


 と、送ると、すぐに返事がきた。迎えに来てくれるという。わたしは慌てて化粧を始め、明斗にトーストを食べさせた。


 呼び鈴が鳴り、明斗が嬉しそうにドアを開けに行く。


「おお、明斗元気だったか〜?」

「恵吾くん! ひさしぶり! 野球?」

「ああ、今から試合やるから見に来てほしい」


 どういうこと? と思って玄関に行くと野球のユニフォーム姿の恵吾がいた。え? なに? と思いながら、久しぶりに会ったからなんか恥ずかしい。お互い一瞬目が合ったのに逸らした。


 わたしは水筒を持って、車に乗り込む。明斗もいるから後部座席だ。


 そして、近所の市民球場に到着する。恵吾はすでにいちどこちらに来てから迎えに来てくれていたようで身軽にわたしたちと球場内に入った。


「もうちょいしたら始まるから、上で見てて」


 わたしは日傘片手に、熱くなったベンチに明斗と並んで座る。


「楽しみやなあ! 恵吾くん、ライトやからこっちやなあ!」


 ちょうど恵吾の背中が見える位置だった。ユニフォームを着た男性たちがグラウンドに集まる。


 試合が始まる。わけもわからず眺める。あんなに近くにいたはずの恵吾が遠い。恵吾たちが後攻なようだ。なので恵吾の守備をわたしたちは最初に見守る。


 先頭打者がヒットを打つ。恵吾の前までボールが来る。それをグローブに納めて、セカンドに向かって投げる。綺麗にセカンドまで届く。そして、次の打者はセカンドへのフライで終わり、次々とアウトになる。先頭打者が出たものの、一気にアウトになり終わった。


 恵吾はこちらを振り返りにこっとして手を振ってくれた。


「恵吾くんすごいなあ!」


 明斗は目を輝かせて見ている。そして先頭打者として恵吾が左打ち用バッターボックスに立つ。短くバットを構えて素早くバットを振る。キャッチャーのミットに収まる。再度構え直して、ボールが飛んでくる。バットに当たる。


 思わず、わたしと明斗が席を立つ。


「わー!」


 ボールが右中空間に転がる。相手守備が手間取っている間、恵吾がセカンドまで勢いよく走り抜ける。そしてこちらに向かってガッツポーズを見せる。わたしと明斗は飛び上がって喜ぶ。久しぶりに興奮した。


「やったあ! やったあ!」


 明斗は前のベンチに立って飛び跳ねる。


 続くバッターがピッチャー前に綺麗にバントを決め、恵吾は3塁まで進んだ。そして次は内野フライを打ちアウト。2アウト3塁となった。


 だけど、次の打者は3振に終わり、攻守交代となった。


 それから試合は進み、互いの守備のミスやピッチャーの暴投などあり3対3で最終回を迎えることになった。


 表の相手の攻撃はなんと、3点。6対3で攻撃をすることに。


 恵吾は先頭バッターで出塁。毎回なにかしらの形で出塁している。真剣な表情をしている。大学生の頃に感じたチャラさを一切感じさせない大人な表情にどきりとする。それでいて自営業も成功させるなんて、すごい。


 そして続く打者も出塁して、恵吾は一気に3塁まで進む。次の打者はサードへのフライでアウト。その次の打者は、バントを決めその間に恵吾が生還。6対4になった。


 わたしと明斗はハイタッチして喜ぶ。けれど、それから打者が出ることもなく試合終了となった。


「負けちゃったね」

「ほんまやね」

「でも恵吾くんすんんんごかった!」


 わたしたちは荷物を持ち、下におりる。終了後、恵吾たちは勢いよくグラウンド整備に取り掛かる。ああ、そういえば自分も中学の頃はがんばってしていたな、と思い出す。

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