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しばし休憩する

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 

【 マリエside 】



 マーベルからリディアーヌがロリロリを映像で見ている様だと伝言が届いた。


「リディアーヌが哀れだわ……… 」


 一体どんな内容の映像かわからないけど、禄でもないのは確かだろう。


「マーベルからか」


 ギルバートが書類を見ながら聞いて来る。

 なかなか忙しそうだ。眉間のシワが深い。


「ええ、どうやらリディアーヌが、ロリロリを前世映像で見ている様だと、連絡が来たわ」


「あんなものを見たとは、それは確かに哀れだな。」


 あれ以上深くならないと思った眉間のシワが、更に深く刻まれる。

 思わず指でシワを、ウンショと伸ばしてみた。


「マリエ……… 」


 またシワを作ろうとするので、つかさずまた伸ばす。

 ギルバートは不愉快そうに手を掴む。


「さっきから何をしているんだ?」


 不機嫌そうな顔をして、指で自分の眉間を撫でる。


「イヤ、あんまり眉間のシワが深かったから、第二のドラノア侯爵になりそうだわと思って、シワにならない様にしわ伸ばししたのよ。」


「私は第二のドラノア侯爵になってもいいけどな。渋みがあっていいじゃないか」


 どうやらギルバート的に、ドラノア侯爵の眉間のシワはありのようだ。

 だが人には似合うに合わないがあるだろう。

 ギルバートはどちらかと言えば優しい顔立ちをしている。

 ドラノア侯爵みたいな厳つさがないのだ。


 ”似合わないって、はっきり言ってやるべきかしら?”


 これは悩むところなのよね。

 最近のギルバートは、ドラノア侯爵推しなのだから………

 推しに関しての扱いは妹でいやって程わかっている。


「フフフ…… 」


 秘儀、差し当たり笑っとけ。

 するとギルバートもニヤリッと笑って、目線を書類に戻した。

 ヨシヨシ、どうやらこちらでも通用するようだ。

 ホッとして肩の力を抜く。

 とりあえず、リディアーヌにヤツの事詳しく聞かなくちゃ、時間もかけていられないわ。

 最近城内に動物が出没している案件が会議で取りざたされたが、アレはガウェイン殿下が気にしなくていいという事で終わった。

 だから多分何らかの関係があるんでしょうね。

 じゃないと………

 ギルバートが書類を読んでいる横で、のんびりと寛いでいる猫。

 ガウェイン殿下が手紙を託した配達人。

 今はギルバートの返信の手紙待ちの様だ。


 ”全くいつからガウェイン殿下テイマーになったのかしら”


 でも最近ちゃんと早寝早起きしている様ね。

 王妃から感謝の印に、夜食の後のデザートは最高だった。

 やっぱり親は子供の心配をするものだ。

 どんなに賢くしっかり者でも、子供は子供。

 身体の成長は必要不可欠なのだから。


「すまないな。これをガウェイン殿下にお願いできるか?」


 そう言って小物入れに入れて渡す。

 それを猫がイソイソと口の咥えて出て行った。


「ホット賢いネコちゃんよね」


 私が感心して呟いていると、ギルバートもうんうんと頷いている。


「それに可愛いんだろ。癒されていいな。私もすべてが終わったら猫を飼いたいな」


 ホントに癒されたのだろう。ニコニコ笑顔のギルバート。

 でも私としては、


「申し訳ないけど私犬派なの。出来たら犬がいいわ」


 猫は気まぐれだし、あのザラッとした舌が苦手なのよ。


「マリエ私は猫派なんだ」


 ギルバートはどうやら譲る気がない様で、挑むような目で私に言った。

 これは気の長い戦いが始まりそうだ。



 ****************



 早速次の日リディアーヌにあう。

 だから昼は私の方で作る事にした。

 せっかくだから、三段重に詰めようかしら。

 ちょうど運動会のような感じで♪

 ウキウキしながら料理を振舞う。


「母さん、今から何を作るの?」


 朝起きて、香りがしたのだろう。

 唐揚げを物欲しそうに見ている。


「これは昼皆で食べるつもりよ、マーベル」


 テーブルのところ狭しと並んだおかずの数々。

 お重に詰めるのは、なかなか難しいのだ。

 センス良く、美味しく・色鮮やかに詰めなくてはならない。


「何か手伝おうか?」


 ギルバートが味噌汁を飲みながら、聞いて来る。

 横ではマーベルが自分用のおにぎりを作っている。

 トッピングはおかかにしたようだ。


「それじゃあ、卵焼き様に卵を割ってくれるかしら」


 卵を大量に割るのも、なかなか大変なのだ。


「俺も卵焼き作る!リディアーヌが食べる方を俺の卵焼きにしてよ」


 マーベルも卵焼きを上手に作れる。

 自分の作った料理を食べさせ、胃袋を掴むようだ。


「なんだ。お前が餌付けするのか?」


 さすがのギルバートも驚いている。

 男で胃袋を掴みに行くのは珍しいだろう。

 ヤレヤレ、マーベルのリディアーヌ愛はなかなかのモノだ。

 ホントこの歳でこれって………

 私が呆れた顔でマーベルを見ていると


「マリエ、グラッセの家は基本溺愛系なんだ。そういった意味で兄上は変わっている」


「バルトルの溺愛感情は違った方向へ行ったのね」


「そう、こだわりと趣味というか……… 」

「いま世界的にとても役立っているわ」


 二人で遠い目をして、バルトルの行く末を考える。

 マーベルはガツガツとおにぎりを食べて、味噌汁を飲んだ。


「ごちそうさまでした!」


 ギルバートの横に立つと卵を割っていくマーベル。

 片手割できるマーベルはサッサと割っていく。

 その横で両手で慎重に卵を割っていくギルバート。


「お前速いな………」


「父さんが慎重すぎるんだよ。殻さえ入らなきゃいいんだから」


「どうやったら片手で割れるんだ?」


「力加減となれだからよ。」


 ホントこんな日常がずっと続いて行けるように頑張らないと………

 地獄のような世界は叩き潰してあげるわ。

 そう心の中で近いながら、幸せを噛みしめていた。




 ****************



 ユリウス殿下の作業場に行くと、皆がワイワイガヤガヤと何やら作っている。


「ユリウス殿下いつもチヨちゃんがお世話になっております。」


 簡単なカテーシーをし挨拶すると、ユリウス殿下は苦笑していた。


「逆に俺がお世話されている。夜など余り遅いと怒られる」


「殿下も夜更かししていらっしゃるのですか?」


 わたしが咎める様に言うと、


「ガウェインが寝ないと育たないという事を話しに来てね。チヨも一緒に聞いたんだ。それから毎日迎えに来られる。」


 どうやらあの情報がガウェイン殿下からもたらされた様だ。


「それはようございました。あの話はホントの話なので、身長が必要ないと思われるなら、一向に構いませんよ」


 私がニヤリと笑ってそう言うと、苦味つぶした顔をしてそっぽを向いた。

 男として身長は絶対必要不可欠な要素だものね。


「殿下も成長の分泌する残り時間は少ないのです。頑張って下さいね」


 私はニッコリと笑って言った。


「マリエ夫人、残り時間って何?」


 あら私言ってなかったかしら?


「成長の伸び率ですよ。ずっと同じ速さで成長しないじゃないですか。身長なんてすぐ止まります」


「止まる?」


「成長が止まる」


 私はフフフ……と笑って言うと、ユリウス殿下もニッコリと笑った。

 多分今日から早く寝てくれそうだわ。

 子供の成長は健やかなのが一番だ。




 ****************




「リディアーヌ、今日の昼ランチはジャジャジャジャーン」


 テーブルの上に三段重を出す。

 それを見たリディアーヌの目はキラキラだ。


「これは運動会なんかで使う三段重じゃないですか!!」


「そうよ。この横デカさと厚み。間違っても正月用じゃないわ!」


「もちろん唐揚げと卵焼きときんぴらと……… 」


「ええ、おにぎりもハンバーグもコロッケも入っていてよ♪」


「神!!……… 」


「ええ、何度でも拝んでいいのよ。オ~ホホホ!!」


 敬いなさい。

 ノリなんてホント苦労して探したんだから。

 米だって行商に頼み込んで探して貰った。

 醤油なんて試行錯誤で頑張って作ったのよ。


「なんかあそこだけ空気違うよな」

「食い物であそこまで感動するもんなんだな」

「というか蓋開けてないわ」

「よくわからないわ。不思議だわね……… 」


 ショウエイ達4人は今回事情聴取の担当をおねがいしている。

 だから同じ部屋でお昼しようと思ったんだけど、リディアーヌの感動する姿にドン引きしている。


「では開けるわよ。見て驚け。朝からホント頑張ったんだから♪」


 一段

 おにぎり三種

 鮭と青菜 肉巻き  昆布とおかか


 二段

 卵焼き 唐揚げ きんぴら ハンバーグ  タコウインナー ポテサラ やさいマリネ 


 三段

 フルーツ牛乳寒天 リンゴ  大学芋  かぼちゃどら焼き アップルパイ


「凄い……… 私牛乳寒天大好き!!」


「学校給食の定番よね。フフフ……ポンデリング直伝よ」


「うわー--!!!」


 アラアラ、余りの喜びに部屋中走り回り始めたわ。

 そんなに喜んで貰うなんて良かった。


「あの牛乳寒天って何ですか?」


「あんな様子のリディアーヌ様初めて見ました。」


 ハンナとジュリアが聞いて来た。

 リディアーヌがあれほど喜んでいれば気にもなるだろう。

 ショウエイ達は二段目のお重に釘付けのようだ。


「牛乳寒天はこれよ。これも大変だったのよ。これはね。リディアーヌが働いていた学校給食では定番のデザートだったの。学校給食には私の妹が主任でいたわ。リディアーヌは妹と友人だったの。そして私の作ったこれは、妹直伝なの。どうやら前世リディアーヌの好物だった様ね」


「な、なるほどそれなら納得です」


「まあ…… こちらが前世リディアーヌ様の好物。考え深いものです」


 チラッと見るとショウエイ達はヨダレを垂らさんばかりだわ。


「リディアーヌ、ほら食べるはよ。今回特別にデザート先に食べてもいいわよ」


「ホントですか!!!ハウ~~~……♪」


「それと、卵焼きは絶対食べて上げてね。マーベルが作ったの」


「マーベルが!!ウソ上手?!」


「マーベル様手先が器用ですからね」


「そういうのも、料理に反映されるのね。料理のできる男っていいわね」


 ハンナとジュリアは真剣に考えだす。

 料理男子いい。マジ推せると………


「ほら皆も食べなさい。お腹空いたでしょ」


「「「「マリエ夫人、お心遣い感謝します。」」」」


 凄く喜んでもらうと嬉しいものね。

 ショウエイ達は唐揚げと肉巻きに飛んで行った。

 ヤッパリ男は肉なのだ。

 ハンナ達はタコウインナーを不思議そうに見ている。

 確かに何だろうと思うだろう。


「それ、ウインナーをタコ要はクラーケンを模しているのよ。お弁当の定番ね。」


「また何でクラーケンを?!」


「定番何ですか?!」


「今思うと不思議よね。でも子供が喜ぶ定番のもので、タコウインナーって言うのよ。ちなみにうちのチヨもマーベルも喜んでいたわ」


「私もタコウインナー嬉しいです。絶対必要なモノです。」


 リディアーヌはいい笑顔で力強く言った。


「でしょ。頑張ってタコウインナー用のウインナー作ったのよ。私偉いわ」


「ハイ、マリエ夫人偉いです」


「クラーケンに模す為にウインナーから作る……… 」


 その努力と方向性に啞然とするハンナ。


「私にはその情熱がわからないわ。」


 ついていけないジュリアは、首を振って否定するのだった。



 そんな話を歯牙にもかけず、上手い美味いと食べるショウエイとクロー。

 凄くいい笑顔のリディアーヌ。

 もちろん箸で器用に卵焼きを食べる。

 マーベルがリディアーヌに食べて欲しくて、作っていた事も伝える。

 悶えて喜ぶリディアーヌ。


 ”マーベル、しっかり胃袋掴んだわよ”


 心の中でマーベルに伝えるのだった。

 ハンナとジュリアはタコウインナーを食べて、敗北をした。


「変なネーミングなくせに美味しい」


「この見た目だから、美味しいのだわ。足の分が好きだわ……… 」






読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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