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カロリーナ再び

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 



 騎士団長の遠征する日程が急遽決まった。

 ガウェイン殿下の誕生日パーティーの一週間前に行われる。

 はっきり言ってかなりの強行日程だ。

 私達の行動も同時に変わっていった。

 以前は午前中は勉強(アレクシス殿下らと)、午後から交流(チヨちゃ交えて)だった。

 それが午前中は、庭遊びが城内散歩二変わり、アレクシス殿下らとチヨちゃんやマーベルが、護衛にユーリさんが加わる事となった。

 理由としては呪石探知機の試運転テストの為。

 見た目は子供が持ってもおかしくない様に作ってある。

 陸用は動物を乗せるカートタイプ。

 なぜか集まる動物達。

 カートには、リス・猫・犬・鳥・ウサギ。

 番犬もついて来ているので、ある意味安全だ。

 そして水中用、船のリモコン型おもちゃ。

 アレクシス殿下らが、城内の池で遊びながら探索する。

 データはユリウス殿下の部屋に流れる仕組みだ。

 本格的になれば、バルトル子爵の方へ向かうのだろう。

 ホント今一番忙しい人なのかもしれない。

 今日はマーベルの代わりにガウェイン殿下達がついた。


「そして、昼ご飯が終わったらお勉強。その間データ収集と探知機性能検査か」


「その方が効率いいしね。朝の方が涼しいからいいでしょ。」


 ニコニコと笑顔を振りまき、周りに挨拶して歩くガウェイン殿下。


「マリエ夫人から聞きましたわ。それから側近の方からも。朝ご飯も食べていなかったなんて、ビックリですわよ。夜は抜いても朝抜くな。これ絶対ですのよ。」


 私がチラリと見ると、申し訳なさそうな顔で頬を指で掻いている。


「運動も少しするだけで効率も良くなりますわ。ガウェイン殿下はお勉強いつしていますの?」


「僕は午前中にしていたよ。ついでに実務と学習を同時で行っているんだ」


 ”なるほど現場研修しながらの学習ね。効率よく覚えていく訳だわ”


 周りを見るとさすが午前中、皆とても忙しそうに仕事をしている。

 庭師は雑草を抜いたり剪定したり、メイド達は掃除で大忙し。

 騎士達も訓練や巡回でバタバタだ。

 朝の喧騒はなかなか賑やかだった。


「今日の朝ごはん美味しかったですわ。ホットサンドとフルーツヨーグルト」


 私とヨシュアとガーランド三人は、今お城に宿泊中だ。

 私は身の安全を守る為、ヨシュアとガーランドはその隠れ蓑。

 どちらにしろ5歳児グループの学習保育と名を打っている。


「あの呪石探知機ホント便利。しかし庭園の池の中がヘドロ状で呪石があるのは驚いだよ。効力がおかしいしね。それに結構拾ってるね、呪石。」


 探知機がピカッと光ると、ガーランドとヨシュアがすぐに見渡し探して拾う。

 きんちゃく袋には、どんぐりよりも小さい呪石が入っている。


「ドラノア侯爵から、カロリーナの外出が多いと話が出ていたよ。結構頻繁に教会へ行くらしいよ」


 つまり教会繋がりで情報が漏れ始めてるって事かな。

 教国の方でもスパイ捜索してるけど、難航しているそうだ。


「だから君は保護対象に変わったんだけどね。それにゼルネアスの像に呪石が仕込まれていたなんて……… 刺激式って事だよね?」


 像が壊されて呪石の効力を発揮するというモノ。

 だから、周辺の呪石もその可能性があるという事だ。

 それにヘドロ状の呪石らしきもの。

 ホントありとあらゆる物を、アチラさんは用意している様だった。


「準備期間はたくさんある状態だったから、いろいろと試作したんじゃないの?研究熱心だね」


 ホントそういう事なんだと思う。

 逃げられない様に雁字搦めに罠を仕掛けて、正体を現したのだろう。


 前の方を見るとアレクシス殿下とチヨちゃんが、ジッと正面を見ている。

 どうしたんだろう?


「ああ、どうやらアチラさんがおでましの様だ。」


 よく見るとカロリーナがこちらに向かって、ニコニコと歩いて来ていた。

 今日はドラノア侯爵と一緒ではない様だ。

 隣には護衛なのだろう、二人ほど連れてこちらに来ている。


「あの護衛怪しいな……… 」


 アレクシス殿下がチヨちゃんを庇う様に前に出た。

 その両脇にヨシュアとガーランドがつく。

 しかしそれよりも………


「ウウウ……… 」


 番犬たちが警戒マックスで唸り声をあげた。

 カロリーナたちの進路を邪魔する様に、鳥たちが数羽前を横切った。


「アレクシス殿下、チヨちゃん、動物達が警戒しているから戻ろうか」


 城内もその様子を見てカロリーナ達を警戒しだした。

 行動を移すのかどうなのか………

 私も警戒してチヨちゃん達がこちらに来るまで、カロリーナ達を見つめる。


「あ、あの……… 」


 いつもの弱弱しい雰囲気で、すがりつく様な声を出し呼び止める。

 アレクシス殿下が、チヨちゃんの背を押して歩みを早めた。

 ヨシュアとガーランドがアレクシス殿下の背後につく。


「おはようございます、ドラノア侯爵夫人。朝早くから城にご用ですか?申し訳ないのですが、動物達の散歩をしている状況です。今日は少し不機嫌な様なので近づかないでくれますか?危ないので……… 」


 ユーリさんがそう言って牽制をする。

 目は護衛達に向いている。

 私はずっとカロリーナを見ていた。

 カロリーナも私の視線に気がついたのだろう。

 こっちに目を向けてニヤリと笑った。


「これは!ガウェイン殿下、カスタネエ令嬢おはようございます。」


 そう言って、簡単なカテーシーをする、カロリーナ。

 どうやら私達を使って合流したい様だ。

 その声を聞いたアレクシス殿下達の歩みが止まった。

 ガウェイン殿下はカロリーナを見て、ニコニコ笑顔を固定。

 ガーランドが私を見たので、扇を出して口元を隠すようにした。

 カロリーナからはほほ笑んでいる様に見えるだろう。

 でも口は”行って!”と言う。

 ガーランドが達がアレクシス殿下を促し、チヨちゃんを歩かせる。

 ショウエイ達が護衛に入った。

 ガウェイン殿下の側近たちがソッと付いた。


「先日以来だね。ドラノア侯爵夫人」


「ドラノア侯爵夫人、おはよう。朝早くからご苦労ね。何故いるの?」


 首を傾げて、率直に言った。

 だって私は我儘な令嬢だもの。

 私の横にはハンナがついた。


「主人に頼まれものをされましたので……… 」


 困った風にほほ笑む。目は爬虫類の様に冷たい。


 ”あまり気持ちのいいものじゃないわね。”


 スッと目を逸らし腹の底に力を入れる。

 あの世界樹の映像を見ているのだ。

 こいつ等の中に、どの様な寄生虫が潜んでいるか知っているのだ。


 ”空気感染じゃないけど、離れた方が得策だわ”


 前世日本でソーシャルディスタンスがある様に、離れて対応しよう。


「そうなの。じゃあさよなら。御機嫌よう」


 私はそう傲慢に言い放つ。

 そんな私にガウェイン殿下がクスクスと笑った。

 二人とも余りいい態度とは言えない。

 カロリーナについてる護衛達を見る。

 瞳孔が開いた状態でやっぱり気持ちが悪い。

 その目が動いて視線が合おうとし、私はすぐに目を逸らす。


「不愉快だわ。貴女の護衛気持ち悪い。早く行ってくれない」


 カロリーナに不機嫌で我儘の声で言う。

 ガウェイン殿下は眉間にシワを寄せ、ユーリさんを叩いた。

 私もハンナの手を取る。

 二人はビクッと体を揺らす。


「あなた達仕事中よ、ボーとするなんて、ちょっと怠慢じゃなくって」


 そんな二人を私は叱咤くする。


 ”やっぱりあの目は危険なのだわ。何なんだろう?あの変な力……… ”


 そしてまだいるカロリーナを見る。

 少し目を開き不機嫌そうな顔をしている。

 やっぱり何かしようとしたわね。


「さっさと行かなくていいのかしら?」


「リディアーヌ嬢、言葉が悪いよ。確かにせっかくの散歩邪魔されたけどね」


 そんな私に注意しつつも、援護する様に言うガウェイン殿下。

 カロリーナは私達二人を、観察するような目に変えた。

 でも何度でも言うけど、お生憎様。


「貴女も嫌な目しているのね。変なお化粧だし気持ち悪いわ。この前も思ったけど、その眉はこだわりなの?面白いけれど」


「ブハッ?!ち、ちょっとリディアーヌ!!」


 クックック……… と笑いのツボにハマったガウェイン殿下。

 私は悪役令嬢リディアーヌ。

 人が嫌だなと思う事をついて言うのが好きな子なのよ。

 カロリーナもさすがに引き攣った顔をして嫌そうだ。

 公も正面からズゲズゲ言われる事もないだろう。


「それともお化粧に仕方知らないの?美的感覚ってひとそれぞれよね。その顔でエッチな下着履いたら面白いわよ」


「リディアーヌ嬢。貴女は何という事を?!!」


「淑女がその様な事を言ってはいけませんわ。ドラノア侯爵夫人申し訳ございません。先日庭園でその……… 察してくださいませ」


 ユーリさんとハンナは、悲鳴をあげるように私に注意した。

 カロリーナはパクパクと口を開いて、怯んだ顔をしている。

 護衛二人も啞然とした様子だ。


「ごめんね。ドラノア侯爵夫人。不埒な者がいたばかりによく判っていないんだ。許してやってくれ。」


 ガウェイン殿下が困った顔で、肩をすくめた。

 私はあえてキョトンとしている。


「ホホホわかっておりますわ。申し訳ございません。では私はこれにて」


 そう言って帰って行った。

 撃退してやったわ。ミッションコンプリート!


「リディアーヌ嬢、なかなか凄い事を言うね」


 ガウェイン殿下は面白そうに私見る。


「全くです。カスタネエ公爵に申し訳ないです」


「冷や汗ものですわ」


 ユーリさんとハンナは、さすがにあり得ない言葉とセリフだったのだろう。

 でも此方に近寄らず撃退出来たからいいの。

 私とガウェイン殿下は、カロリーナにとって邪魔ものだろう。

 近寄られて殺されかねないからね。毒ガスとか……


「しかしやっぱり精神干渉の何かを持っているね。ユーリとハンナどうだ?」


 ガウェイン殿下が二人を静かに見つめた。


「あの護衛と目が合った瞬間、こう何か入り込む?」


「ええ、そういうような感じが致しました」


「ガウェイン殿下そこら辺はユリウス殿下が詳しいと思いますわ。」


 餅は餅屋と言うのだから、報告すればいいだろう。


 それより何でお城に来たのだろうか?

 出来れば、どこかに盗聴器仕込みたかったわ。

 そう考えると、あの護衛ホント邪魔だわ。

 いる限り何故城にいるのか、調べれないのだ。


 ”バサッ”


「ああ、お手伝いしてくれるの?それじゃあこれヨロシクね。後これはお礼の品ね。」


 そう言って、先日ユリウス殿下の頭に乗っていた鳥に、何かを渡し取り付けた。

 鳥はそのまま大空を飛びどこかへ行った。 


「ガウェイン殿下、あの鳥どうしたんです?」


 私が空を見上げたまま聞くと、ガウェイン殿下が笑う。

 なんだなんだ、どうしたんだろう?

 ガウェイン殿下はとても楽しそうで誇らしげだ。


「あのね。あの鳥の足に盗聴カメラを付けたんだ。空で監視してくれるようだよ。ありがたいよね。だからお礼もついでに渡したんだ。どんな映像が映るか、今からとても楽しみだよ」


 ガウェイン殿下の側近たちは、微笑ましい者を見るような目で殿下を見ている。

 だが、私とユーリとハンナは唖然としていた。


 確かに盗聴できたらいいなと思ったけど………

 いつの間にかガウェイン殿下は鳥とコミュニケーションを取り、お願いする事ができるようになっていた。


 ガウェイン殿下って一体どこ目指しているの??

 ホント不可解な人物だ。










読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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