呪石について考える
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
あれから皆ができる事は何か話し合い、いろいろと調べ進めて行った。
マリエ夫人からも、古の地の一族の話を聞いた。
黒髪と黒目は日本人の色だったのだ。
それがわかると、今まで遠く思えた世界は遥かに近い。
マリエ夫人と二人で泣いて笑って、いつか行けたならどうするっと話して、
「そりゃもちろん、ポンデリングにモノ申すわ」
「私もです。どこがキャハハウフフなんだと」
お互い愚痴や文句を言って、望郷の念を消化していく。
「だからこれだけは言おうと思っているのよ」
「私もあるんですよ。これは言ってやらないとって」
二人してニヤリと笑い合い、
「マーベルは息子だったわ」
「マーベルと結婚したわ」
どれだけ悔しがる事だろう。
泣き喚くのではないか。
「可愛い子供時代を過ごしたのよw」
「めちゃくちゃ溺愛されましたw」
そう思うと少し溜飲が下がる。
ホント余りな世界なのだから、それぐらいしてもいいだろう。
「どうにか彼方に手紙を送りたいですわ」
「ホントね。ざまぁみろしたいわね」
とにかく… 私達はこちらの世界で生きているのだ。
崩れてしまいそうな世界。
そんな世界に更なる刺激を与えようとするボクワイ。
全く関係ないはずなのに、お人好しな日本人が守っていた世界。
「さて、呪石を手に入れた事だし、いろいろ考えましょう。」
私が担当するのは、呪石に対抗するモノだ。
マリエ夫人から時限爆弾という話も貰った。
何でも空想の物扱いらしい。
でもこれは確かにありなのだ。
セットするだけでいい。
後は安全な場所まで戻って破壊すればいい。
その時は魔獣もろともにするのだ。
時間差が作れるなら、爆弾じゃなくてもいいのではないか?
いろんな案が更に積み重なっていく。
時間差ができるなら結界もいいのでは?
そして呪石を浄化するとかどうだろう。
内からだと効果は度合いはどうなのか?
今度は呪石その物を、深く考えてみる。
呪石はダイヤモンドより硬くない。
でも剣で叩いても刃が折れる様に硬い。
金槌で叩いても割れる形跡はない。
落としても割る事はない。
石その物の質量が、馬鹿みたいに重かった。
「騎士団長が言ってたけど、どうやって運んだのだろう。これだけでめちゃくちゃ重たいです。」
私が両手で抱えるこぶし大の呪石は、ボーリングの玉より重い。
騎士団長が見たという呪石は、石碑のような大きさだったという。
ちょっとおかしくないか、その呪石。
何でそんなにデカいのに、疑われもせず気づかれもしないの?
普通なら魔獣が、急激に増えて気づくはずだ。
ボクワイが得意とする精神干渉。
同じ血族にもなるユリウス殿下【洗脳と魅了】
その石が見つかったのは情報を集め、集約して割り出した場所。
始めから誰もその場所ですなんて言ってない。
「ああ?!なるほど、今日に私は冴えてるわ」
「どうしたんだ?突然立ち上がって、座っての自画自賛」
今日のマーベルはとても忙しそうだ。
挙動不審な私の態度に目を向けた。
「何か思いついたのか、リディアーヌ?」
早々、忘れる前に話さなきゃだわ。
「騎士団長、私どうやって呪石を持って行ったのか。思いつきました。でも最悪です。」
「ウム、出は報告したまえ」
ちょっとふざけた風に言う騎士団長。
「もしかしたら、騎士団長が見た呪石は、成長した石ではないかと思いました。つまり種の呪石があって、長い年月成長したんじゃないかと思われます。今回見つかったのは情報の集約です。誰もここに呪石があるよなんて言ってません。という事は、人がいない所に何もしていないのか、したのか。ハッキリ言って未知数。捕まったボクワイからの情報収集は急務じゃないかなって思います。」
どうだろうか。正解だろうか。
周りの人たちの反応を見る。
ユリウス殿下が真剣な表情で考え込んでいる。
バンガルさんは特に石だから詳しいはずだ。
今日は、教国からの神官の人も混じっている。
反応はどうかな??
「リディアーヌ、何故そう思ったんだ?」
騎士団長が表情をかえて、真剣な表情で聞き返した。
ちょっと怖いが頑張れ私。
「始め、この呪石が余りにも重たいからです。こんな重たいものを、どうやって持って行くのだろうと考えました。馬でも無理、人でもあり得ない。それこそ転移しかない。でもボクワイは魔力がない。どちらにしろ効率が悪い。それに数が余りにも多い。後は情報です!あんな大きな石突然出現したはずなのに、情報の跳ね上がりがなかった。じわじわと被害が拡大するから、地元では判断が出来なかったのかなと思いました。如何でしょうか?」
皆がジッと考察している。
「その可能性はある。という事は、ヤツラは呪石を作る技術がある。把握外の場所にもある可能性があるという事だな。」
「呪石の種ってわかり易いですね。そうなると、人工の呪石という事になります。天然と全て一緒なのでしょうか?」
アンリさんが一つの疑問を提示する。
「騎士団長、一応叩いてみたりしたのか?」
バンガルさんも同じだったのか聞いている。
「すまん。見た目で無駄と思って何もしてない。せいぜい腹癒せに聖水かけたくらいだ。」
「効果はどうだったんですか?」
続いて神官が騎士団長に聞く。
「変わらなかったと思ったが、はなっから効果はないだろうと経過観察していない。魔獣を警戒してすぐ引き返したんだ。」
騎士団長が心底申し訳なさそうに身を縮めている。
部屋にいる何人かのため息が聞こえる。
「騎士の中に叩いた物がいたのか、かけた後の呪石を見た者がいるか確認をすればいい。とにかく違いがあるかどうか、もう一度調査だ。騎士団長、遠征の指揮をお願いする。今度はしっかり調べてくれ。」
ユリウス殿下がまとめる様に言った。
「そうなるよな。ついでに、ここで作った武器の効果も試してみるさ」
「ああ、よろしく頼む。それからバルトル子爵にも、この件は伝えておいて欲しい。別の国の情報がわかるかもしれないから。他に気になる事は?」
私はオズオズと手を挙げる。
「リディアーヌ、他にも何かあるのか?」
「うん、私呪石って今回初めて知ったから、特徴もわからないし、効果がどれくらいかも知らない。でも今回の石は認識を阻害できるのでは?と思ったの。ボクワイはよくするし得意でしょ?」
ユリウス殿下を見ながら言った。
これに関しては、その片鱗を持っているユリウス殿下が詳しいと思うのだ。
それに今日は神官がいるから、より詳しく教えて貰えるだろう。
「石自体もともと、土の中にある状態がほとんどです。なので出来れば遠征で土を掘って頂きたい。」
神官が更なる追加を言い渡す。
なるほど天然は地下形成型なんだ。
「確かにな。持ち込んで置かれたと思い込んでたから………」
思い込みは仕事で一番したらダメな事だよ。
「リディアーヌ、呪石に認識阻害はないはずだ。ただ今回の物は可能性あるだろう。団長、呪石の大きさに対して、魔獣の量はどうだった?それで効果がわかるだろう。おかしな所とか……」
「俺今回良い所なしだな。もしかして判断力を鈍らせるものとかあるんじゃないか」
情けない顔の騎士団長、ボロボロです。
「………なるほど その可能性もあるのか」
ユリウス殿下が騎士団長のやけっぱちに頷いた。
「「えっ、ホントに?!」」
さずがの私も驚いた。というか騎士団長も一緒だ。
「マジか?!俺だけのせいじゃないのか??余りにも酷くて落ち込んだのに……… マジか………」
頭を抑えて唸っている騎士団長。
ボクワイの精神干渉はホントに厄介だね。
「呪石はホント厄介なんですよ。それが人口となるとどんな効果があるかわかりません。教国から詳しい者を派遣して貰いましょう。天然にはそのような精神干渉はなかったと思うのです。カスタネエ令嬢なぜ精神干渉があると思われたのですか?」
「特徴的な色の呪石が大きく表面に出ているのに、誰も気づいていないからです。集約さている場所によって気づかないのがおかしな場所もあるでしょ」
写しの地図を見て私は言った。
「確かにそうですね。精神干渉関連は守護が必要です。そちら関係も用意しておきましょう」
「ありがとう神官さん」
「いいえ、カスタネエ令嬢のご慧眼には頭が下がる思いです」
「神官さん、私リディアーヌですわ。宜しくお願い致しますわ」
「こちらこそ、私はセルフィナと申します。リディアーヌ嬢」
「それで効果の程度の話だったよな。後何か変だと思った事か」
精神を落ち着かせた騎士団長が、先程聞かれた事を考え始めた。
その横で私は別の事を考えている。
金属探知機みたいなもの作れないかって、でもどうやって作ればいいの?
魔法だと探索だったかな?
地下に埋まっている規模とか、空からでも探索できたらいいんだけどな。
この辺はユリウス殿下とマーベルに相談だわ。
出来れば団長が遠征する前に渡したい。
「魔獣の量は多かった。でも死者は出ていない。もし地下に埋まった箇所があると考えると少ないし効果も低い。それに範囲も狭いかもしれない。おかしいと思った所はわからねぇな。他の奴らにも聞いてみよう」
ユーリさんがメモにササっと書いている。
今日にユーリさんは真面目モードらしい。
「ほかにまだある者はいないか?いない様ならこのまま引き続き作業して欲しい。」
そう言うと皆が作業を始めた。
騎士団長とユーリさんが打ち合わせをしている。
人数どれくらいの遠征になるんだろう。
「リディアーヌ、さっきはいい着目点だった。ありがとう」
ユリウス殿下が褒めてくれた。
ホント最近のユリウス殿下の成長が眩し過ぎる。
「こちらこそ聞いてくれてありがとう。でね、早々に相談したい事があるんだけどいいかな?多分コレ通信機並に難問です。ごめん。むちゃブリ発揮して……… 」
ユリウス殿下がウエ~~~…… と嫌そうな顔をする。
ああ、本来のユリウス殿下に戻ってしまった。
「お前ただでさえ忙しいのにマジか?!」
私はうんうんと頷く。どうしても作って貰いたいのだ。
私の話を聞いてくれ。お願い!!
私は秘儀ウルウルお眼目のお願いポーズをする。
どうだ?効くか?!効いているのか?!!
ユリウス殿下は苦味つぶした顔でとても嫌そうにしている。
全く効いてないどころか引かれてる?!
「マーベルに話しておいてくれ。多分必要なモノなんだろう。俺が聞いてやってもいいが、マーベルに恨まれるだろう。コッソリ後ろを見ろ。俺は殺されそうだぞ」
どうやら効くの効かない以前の問題だったようだ。
「……… 、なんかマーベルがごめん」
「ああ……… 、察してくれリディアーヌ。アイツは時々壊れる」
「……… ですよね。」
チラッと見た後ろのマーベルは、昭和の乙女の様にハンカチの端を噛んで、キーー-… としていた。
する人いるんだね。初めて見たよ………
「じゃあ、またなリディアーヌ」
苦笑交じりに笑って、チヨちゃんのいる方へ向かって行った。
それを待っていたように、後ろから声をかけるマーベル。
「なぜか偉く可愛いポーズをして、ユリウスと話していたけどどういう事かな?」
ブラックマーベル降臨。
「うん、ちょっと相談があったんだけど忙しいって、でもマーベルも忙しそうだしどうしよう…」(´・ω・`)
そう言って可愛くしょぼんポーズを実行した。
顔を下に俯いて、手を前にしモジモジとする。
今度は効いてくれるかな。届け私の思い♪
「もちろんリディアーヌのお願いなら聞いてあげるよ。何でも言って」
やった!チョロイン♪
あんまりやり過ぎると、また噛みつかれるから(物理的に)気をつけよう。
「あのね。呪石探知機を作って欲しいの♪」
「はあぁぁあ……?!!」
盛大なハアを頂きました。ごめんなさい………
「リディアーヌ、ユリウスが言う様に今ホントに忙しい。」
「うんうん、解ってる判ってるの」
「なのに呪石探知機って、どうやって作るの?」
「それは通信機みたいに出来ないかなって………ゴニョニョ」
「アレも大変だったんだよ。3徹だよ、わかってる?」
「うん、ごめんなさい。解ってるんだけど、あった方が後々いいかなって思っちゃって……… 」
ハア~…… とため息をつくマーベル。
ウウウ…… 上目遣いの私。決して媚びていません。天然です。
毎度毎度遣らかしてホントごめんなさい。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




