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ガウェイン殿下の睡眠

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 

【 マリエside 】




 フフフ……と笑っているガウェイン殿下。

 可愛い見た目なんだけど、毒の含みは半端ない。

「ガウェイン、疲れて毒舌吐きたくなるのもわかるが、皆も疲れているんだ。ほどほどにしてくれ」

 うんざり気味の陛下。お疲れ様です。


「今のはただの冗談です。忘れてしまいなさい」


 宰相も疲れた様にため息をつく。

 この子の冗談は冗談で済まないのよ。

 妙に説得力あるか、ホントに心臓に悪いわ。


「えっと、では今のは単なる話と言うか軽口という事でしょうか?」


 ユーリが確認の為聞いている。


「そうだ。大体神はそのような事はない。じゃないとマリエ夫人やリディアーヌ、それにどうやらハルア

 ナもそうらしいが、転生者の存在理由が可笑しい。私は逆に神による救済の手と思える。」


 陛下はそう言って私に笑い、皆を見回した。


「ホント、ハルアナ王女には何と言ったらいいのか。せめて手助けはできなかったのかと、後悔しております」


「それを言うなら私だ。はなっから相手をしていない。手助けも何も出来るはずがない。これは私の罪。ハルアナをあの状態に追い込んだのは私自身、向き合えばかなり変わっていただろう。」


 陛下と宰相は苦しげな表情で吐露した。

 私も思う事があるのだ。

 ハルアナ王女はストーリーを全部わかっていたんじゃないのかと………


「多分そうなっても無理だと思うよ。時折ハルアナ王女、胸を抑えたりして苦しげだったもの。何か魔道具でも仕掛けられてたんじゃないの?わからないけどね。」


 ガウェイン殿下は、ホント爆弾発言だらけだ。

 そうなるとどうしたって、現状変わらないという事になる。


「ねぇマリエ夫人、古の地の一族がどの様にして興ったか教えようか」


 更なる爆弾投下予告。


「ええ、お願いいたしますわ。私も記憶がありませんの。凄く気になりますわ」


 ニッコリほほ笑んで受けて立つ。


「それでしたら私の方からお話し致しましょう」


 大司教がガウェイン殿下を下がらせた。

 その行動ははっきり言ってありがたかった。




 *****************



 古の地の一族。

 一族がいる土地が、世界樹があった由来でその名がついた。

 当時世界樹があった場所だった事から、聖地とした神殿もあった。

 その種族は忽然とその地に現れたそうだ。40名ぐらいの若者たちで、若者たちは旅行の途中事故合い巻き込まれ気がついたらその地に居たそうなんだよ。全て黒目黒髪の者達だった。

 あの種族は、いつの時代も珍しく華奢で黒目黒髪がほとんどだった様だ。それが世代を超えて、この世界の者と混じり合い、少しずつ色が混ざりあっていった。

 私はそれを聞いて思わず息を飲む。


「マリエ夫人お伺いしてもよろしいですか?貴女は前世、黒目黒髪だったのでしょうか?この話を聞いて何か心当たりはないでしょうか?」


 大司教はためらうように素振りで私に確認する。

 私はこの話を聞いて、この世界は前世いた世界というか日本と何らかの関係があるようだ。


「はい、多分修学旅行中に事故が起こり、こちらに転移したのでしょう。確かに私も前世黒目黒髪でした。私達の国日本は皆その様な者達です」


 私は目を伏せて言った。

 古の地の発祥と言われる者達。

 どんなに不安で悲しかっただろう。

 突然の両親との別れ・世界との別れ

 それも楽しんでいる旅行の途中に起こるなって!!


「神託があったそうなんだよ。彼らは世界が必要として受け入れた。静かに見守っている様にと、干渉もなし。生活基盤が出来るまで手伝ってあげる様にと。そしてその時言われた言葉が古の地を守る者達。それ以来、古の地の一族と言われるようになったんだ」


 不思議な名前だなとは思っていたのだ。


「この話を聞いて判る様に、彼らは神が必要として招き入れた者達なんだ。それが第一教皇ゼルネアスは気に入らなかった様だ。干渉したくても神によって守られているからね。だから世界を隠れ蓑に巻き込み干渉したんだ。彼らのホントの存在理由を知らないまま、ボクワイから貰う利益に目が眩み、自分の名声に酔いしれてね。」


 ガウェイン殿下は鼻を鳴らし、うんさりした声色で言った。


「今頃、第一教皇ゼルネアスの肖像や像は叩き割られているでしょう。書くいう私も、かの者の著書は破り捨て浄化しました。」


 いい笑顔で言ってますけど、大司教破り捨てて燃やしちゃったのね。


「大司教、第一教皇ゼルネアスの像は結構至る所にあると思うのですが?」


 ギルバートが恐る恐る聞いている。そんなに有名な人なの?

 こっちの記憶余りないし、宗教余り興味ないからわからないわ。


「マリエ夫人、自宅の神棚に神の隣に置いてあったりするんですよ」


 ユーリがコソッと教えてくれる。


「それって市井でもそうなの?」


 私もコソッと聞く。

 グラッセの屋敷にあるか今度破棄しなくてはと固く誓った。


「ありとあらゆる所で壊しています。広場に大穴を開けて、市井の者達にも簡単な理由を付け投げ捨てさせています。世界を滅亡へ誘う悪魔だったと、そんな者をずっと神の隣に置いていたとなんて、ええ死んで詫びなければと教皇など卒倒しておりましたよ。教国は廃墟の様な有様でしょう。フフフ……」


「マリエ夫人、という事なんだ」


 ユーリの乗っかり雑なセリフと、大司教の葛藤はいかばかりか………

 先達たちは、とんでもない置き土産を置いて行った物である。


「ハァ~…… 神官達の怒り具合が分かる出来事だな。大体なんと説明しているんだ?悪魔は置いておいて……… 」


 陛下は行儀悪く頬杖をついている。

 ホントにお疲れモードの様だ。


「全て話せませんからね。ただうちの国からじわじわと世界に広まる様にしているのです。全て内緒にするのは不自然ですし、反感を買いかねませんからね。世界を破壊しようと時限爆弾を設置した者と説明しています。そして今現在その爆弾がカウントダウンを始めたとも」


 大司教はそう言って、少し喉を潤した。


「確かに、突然あんな内容知られるよりは多少予告みたいな物があった方がいいでしょうね。実際呪石が待機しています。」


 宰相は頭を振って紅茶を飲んだ。


「ヌルいですね。入れ直しましょう。ついでに軽食を「それは僕の側近がそろそろ持ってくるよ」」


 ガウェイン殿下がかぶせて言う。宰相はあきれ顔だ。


「教国の方では暴動起きるんじゃないか?そんな事言って」


「大丈夫なんですか?ここに居て」


 陛下とギルバートが大司教を心配そうに聞いている。

 しかし時限爆弾か!そんな言葉があるという事はあるんだろうか?


「ねぇユーリ、時限爆弾ってうちの国にもあるの?」


「時限爆弾というが空想上で存在するんですよ。もしかした合ったのかもしれませんけど」


 返ってきた返事に、もっと詳しく聞いた方がいいだろうと判断する。

 無効ではいろいろ話している様だが、ギルバートに後で聞けばいい。

 今はこっちが重要だ。巧く行けば呪石を破壊できるかもしれない。


「ねえ、どんな風に伝わっているのよ。その時限爆弾って?」


「偉くこだわりますけど、それって重要ですか?」


「重要!重要!!だって空想上って言っているけど、前世じゃ普通に存在したモノだもの。それがあった

 ら呪石どうにかできるかもしれない」


「そうなんですか!実はユリウス殿下の所でもカスタネエ令嬢がどうにかしようと考えているのです。」


 さすがリディアーヌだわ。先に進んでいるようね。


「そうなら、時限爆弾の事言っておいてくれる?それだけでわかるわ」


 私がそう言うと解りましたと頷くユーリ。

 こうして手探りで少しずつでも前進していかなけでば。


「それで空想上の時限爆弾教えてくれる?」


 ユーリにこの世界の空想上と言われる話を聞いていく。

 多分そこには、転移したあの子達の痕跡もあるのだろう。

 それが悲しくも誇らしく、またたくさんの面白異世界の話を聞いていく。

 それにはガウェイン殿下も加わっていろいろと話して聞かせる。

 どうやら大司教と王位継承する前に旅行に行くそうだ。

 今まで暗く辛い話ばかり、ガウェイン殿下は実際幼いのだ。


「楽しい旅をする為にもここを乗り越えましょうね。殿下」


 私がそうほほ笑んで言うと、


「お互い様だよ、マリエ夫人。お互い末永く生きたいからね」


 ウインクをして朗らかに言うガウェイン殿下。

 いつも飄々としているユーリも微かにほほ笑み頷いている。

 お互い末永く幸せなで穏やかな世界。

 そんな世界を目指して、今は頑張らないといけないのだ。


 ”コンコンコン”


 ガウェイン殿下がドアを開け側近を招き入れる。

 どうやら皆ピアス型通信機を付けている様だ。

 側近が持って来たもの。


 ホットサンドとコーンポタージュ。そしてフルーツヨーグルト。


 ”ホットサンドがあるわ♪”


「マリエ夫人、リディアーヌから教えて貰って兄上にホットサンドメーカー作って貰ったんだ」


「まあ……私ホットサンド大好きだわ。今度私も作って貰うわ♪」


 こんなうれしい事はないわ。

 早速ホットサンドを食べると、とても美味しい。


「ねえ、これ作っているの側近さんなの?」


「そうだよ。マリエ夫人何か美味しいアイデア他にあるの?」


 そう言って側近に目配せをする。


「そうね。これはアレンジなんだけどね。パイ生地を使って………」


 変わり種の簡単アップルパイやカスタードパイの作り方を教える。

 他にも焼きおにぎりやいろいろと楽しめるのだ。


「なるほど!ホットサンドだけじゃなくていろんな料理にアレンジ出来ると!!」


「凄いね。とても柔軟な発想だよ。ウワー僕アップルパイ大好きなんだ!!!」


 ガウェイン殿下と側近のお眼目はキラキラだ。

 フフフ……たったこれだけの事でも疲れは取れるものね。

 人間とは現金なものだ。

 お腹もいっぱいになり、さらに楽しい事を考えれば精神的な疲れも取れ、力がみなぎる。


「マリエ楽しそうだね。」


 ギルバートが隣に座り、ポタージュを飲んだ。


「これは旨いな!」


「なんてったって僕の側近が作った物だからね」


「褒めて頂き光栄です。グラッセ侯爵」


 周りを見ると他の皆も休憩中。

 もうチヨちゃん達も寝ているんじゃないかしら。

 目の前のガウェイン殿下を見る。

 そろそろ殿下もなんだけど今食べたばかり………


「何か用があるのマリエ夫人。」


 キョトンとして私を見るガウェイン殿下。


「殿下いつも何時ごろ寝ていらっしゃるのかしら?」


「僕はそこまで睡眠を必要としないんだ。だからこの後もう少し政務して寝るつもりだよ」


 私は側近を見て、正式な時間帯を確認する。


「殿下いい事を教えて差し上げますわ。身長を伸ばす一番効果的な方法をご存知ない様ですわ」


 殿下と側近に目を眇め言う。

 あり得ないわ。5時間程度しか寝ないんて!

 殿下達はキョトンとして私を見ている。


「いいですか!昔から寝る子は育つと言いますの。聞いた事ございませんか?」


「おお、マリエ夫人もっとガウェイン殿下に言って下さい。」


 宰相がニコニコしながら言う。陛下も笑っている。

 つまり皆から言われても、知らんぷりしているのね。


「マリエ夫人確かに聞いた事があるけど、僕はホントに余り必要ないんだ」


「殿下は個人で、体調管理を万全にしております」


 変に殿下有能だから、安心して任せているのね。


「いいですか!最低でも21時までに寝ないとダメですわ。じゃないと成長するための成分が、脳に分泌いたしませんの。最低でも8時間は寝ないとダメですわ。つまり殿下はチビのまま。ヨロシクて?」


「「へっ?!」」


 今までやられっぱなしだったが、どうやら反撃に転じれそうだ。


「これ前世で実際調べて分かった事ですの。成長ホルモンと言いまして、12時に分泌します。でも睡眠が深く、ある一定条件を満たせないとダメなの。わかったかしら?どんなに栄養があるモノ食べても、成長する機関を動かせないなら、意味がありませんのよ」


「ええええええ?!それホントの話なの!!!マリエ夫人」


「それはホントですか?!マリエ夫人」


「なんだ、あのことわざはホントの事だったんだな。」


「どうやらその様で、そうなるとガウェイン殿下は、どれだけ成長が遅れているのでしょうか」


 殿下はガバッと立ち上がり


「もう重要な話終わっているよね。僕もう寝るね。皆さまおやすみなさい。」


 そう言って足早に部屋を出て行った。

 側近もあわてて後を追う。


「あ~~~……… マリエよ。アレはホントの事なのか?」


 陛下がバタバタと部屋に帰って行く息子の後ろ姿を見ながら聞いて来る。

 まるで私が嘘をついたと思っている様だ。


「ホントの事ですわよ。主に脳の成長を促し、身体の成長を促進しますの。マジな話ですわ」


 それを聞いて、私以外の大人達はガウェイン殿下に憐憫の目を向けている。

 一体いつから寝ていないのかしら。全くあり得ませんわ。

 これからはしっかり早く寝る事だろう。






読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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