神はどう思う
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
【 マリエside 】
腕を見ると鳥肌が立っている。
何でかしら、こう全体的に倒錯的何かに侵されている感じがする。
でもよ。ポンデリング的にオッケーなヤツじゃないか?
だって、なんとなくユリウス殿下に似ているのよ。キモいけど………
ギルバートが疲れたのか、頭を抑える様に戻って来た。
私がギルバートを眺めていると、ため息を吐いてお面を外した。
「皆が気持ちが悪いと言っている意味がわかる。アレはホントに人か?」
うん?どういう事?
意味がわからず、見たくないけど、もう一度ヤツを見る。
どんなに気持ちが悪くても、人である事には変わらない。
私は見るのを止めて、ギルバートを見る。
私の疑問に答える様に
「カタチは人だけど、何て言うんだろう。目を見ると人じゃない何かに見えるんだ」
「目?どういう事かしら??まだ直接対決してないから解らないけど、変なの?」
遠目から見て、普通の目にしか見えない。
「対峙しないとわからないな。あの感覚は……… 」
そう言って黙り込んで考えている。
「まあ…… 相当厄介なのは確かね」
さて私としては、ヤツをどう料理しようかってとこなのよ。
なんかいい方法ないのかしら。
ポンデリングが何か言ってないのかな。
大体ヤツの何が、ポンデリング的にダメだったのか。
”あの気持ち悪さ、ほぼ彼氏と変わらないし、ホント違いが分からない。何なのよ?”
ホントわが妹ながら意味不明である。
「マリエ、そろそろ戻るか?」
私に腕を差し出しほほ笑む旦那様に、
「そうですわね」
とほほ笑んで、今までの嫌な気持ちも疑問も忘れ、ソッと手を添えた。
地上に戻ると、あの何とも言えない空気からの解放感は素晴らしい。
風に吹かれて、少し日の沈む道をギルバートと歩く。
”警備担当の人達ホントに大変だわ。今度労いに差し入れしよう。”
忘れない様に、心のメモに書き込む私。
どんなモノを差し入れしようかと考えていると
「彼の口を割らせるのは、なかなか骨が折れそうだな」
ギルバートが思案気に呟いた。
ああ、それはホントそう思うわ。
あの独特な空気は知らぬ内に、精神的何かが壊れてしまいそう。
「ホントよく捕まえましたわ。使用人の人達」
アレだけ特殊な人種だ。目立っていたとは思うが………
「良く見えたと思うよ。アレを可視するという事は、それだけ周りを警戒していたんだろうな」
アレだけ目立つ色合いなんだから、誰でも気付くわよ。
ギルバートの言ってる意味がわからないわ。
「瘴気を無意識に不可視にするんだ。本能的な危機意識でね。」
「誰が捕まえたのかしら?……… 睨んだ女が何とか言ってましたわね?」
「そうだなぁ」
「女が苦手なのかしら?」
「どうなんだろうな」
「試す価値ありますわね。多分女は自白担当してませんわ」
ギルバートの顔を見て、手を叩き私は言う。
「確かにそうだな」
フムッと顎に手を当て考えるギルバート。
「それじゃあ、私尋問官になりますわ!ええ、クレマーの私はピッタリな役だわ」
私はやる気に満ち手を握り締めて、やってやるわよと決意を込める。
「それはダメかな。ヤツは鼻がいいらしいから、君が出てきたら尋問どころじゃないんじゃないかな」
苦笑いを浮かべて私を見るギルバート。
「どういう事ですの?」
せっかくやる気満々の私に、水を差すとは酷い。
「ヤツの言っていたセリフ忘れたのか。イケる、イケないと言ってたじゃないか?」
クスッと笑い歩みを止め、腕を組んでない方の腕を腰に回す。
そして顔を耳元に寄せ囁いた。
「どうやらヤツは、マリエの匂いに沁みついた私で、イケるかとどうか言ってたの聞いただろう?」
そう言って軽いキスを耳元に贈る。
沁みついたって?!ちょっと言い方//!!!
私は一気に体温が上がり、ギルバートの胸を叩く。
多分顔は真っ赤だろう。
「とにかく… だからヤツの前にマリエは出ない方がいい。それどころではなくなるだろう。マリエがそんなモノを見たら、俺が何をするかわからない」
ギルバートは、とにかくヤツの前に出るのはダメと言う。
私だって、そんなキモいの見たくないわよ。
でもいい考えとは思うのよ。どうしようかしら?
私が考え込んでいると、ギルバートは何も言わず、私を連れてまた歩き出した。
ヤツを捻り上げて、二度と立ち直れない様にするには、どうしたらいいかしら?
久しぶりチヨとユリウス殿下達の部屋に向かう。
すると途中で騎士団長補佐のユーリと出会う。
「アラアラ、どうしたのバタバタして?廊下を小走りでもダメなんじゃない?」
余りのお行儀の悪さに驚き、思わず言った。
「あ~~~~………?! マリエ夫人もう大変なんですよ!!」
しかしそんな事どうでもいいとばかりに、私を指差し訴えるユーリ。
何で注意した私が、何かした風に言われるの?
「ユーリ大変とはどういう事だ?チヨ達に何かあったのか?」
私もハッ?!としてユーリを見た。
まさか何かあったの?
「そんなんじゃないですよ。皆何事もありません。ただちょっと困った事が想定されたので、今陛下達のご報告しに行くのです。」
どうやらチヨちゃん達何事もないらしい。
ホント最近砂の上を歩いている感覚だから、ちょっとした事でもドキッとしちゃうわ。
”こんなんじゃいけないわ。どこかで息抜きしないと、身が持たないし思考が鈍る”
もう今日はそろそろ閉店店じまいよ。と考えていると
「今から陛下の所へ行くのか。それじゃあ、俺達もそちらに向かって話を聞こう。マリエ、さっき言っていた尋問官の話と、捕らえた使用人の話聞いた方がいいだろう?」
どうやらまだまだ閉店できないらしい。
”私の癒しに逢いたかったわ。それにリディアーヌにも……… ”
ヤレヤレと思いながら来た道を後戻り、陛下達のいる方へ向かった。
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ハァ~……… ヤレヤレ………
”いつも思うけど、ホント王宮て遠いし迷いやすいしで、ホント無駄に距離があるのよね。”
仕方ないのは判っている。
そりょあ簡単に王族がいるところや執務室に着いたらダメな事。
だから無駄にクネクネと入り組んでいる事判っている。
でも早く着きたい時は、無駄にイライラする代物だ。
”コンコンコン”
内側からドアが開く。
中には大司教とガウェイン殿下それから宰相がいた。
どうやらバタバタ小走りでも、先ぶれは出していた様だ。
表面上はちゃんと取り繕っているらしい。
私は思わず感心してしまう。
「どうした?困った事があるという事だが?」
宰相が中に入って来た私達に訊ねた。
私も偶然鉢合わせになっているので、内容を知らない。
「グラッセ侯爵夫妻には偶然会いましたので、ご一緒に伺いました。」
「陛下、お願いとお尋ねしたい事あり同行致しました」
私も一緒にカテーシーをする。
そうしてる間にドアが閉まると、
「楽にしていい。事が事だ。気楽にしてくれ。無駄に疲れる」
陛下は淡々と述べて、座っている椅子に思いっきり寄りかかる。
かなりのお疲れモードだった。
どうやら陛下達にも、差し入れ準備した方がいいわね。
というか城全体に必要だわ。すっごくピリピリしているもん。
表面は穏やか、内側は……… こりゃ、王妃に要相談ね。
先程書いた心のメモを破棄し、新たなメモを書き残す。
「それで報告とはどんな事だ?」
「実は騎士団長が、やたらと乙女ゲームに拘って発覚した事なんですが、乙女ゲームの世界にはご都合主義と強制力というものがあるそうです。」
確かにそんなのがあったわね。
私がボーと考えていると説明している。
「ご都合主義とは、書いて字のごとく都合のいい話になるという事です。例えば今回の騒動も、何もしなくても大丈夫というもの。そして強制力とは、ストーリーが本来の流れ。ですからそちらに向かう様に、修正される力だそうです。」
皆が目を大きくして驚いている。
「ねぇという事は、何もしなくても国そのものは、リディアーヌの言う国として終わってる状態で残るって事だよね。」
ガウェイン殿下が訊ねているけど、ユーリ凄く困った顔していない?
「いろいろと皆で想定していくと、それ以上にひどい状態の想定がでましたので、報告に参りました。」
私達をチラッと見て、少し辛そうな顔をし頭を下げるユーリ。
「わかった聞こう。アンリ、君も一緒に聞くだろう」
「ああ、もちろんだ。その前にグラッセ侯爵夫妻、本来なら本国を挙げて謝らなければならない事だが、いろいろと申し訳ない。」
そう言って謝られたが、私は謝られた意味がわからない。
一体どういう事でしょうか??
「マリエ夫人、実は古の地がボクワイに囚われの身になるよう加担したのが、ルデア教国の第一教皇ゼルネアスだったそうだ。理由も幼稚でね。神が君たち一族を支援し、特別扱いをした嫉妬心だ。」
私はそれを聞いて、いよいよ持って訳がわからない。
なんでそこに神が来るのかな?!
「まあ……そこは後で説明するとして、想定した内容を教えて貰いましょうか」
宰相がそう言って座るよう促した。
「飲み物はここに準備しているから、勝手に飲んでくれ」
そう言って陛下がコーヒーを入れている。
ただ何故コーヒーメーカーがあるのかしら。
私がジッと見ていると、ニヤリと笑う陛下。
「ユリウスに最近物騒だから飲み物を自分達で準備したいと言ったら、いろいろ作ってくれたのだ」
宰相も電気ポットもどきを持ち上げ紅茶を作っている。
「ギルバート侯爵夫妻もご一緒にいかがですか?」
「「ありがとうございます。」」
ガウェイン殿下は、果実シロップに氷を入れて水割りをしていた。
大司教も、一緒に作って貰って嬉しそうだ。
「あの陛下、私もコーヒー頂いてもいいですか?」
ユーリはどうやらコーヒーを選択したようだ。
「こう自分達で入れるとなかなか楽しいものだ。自分好みに作れる」
ニコニコ笑顔の陛下。今の状況がお気に召している様だ。
「にっが……… 陛下にがいのですが」
どうやらユーリは陛下と味覚が違ったらしい。
めちゃくちゃ恨みがましい目で、ポットのお湯で薄めている。
「お前そんな薄くして苦味が薄れるだろうが!!」
ああ、自分好み味否定て頭に来ている。
「ウウン……… 」
宰相の注意が入った。
「宰相、とても美味しいですわ」
私はお礼の気持ちを込めて伝える。
ギルバートも頷きほほ笑んだ。
それを大司教とガウェイン殿下は笑って見ている。
「えっと、陛下美味しいです」
取ってつけた様に言うユーリに、苦味つぶしたような表情の陛下。
「それで、どんな想定なんですか?」
大司教が、ユーリに顔を見ながら聞く。
気まずそうに、陛下を見ながら飲んでいるユーリに話を促す。
「まず、あの呪石対応で城の外に騎士団のほとんどが出て行くでしょう。スタンビートが起きれば更に冒
険者もです。そうすると城の守りは手薄になる。襲撃になれば、ほぼ防ぐのは不可能。宰相を始め上層部が暗殺されれば、国の機能は停止します。そして騎士団も壊滅状態でしょう」
「救援を求めても、隣国の支援は不可能だろう。起こるとしたら同時だ。」
「どこの国も、自分の所で手いっぱいでしょうね」
陛下と大司教がため息交じりに言った。
「たぶんその襲撃でギルバート侯爵夫妻は拉致され、チヨちゃんも拉致される」
ガウェイン殿下が考え込んで目を瞑った。
私は身の毛がよだつ想定を必死に考える。
”そうよ。その可能性はある。それに………”
「これは団長が言った最悪の想定ですが、その襲撃で城にボクワイの旗が立ったらどうなりますか?それにチヨちゃんが捕まれば、ユリウス殿下もそうなるでしょう。そしてどの国もボロボロ。復旧に魔石は必要不可欠。となるとギルバート侯爵夫妻と、ユリウス殿下らはどんな扱いになるのでしょうか?」
多分私達は好きな様に摂取され、家畜同然の扱いになるのでしょうね。
多少チヨちゃん達は、マシという感じかしら。
お互いがお互いを思い合って、摂取され続けるのだわ。
私は悔しくて、想定だと解っても、悔しくてたまらないわ。
ゲームの世界の私は一体どうだったんだろう………
ギルバートの手がそっと私の手に置かれ、顔を向けると励ます様にほほ笑んだ。
「ゲームの世界より酷くなっていなかね」
大司教が呆然とした顔で、思った事をポツリと呟いだ。
「団長も何で世界を良くしようと思って動いているのに、神に挑まれなきゃならないんだと、機能停止を起こしていました。」
「アーサーがなぁ、でも私も出来ればそうしたい……… 」
陛下は疲れた顔で俯いた。
「神に恨まれてるとかじゃないんですか?」
ガウェイン殿下が突然変な事を言う。
「神にですか?」
大司教がガウェイン殿下を振り返って聞く。
「だって神は古の地を、バランスの管理者として願った。でもこの世界の者は、その者を贄や家畜の扱いにした。そんな者達いる世界に怒りを覚え、壊す事にした。そして最後に、考え実行した最後に残ったボクワイは、神から生き地獄の様な苦しみを与え続けられるって感じかな?素直に死んだ方が楽かもね♪」
めちゃくちゃいい笑顔で言ってるガウェイン殿下。
ガウェイン殿下、貴方はホントに何でいつもいつも、そんな身も蓋もない様な事ばかり言うのかな。
もうホントこの子いろいろと疲れるわ。
皆蒼褪めて、余りな内容に微動だに出来ずにいる。
機能停止多発。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




