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互いの動き 

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 




 余りの地獄さに、笑いたくなるのは何故だろう。

 人って限界が来るとなぜか可笑しくなるらしい。

 まさに今がそうだろう。

「フフフ余りのフフフ……なぜか笑えますわね」

 そう単なる想像なのだ。

 間違っても想像、もしかしたらの可能性の話。

 だったら、そうならない様にすればいいのだ。

 思い通りにされるのが大っ嫌いな性格だ。

 人が敷いたレールの上にいる事が大っ嫌いだった。


「まあ……単なる最悪の想定内容だが、可能性があるなら潰したい。でだ、どうすればいいか考えようじゃねぇか」


 大胆で挑発的な雰囲気を漂わせ騎士団長が皆を見回す。


「そうですね。ここまで最悪な想定をしたのです。つまり一つ一つ潰して行けば言い訳です。するとより良い結果になります。」


 アンリさんはほほ笑んで言う。


「ただボクワイは、これっきりでご退場願おうかな……… 」


「そうね。いると後々面倒だわ。ホントご退場素敵な言葉ね」


 ショウエイとハンナが仄暗い微笑みで話している。


「ボクワイの事に関しては、俺に任せてくれないだろうか?」


 そんな中突然ユリウス殿下が言った。


「任せろって、どうにかできるのか?」


 バンガルさんが疑問を持ってユリウス殿下を見る。


「ユリウスお前どうするつもりなんだ?」


 マーベルもう不安でしょうがない様だ。


「一応俺もボクワイの王家の血を引いている。ちょっといろいろと考えたいから席を外すよ」


 そう言ってプライベートルームに、チヨちゃんと引っ込んだ。


「ユリウス殿下も、いろいろと考えがあるのだろう。今はソッとしておいた方がいい」


 内容が内容なのだ。皆がそう思った。

 それにボクワイをどうにかする前に、未曾有の危機に直面している。

 先にこちらを、片付けなければならない。


「ああ、バンガルさん実は聞きたかった事があったんです。」


 私はこちらに来た目的を思い出す。

 アンリさんもバンガルさんの方へ顔を向けた。


「ん?俺に聞きたい事ってなんだ??」


 ニカッと素敵な笑顔で答えるバンガルさん。

 うん、バンガルさんはいい人だわ。


「実は呪石って見た事ないの。硬いと聞いたけど、どれくらい硬いか知ってる?」


「私も見た事はありますが、硬さの度合いがわからないので教えて貰えますか?」


 そんな事を話していると、騎士団長が私達を見て


「呪石の事はリディアーヌ達に任せよう。俺達は城内にどうやって入ってくるか考えようじゃねぇか。後は情報をもう少し詰めよう。」


 マーベルは一人抜けて私達の所へやって来た。


「俺あっちより、こっちが役立ちそうだからさ……… 」


 そう言って私の隣に来る。

 だから私は言った。


「それは心強いですわ」


 微笑んで言ってやった。

 マーベルも嬉しそうにして、だろうと言う。

 笑い合えるという事は、まだ未来があるという。


 神が与えたもう試練とかなんとか言うけど、

 今、まさにそうなんだろうと思う。


 ”絶対乗り越えて見せますわ”


 そう思う事によって、本来の負けず嫌いに火を灯す。





 *****************


【 マリエside 】




 今日は用事があると騎士団長のアーサーに呼ばれて来てみれば、とんでもない事態になっていた。

 ホントにどういう事かしら。

 こっちが少しは巻き返してかしらと思いえば、向こうはその数倍先に進んでいるのだ。

 やってもやってもキリがない感じ。

 シロアリ駆除をしている状況とそっくりではないか。

 まあやっている事も一緒なんだけど、臆病だから危険と感じたら近寄らないと思うけれど。

 とにかく厄介なのは、移動したと見せかけて移動せず潜伏する事。

 だからあまり刺激を与えすぎてもいけない。

 変に潜伏して見失うのだけはいけないわ。

 確か、シロアリってゴキ〇リ科だったわね。

 どちらにしろ駆除それ一択なのである。


「マリエどうするつもりだ?」


 ギルバートも私について、教えて貰ったキモいロリロリの所へ向かっている。


「ああ、今日は遠くから様子を観察するだけよ。合うつもりはないわ」


 そう言うとホッとした様だ。

 ここ最近目まぐるしく変わる情勢に、またおとりとなっているのだ、精神的負担もなかなかのもの。


 ”私もどこかでストレス発散させないと……… そう言った意味では、いい生贄が手に入った。”


 チラリとギルバートを見て、


 ”ウ~~~ン…… でも旦那様の精神疲労はピークになりそうよね”


 自分がとんでもない事を遣らかせば、ギルバートが疲弊する。

 なかなか思うようにいかない様だ。




 いるという地下に向かうと、そいつがいるだろうところへ向かう。

 ただ、その前に監視している騎士に聞くと、皆手を口に当て言う。


「とにかく吐き気を催す感じなんです。別に体臭が臭いとか、美醜がとかじゃないんです。もう存在そのものがウエ~~…… と来るんですよ。とにかく不思議な生き物?その様なモノです。」


 首を傾げ頭を捻りながら言うが、皆に多様な事ばかり。

 ハッキリ言って意味が解らない。


「旦那様、意味わかりますか?」


 私がギルバートに聞くと、かすかに笑って頷いた。


「多分瘴気のせいじゃないかな?前のマリエが言っていたよ。ボクワイは瘴気で普通の人はまともに生活できないと」


 えぇっ、マジですか?

 余りの驚きに思わず素に戻ってしまった。

 だって瘴気て、こうよくファンタジーに出て来る淀んだドロドロっとしたような空気よね。

 ボクワイって魔界って感じなの?

 めちゃくちゃ合いまくってるわね。


「ねぇ、何で今までそんな危険な国を、放置していたのかしら?大丈夫なのその瘴気?」


 私はいぶかし気にギルバートを見て聞くと


「ああ、それを取り込んで魔石を作っているからね。魔石だって効率よく摂取できるなら、必要な事と黙認したんだ。」


 私は思わず立ち止まる。それって危険じゃないの?


「ねぇ、それってちゃんと調査して大丈夫と判断して、黙認と決めたのかしら?」


 私がギルバートを見て聞いてみると


「さあどうだろうな?ただそういう話になったのは、第一教皇ゼルネアスの時じゃないのかな?」


 肩をすくめておどけた仕草をするギルバート。


「そう、そうよね……… 」


 こうなるともう何も言えなくなるしかない。

 この国の問題じゃない。

 どの国も曖昧な隙間だらけの世界で生きているのだ。

 ある意味、平和で・穏やかで心優しい人達の世界なのだろう。

 そこに異分子のシロアリが登場して訳だ。

 ほったらかしたから、住処にしちゃったじゃない!

 もうボクワイ=シロアリよ。そうシロアリ!!

 とにかくポンデリングが言ってたキモいロリロリを見ないといけないわ。

 話ではイケメンの部類に入ると騎士は言っていたけど、男が言うイケメンて、女の目でもイケメンなのかしら?そこが疑問だわ。

 だいたいポンデリングが、キモいっていう事が不思議なのよ?

 だってあの子がつき合う彼氏って、基本メンヘラなのよ。

 だからマーベルをまともにしなくてはと、そりゃあ頑張りましたとも!

 だけど最近不安だわ。

 やっぱりその素質あるから、ポンデリング好きだったのかしら。

 最近のマーベルの行動で自信の無くなる私だった。


「どうしたんだ?マリエ」


「ええ、ちょっと前世の妹の事を考えたらね。自分の息子の育て方、失敗したかしらと思ったのよね。最近のマーベル何かと危ないじゃない?リディアーヌにご迷惑かけてないかしら?」


 私がそう言うと、ギルバートとも沈痛な面持ちで目を逸らした。


「旦那様、もしもマーベルが|()()()してたらよろしくお願いしますね。」


 私はギルバートをニッコリと笑って脅した。

 ()()()をした後とはまだこの時知らなかった。


「それでなぜ、前世の妹を思い出したんだ?」


 ああ、そうそう思い出した理由ね。


「それはね。うちの妹ポンデリングね。どいう訳か男の趣味が悪かったの。ホントなんでこんな男に夢中になるかなぁ?って、もうメンヘラ男ばかり寄せ付けやがって、私巻き込まれない様にしたものよ」


 ホントアイツのせいで、一時期恋愛恐怖症になったわよ。

 あんな恐ろしい男どもがいるのかって、もう安心できないわよ。

 おひとり様最高って何度思った事か!!!

 今回だって、結婚した後に記憶を思い出したから良かったけど、前だったら結婚しなかったわ。


「…………なかなか変わった妹の様だね。」


「なんかね。保護欲?母性本能?が刺激されて?私が面倒見なくっちゃって、思うらしいわよ。」


 ホントあの妹は、わけわからない生き物だった。


「……… 聖母のような(ひと)なんだね。」


 ”うちの旦那様、上手いいい方したな”


 とにかく先に進んで、キモいロリロリを見なくっちゃ。


「そんな妹がよ、キモいロリロリっていう事が不思議に思ったのよ。騎士の話ではイケメンなんでしょ?画面から瘴気なんてわからないんだし」


「確かにそうだな。ロリロリは……… 意味がわかる」


「まさかイタした映像でもあったのかしら?!あれ?全年齢オッケーの物じゃなかったの?!」


 そうなるとそうなるで、ちょっと話が変わって来ないかしら?

 そうやっているうちに、目的の最下層の地下牢に着いたのだった。

 そこから近くの騎士に手を招く。

 見張りの騎士が気がついて、こちらに来た。


「騎士団長より連絡ありました。」


 耳を示しながら言う騎士。

 どうやらピアス型通信機を装着している様だ。


「そう、ご苦労様。私達今日は、隠れて見るだけにするつもりよ。観察をしてどうするか考えたいの?」


「体調とかどうだ?気分が悪いとかないか?」


 ギルバートは騎士に、解毒のポーションを渡す。

 解毒で効くの?私は不思議そうに見ていると、騎士は礼を言って飲んだ。


「助かりました、グラッセ侯爵。あの男を監視していると、空気が悪くなるので、守りの護符は所持していますが、大変です」


 ここ地下だもの。空気が凄く淀んでいるわよね。

 私達もアーサーに言われ護符を持っている。


「それで、どんな感じなんだ?どういう風にして過ごしている?」


 ポーションを飲んで落ち着いたのか、フウと息を吐いて私達を見る騎士。


「別に基本ボート天井を見ています。その表情がまたなぜか恍惚として、気持ち悪いです。そして時折ブツブツと言って笑い出し、またボーとしています。こちらに目を向ける事もありますが、目を合わさない様にしています。気持ち悪いというのもありますが、こう何故が嫌な感じがするので……… 」


「頭に霞がかかった感じか?」


「ええ、それが一番近いですね。だからここの任務も短時間入れ替え制です。」


 何だかかなりヤバそうじゃない?!

 気を付けないと脱走しそうだわ。

 だからアーサーも私に言ったのね。

 逃げ出す前に情報が欲しい物。

 私としても、仕返しというか復讐みたいな物かしら………

 それにチヨちゃんにもかかわるわ。

 だから、ぶっ潰すつもりでいるけど、情報は必要よね。


「旦那様、マスクで覆った方がいいかしら?」


 私が言うと、旦那様はお面みたいなものを取り出した。


「それはなに?」


「昔マーベルがお遊びで作った、無効化付与の狐のお面。」


 何でそんなもの持って来ているのよ。

 私ギルバートを見つめると、ニヤリと笑ってごまかした。

 多分隠れてアーサーとやり取りしているのね。


「では旦那様、私隠れて見るからよろしく」


 お面までしてるんだもの、ギルバートには表に立って貰おう。

 そして私達はヤツと対面する。


 ポンデリングが、キモいロリロリと言っていたヤツに



 カツー-…… ン




「アレ~~……… 、見に来たの?フフフ…… その香りは古の地に近しいモノかな……… 」


 ニター…リ 


 どこか顔を引きつらけた笑いを見せ、手を差し出す。


「ねぇ…… 、もっと近づいておいでよ。その香りもっと嗅がせてくれないかな……… 」


 血に濡れた様に赤い唇をペロリと舐めて、ついでに舐めまわす見つめる。


「ああ、なんで子供じゃないだろうね。ホントここは大人ばかりで面白くもない。捕まる前の、楽園に戻りたいよ。ホント、睨み付けた女の顔は怖いね。縮んじゃった。イケないよ。君は大人だけど香りでどうかな。イケるかなw」


 ヒハァ…… ハハハ……… 


 不規則な笑い方をして不愉快だ。

 ギルバートは静かにヤツの前から離れた。


「また来てね。今度は私が捕まえる番だよ……… 」


 アハッ……… ヒハァ……… ウフフ………




「キモい……… 」


 存在そのものがムカつくのもいるが、存在そのものがキモいのもいるらしい。

 そうホントのシロアリの人間番だ。

 全体的に白い人だ。

 目はどちらかと言えば赤だ。

 そう色素の薄い人間だ。

 だが、可視してないのに、全体的に赤っぽい何かが覆っている様に感じる。

 ヒョロッとした体格の成人男性。

 多分王家の者なのだろうか?

 どことなくユリウス殿下に似ている。

 でもキモい。

 ウエ~~……… 会いたくなかった。


 ポンデリングが言う様に、キモいロリロリだった。





読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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