最悪な想定と地獄と
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
目の前の騎士団長とマーベルは機能停止を起こしている。
確かに機能停止を起こしても、仕方ない事を言ったので申し訳ない。
でも何気に行ったけど、ありありじゃあ~りませんか?
『 強制力 』
ハッキリ言って、今までの努力を一気に無効にする恐ろしいヤツ。
ご都合主義に似て非なるものだった。
「アラアラ、どうさせたのですか?」
ハンナが二人を見てキョトンとしている。
ジュリアは笑っていた。
「あのお話をしたのですが、ショックを受けた様で……… 」
私は困った顔で告げた。
何て言ったらいいのかな。
でも、これは話した方がいいわよね。
というか迷走状態に突入しているわ。
八方塞がりとは、この事を言うんだわ。
変な悟りを開きつつあった。
「どちらにしろ、このままではいけませんわね。」
そう言って、人を呼んでくる様だ。
ジュリアは私の様子を確認して、この後どうするか聞いて来た。
「みんなの作業を見たいわ。忍者シリーズがどうなったか気になるし」
とにかく、さっき聞いた事と、これからの事を考えなきゃと思った。
”だって乗りこなせなかったら、いろいろとヤバいじゃない”
ホントさっきの話じゃないけど、乙女ゲームじゃないと思う。
「リディアーヌ、今度は何をしたんだ。騎士団長まで機能停止を起こさせるなって、お前相当だぞ」
ユリウス殿下から呆れた表情で言われた。
いやいや私だって何気ない思いつきが、かなりエグかっただけだ。
「いったい何を言ったんだ?」
そう言うユリウス殿下を見て、私は話してもいいのかどうかユーリさんを見る。
だって騎士団長は未だ機能停止中、から復帰して考え中に移行している。
”さすが騎士団長!立ち直りが早い!!”
マーベルは未だ機能停止中だった。
「カスタネエ令嬢、皆様にはお話し致しましたのでお気になさらず」
ニッコリとほほ笑んでユーリさんが言った。
騎士団長と話している間に説明したのだろう。
「それじゃあ、騎士団長に聞かれたの。ここは乙女ゲームと違い過ぎるって」
「団長、まだこだわっていたんですか?」
うんざり気味な表情で騎士団長を見る。
団長は未だ考え中だ。
「それで、乙女ゲームならではな事はないかと聞かれて、ご都合主義と強制力の話をしたの」
「「ご都合主義?」」
「「「強制力??」」」
皆がキョトンとしている中、ユリウス殿下は何か気がついたように考え出した。
ユリウス殿下、どうしたんだろ?
気にはなったが、そのまま話を続ける事にする。
「ご都合主義とは、普通は起こらないだろう様な事が起きて、都合よく終わる感じかな」
「その考え方だと、今回の事は何もしなくても大丈夫と取れますね」
うんうんと皆が頷き、どこかホッとした空気が流れる。
「そして強制力とは、ストーリーが本来の流れだから、そちらの流れに戻そうという力の事を言うの」
「「「「「「えっ?!」」」」」
あっ、また機能停止を起こした人がいる。
うん、やっぱりそうなっちゃうよね。
だってホント今までの事を、強制的になかった事にしちゃうんだもの。
ホント強制力が働いているとしたら、困った事態になったという事だった。
「それってヤバくないですか?」
ユーリさんが恐る恐る言う。
「俺達、いつから神にまで、挑まれる様になったんだ……… 」
「だな……… 」
ショウエイ達が遠い目をして、哀愁に黄昏ている。
「だから騎士団長は機能停止を起こしたんですね」
「俺も起こしかかったぞ」
アンリさんとバンガルさんが、納得した顔で騎士団長を見ている。
騎士団長は未だ思考の波の中だ。
「とにかく、ならではって言われたから、そう言えばそんなのかあったなぁと思っただけで、あるかどうかはわからないのよ」
私の発言でとんでもない事になったと焦る。
でも、そうよね。神に挑まれるか………なるほど。
それより、ユリウス殿下と騎士団長どうしたのかしら?
二人は未だ考え込んでいる。
「リディアーヌ様、あのご相談よろしいでしょうか?」
アンリさんから声がかかる。
多分忍者刀バリバリの話かしら?
「実はですね。私考えたのですが、このテーザー銃ですか?これ使えませんか?呪石に刺して電気でバリバリとしたら壊れたりしませんかね」
アンリさんの話に閃いた事があった。
パニック映画であったじゃない!硬い隕石壊すやつ!!
穴開けて起爆装置入れてドッカーーーン!!!
「アンリさんそれもいいですが、規模を大きくして、穴開けて開けた穴に爆弾セットしてドッカーーーンってどうです?」
「いいと思いますが、ドッカーーーンとしたら、呪石があっちこっち吹っ飛んでいきますよ。」
ああ、ばらけたらダメだった。
小さくても効果があるヤツだもの。
「でも、グサッて刺さらないですよね?」
私はアンリさんに聞く。どうやって刺すんだろ?
「私もテーザー銃そのままでは使えないと思います。ただ内部から破壊というのは有りと思います。」
内部から破壊……… ダイナマイトとかどうかな?
「私呪石がどれくらい硬いのか、感覚的にわからないです」
だからなんとも、どうしたらいいのかわからない。
「それならバンガルさんが詳しいでしょう。わたしも内部から出来るか伺いたいです」
そう言って、二人でバンガルさんの所へ向かう事にした。
騎士団長は何か皆と話している。
おかげで回りの皆は真っ青だった。
えっと……… 一体何があったんだろう。
「私達が話し込んでるうちに何か深刻な事でもあったのでしょうか?」
アンリさんも不思議そうにしながら、ふたりで恐る恐る近づくのだった。
どうやらマーベルは復活したようだが、深刻な状態だった。
一体ホントに何があったのだろう?
「ああ、リディアーヌ!」
私を見つけたマーベルが寄って来る。
何か聞きたい事でもあるのだろうか?
「マーベル、いったいどうしたの?皆真っ青なんだけど」
私が聞いていると、騎士団長がやって来る。
「リディアーヌ、強制力って言うので考えたら、今回起こる騒動は生半可な物じゃないという話になったんだ。」
「団長が俺達もかなりヤバいと想定しないと、ストーリー通りになるという話になって」
「そうすると、俺の家族も皆ボクワイ行きって事だろ?」
「まだあります。宰相たち上の方も被害があるし、ガウェイン殿下も危ない」
ウワ~~~~……… そりゃヤバいやんんんn……!!!!!!
「ヤバい、国として終わってる幕開け……… 」
私は思わず絶句する。
そりゃ皆蒼褪めるはずだわ。
八ッ!!チヨちゃんがボクワイに行く?!!
「マーベル、どういう事ですの?チヨちゃんがなんで、ボクワイに行かなきゃなりませんの!!」
冗談じゃないわよ。絶対阻止よ阻止!!!
あんなところへ行ったら、考えただけでも許しませんわ!!
”二人だけの世界はどこまでも美しい”
えっ、待ってマリエ夫人が生きていた可能性があるなら、チヨちゃんも生きていた。
それにあのユリウス殿下の溺愛。
それに何だかんだとユリウス殿下には、ボクワイの王家の血筋があるのだ。
ヒロインがユリウス殿下を選択しなかったら、どうなったんだろう?
その先を私は知らない。
凄く嫌な予感がするんだけど、どうなのよ………
まさかストーリーで、チヨちゃんとユリウス殿下は二人でボクワイにいたの?
思わず吐き気を催すような、最悪状況を考えて蹲る。
「リディアーヌ、どうしたんだ?大丈夫か?」
多分私の顔も、先程の皆と変わらないくらい、蒼褪めている事だろう。
「マーベル、貴方も考えたの?チヨちゃんがボクワイに捕まったら、ユリウス殿下も危ないって考えたの?」
私はマーベルにすがる様に聞いてみる。
するとマーベルも、いやいや頷き息苦しそうな顔をした。
こんなとこで、キャッチフレーズいらないから………
でもそれでも幸せだって意味なんだろうか?
イヤ知りたくないし、認めたくもない!!
断固阻止します。ええ、絶対阻止して差し上げますわ。
キモいですわ。キモすぎてウエ~~~ですわ!!!
「マーベル、断固阻止ですわよ。ええ、絶対防いで見せますわ!」
「そうだよな。ダメだよな!断固阻止!!俺も大賛成だ!!!」
二人で阻止だとワアワア騒いでいたら
「そうだ!ここで落ち込んでも仕方ねぇ、現実じゃねぇしな。最悪の想定は出来たんだ。そうならない様
にどうすればいいか、今からじっくり考えようじゃねぇか」
ニヤリと挑発的な獰猛な目を向け騎士団長は言った。
「まずはどんな話をし、どういう事を想定したのか、皆で出す合うぞ」
騎士団長は皆を見回して言う。
そして、騎士団長の話ではこうだ。
呪石の発動で騎士団は、ほとんど城の外に出るだろうと予測。
数が余りにも多いので、冒険者も伴うだろう。
そうなると城は手薄となる。
そこで導き出される答えは………
「多分それで俺達騎士は当初の予定通り総崩れを起こす。もしかしたらもっと酷い状況かもしれん。」
騎士団長は沈痛な面持ちで言った。
「城の警備は私が請け負うと思いますが、騎士も最低限です。そこで何らかの大きな襲撃をされれば、抑えるのは不可能。そして魔道具を使われても最悪。この状況で上層部を狙えば、どうする事も出来ないでしょう」
多分それによってユーリさん達も消えて行くのだ。ストーリーに通りに………
「それでた、ギルバート達も拉致される。チヨもそうだろう。城も国中もその隣も大混乱だ」
すべてストーリー通りに、進行していくって話な訳だ。
むしろ最初より酷くなってないか?
「なあ、何で良くしようとして、酷くなるんだろうな?俺はこの世は無情だなってホント思うぞ」
あの騎士団長が哲学的事言ってる。まさに末期だ。
皆が無情な顔をしている。間違えた無表情だった。
「私とマーベルが考えたのは、ユリウス殿下の事です。もしチヨちゃんがそんな状態になったら、たぶんボクワイに乗り込むんじゃないでしょうか?」
私が俯き加減に、ユリウス殿下を見ながら言う。
ユリウス殿下は微かに笑って頷いた。
「後なコイツのキャッチフレーズが”二人の世界はどこまでも美しい”だ。コイツは捕まって、チヨといる選択をするはずだ」
マーベルがユリウス殿下を睨んで言った。
それに対しても、ユリウス殿下は反論せず静かにほほ笑んだ。
ああ、確実そうなったら、そんな選択するだろうって事なんだ。
ユリウス殿下に固定された。
”何でどうにかしようと抗わないのよ!!”
タダの想像なのに、ホントそうなったら、どうしたらいいのだろう。
マーベルに至っては、家族も友人も同時に失うのだ。
国も上層部も、それこそどこだってズタズタだ。
そんな中私達の婚約だってなくなって、アレクシス殿下と婚約する事になるだろう。
貴族間の関係強化のために………
そしてマーベルは………
ホントストーリー通り、すべてが元に戻るのだ。
「でだ、そこまでダメージ受けてるのに、もし城にボクワイの旗が立ったら、城を堕とされた扱いになる。つまり負けて敗戦国だ」
淡々と騎士団長が言った。
そこまでは想定してなかった!
私は啞然とするしかない。
なんかホントに酷くなってないか?!
「他にもある。あのな国を元に戻すには、いろいろとインフラ整備あるだろう。後魔獣だってまだ蔓延っているだろう。ココで一番必要なモノはなんだ?」
騎士団長がまだ問題があるのか聞いている。
私とマーベルはそこらへんよく解らないのだろう。
二人でン~~~??と首を傾げていると、イヤホンをしたチヨちゃんも笑ってマネをした。
しかし私達以外は判るのだろう。
とても沈痛な面持ちでため息ついている。
バンガルさんなんかすごく怒ってるんだけど、どうして??
「魔石ですね。かなり大量に必要になるでしょう。そこら辺の魔獣を倒しても、たかが知れた大きさです。ええ、ホントにある程度の大きさじゃないと、役立ちませんからね!」
アンリさんが苦々しい表情で苦し気に言う。
それにそれ以上に皆が、とても悔しそうにして辛そうだ。
「ボクワイの古の地の魔道具は、魔石を作るそうですよ。だから捕らえられたマリエ夫人とグラッセ侯爵、そしてユリウス殿下とチヨちゃんは、その為に酷使するでしょう。多分グラッセ侯爵夫妻らはユリウス殿下たちを盾に、更に酷い事になりそうです。そして殿下達もそれよりマシな状態ではないのでしょうか。」
ガルムさんがホント辛そうに言っている。でも起こりうる想定範囲内の予想………
聞きたくなかった。ホント聞きたくなかった。
「国もボクワイの属国になり、戦力はもうあるかどうかの状態、首脳陣もボロボロ、更にメンテナンスをするにも、ボクワイに魔石握られて思うようにできない。そしてボクワイは魔石で好き放題………ついでに周辺諸国もボロボロ。多分ボクワイは魔石を握っている分、ほぼ天下を取ったような状態ですね。」
ユーリさんがウンザリ気味で、すべての想定を言った。
ねぇ、ホントに前よりというか、地獄じゃないの?
最悪の想定がより最悪になり迫ってきたのだった。
絶対乙女ゲームの世界じゃないわ!!
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




