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反撃にあいました

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 




 ユリウス殿下には、側近になる予定の人達が新たについた。

 魔術塔のアンリさんとガイムさん。

 魔道具など修理に携わっていたマークスさん。

 そして鍛冶屋を営んでたバンガルさんだ。

 それに使用人が4人だから、一気に8人も増えている。

 ハハ……… なんかすごいな。

 そして、そんな中でも変わらないのがユリウス殿下。

 ドンドンと指示を出して、ガウェイン殿下依頼分を消化しつつ、技術を伝達していく。

 もともと有能な方だから、ただ興味がなかっただけです。

 そんな横で作業しているマーベル。

 側近中の側近だ。

 補足の作業を進め、足りない指示をフォローしながら、場の空気を遠隔操作している。

 マーベルも有能なんだよね。

 だから、ドンドン効率よく、そして円滑に作業が進んでいく。



「リディアーヌ様。こちらの忍者刀は、威力はどれくらいを考えているのでしょうか?」


 そんな中、私は護身用の忍者刀バリバリを考察中だ。

 使用人達はチヨちゃんと、折り紙で手裏剣を製作中。


「アンリさん、威力的には身体の痺れで動けなくするくらいでいいと思います。ただ強さによっては気絶させたり、死なせたりする事も出来ます」


 そう言って、そういやテーザー銃って言うのがあったなと思い出し、その説明もする。


「なるほど、刺して直接電気を流すですか、威力が凄そうですね。しかし電気とは何かと利用できそうですね。広範囲の罠を仕掛ける事も出来ますし、一点集中でもいいでしょう。」


 もともと魔法陣などを考えてた人だから、話が速くて助かる。

 要は研究畑な人なんだよね。


「考えてみたら罠などは、それこそ魔法陣でやった方がいいかもしれませんね。雷属性は貴重です。出来ましたら、トレースさせて貰ってもいいでしょうか?」


 もちろん私は承諾する。


 これによりスタンガン生産開始と相成った。

 もちろん合わせて、魔法陣形成による罠も同時進行だ。



 出来上がっていく通信機は、試験後にガウェイン殿下の元へ届けられる。

 そして、市井の方ではいろいろと調査中だそうです。

 というのも私の予言(乙女ゲームの話)で、ドラゴン襲来やスタンビートがあったからだ。

 子供の誘拐は原因と理由がわかったようで、次を調査する事にしたのである。


 ”なんだ、もうストーリーが違い過ぎて、関係なく思っていたのに”


 すっかり忘れていた私は、そう言えばこの世界は乙ゲーだったと思い出す。


 ”おのれ……… ポンデリングめぇ……… どういう事よ……… ”


 もじゃもじゃ頭の、つぶらな瞳をした友人に悪態をつく。


 ”何処にお花畑が存在するの。むしろサイコパス系じゃない!!”


 私が一番苦手とするヤツだった。


 ”ちくしょう……… ポンデリングめぇ……… 」


 世界が違うから仕返しも出来ない。

 何とも理不尽な世の中だ。



 ヤツは世界の壁で守られているのだ。




 *****************





 ガウェイン殿下から差し入れがあった。

 そう、ホットサンド。

 ちょうど昼時だから、側近の方が持って来てくれたのだ。


「リディアーヌ様、こちらも良かったらどうぞ」


 渡されたのは、イチゴのフルーツサンドだった。


「お好きだろうと作りました。今日新鮮なイチゴが手に入りましたから」


 そうほほ笑んで、特別に作ってくれたのだ。

 私この側近さん好き。

 私の中でお気に入り認定した。


「リディアーヌお前ホント、マーベル暴走させるのやめろ!」


 ユリウス殿下から注意が飛んでくる。

 食べ物くれた人に懐くのは、仕方ないと思う。


「ねぇ、リディアーヌ。君は僕にとって何だっけ?」


 後ろからガシッと抱かれ聞いて来た。

 だから言ったのだ。


「もちろん、友人のお兄様です!」


 だって今はそんな設定だっただろう。

 私間違ってない。

 それを聞いて笑ったのは、なんと私の癒しのチヨちゃんだった。


「フフフ、リディアーヌはチヨのお友達♪」


 ニコニコしながら喜んでいる。

 ああ~、ここは私の桃源郷。


「ウフフ♪」


「エヘヘ♪」


 二人でニコニコし合っていた。


「まぁまぁ可愛らしいわ」


「ホントね。癒しだわ」


 ハンナとジュリアも、ニコニコしてほほ笑んでいる。


「イヤだけどさ、いいのかコレ…… 」


「わからん……… 」


「「憐れだ……… 」」


 ショウエイとクローはマーベルを見ている。

 アンリさんとガイムさんは、何とも言いようのない顔をしていた。


「リディアーヌ嬢は俺達がいろいろと詳しい事を、知らないんだな」


「だな……… 」


 他の二人はホットサンドを食べながら話している。


「最近、マーベルの情けない姿しか見ていないような気がする」


 ユリウス殿下は忙しいからか、眉間にしわが寄せている。



 マーベルはショックを受けて、灰となって燃え尽きた。




 *****************




 その後私はマーベルによって、ユリウス殿下達のプライベート部屋に連れて行かれた。

 そして、彼らが私達の事を知っていると説明される。


 ”何だそうなんだ”


 私は納得して了解っと言うと、マーベルが抱き締めて、ピアスの付いている耳たぶを突然噛んだ。

 余りの痛みに涙が溢れる。

 多分、血が出ているのだろう。

 マーベルが舐めている。


「俺を怒らせる、お前が悪い」


 耳元で呟いて、更に首筋を噛んだ。

 やっぱり痛くて泣き出す私。


「リディアーヌ、お前は俺の婚約者だ。それを忘れるな」


 そう言って、涙で濡れる私の頬にキスをする。

 優しく宥める様に幾つかのキスを顔に寄せる。

 でも私は涙は止まらない。

 だって私悪くないんだもの。私何もしていない。

 だからグスグスと泣き続ける。


「リディアーヌ、お前はまだ幼い。どんなに転生して精神年齢が高くても、やっぱり幼いんだ。だから言っておく。余り男を舐めるな。舐めているつもりがなくても、最近少々おいたが過ぎる」


 そう言って私を見た。

 そのまなざしの奥には、獲物を前にした様な猛獣がいた。


「 ヒック…… ごめんなさい。……… ごめんなさい。」


 私は意味もなく謝る。マーベルが怖いから………

 マーベルは私を膝に乗せ、優しく包み込むようにして抱きしめる。


「リディアーヌだから言うが、俺はどうしても5歳年上だ。だから身体も精神(こころ)もそれに合わせて成長する。言って意味わかるよな?」


 抱き締めたまま、諭すように頭越しに言う。

 私はその内容に、羞恥心が伴い一気に体温を上昇させる。

 頭の中はウギャー……だった!!!


「だからあまり刺激してくれるな。ただでさえ持て余し気味なんだ。わかるだろう。元学校教師」


 そう言って私を見るマーベル。

 私は目を合わせられず、オロオロとするばかり。

 返事したくても、返事が出来ない。


「ホント可愛いな、リディアーヌ。なぁ……… キスくらいならしてもいいか?」


 私を見ながら、とんでもない事を言い出したマーベル。

 キスってどんなキス?!というかどこにだよ?!!

 メーデー!メーデー!救援を求む!!


「なぁ、いいだろう?」


 そう言って、私の唇を人差し指でソッと撫でた。

 くちびるだ~~~!!!

 メーデー!!メーデー!!!

 顎を掴まれ、上に持ち上げられる。

 私は焦るばかりでメーデー!と心の中で叫ぶのが精いっぱい。

 そのままマーベルがキスをしようとした。

 しかし………


「マーベル様、5歳の子にそれはおいたが過ぎますわよ」


 そう私の叫びは、ちゃんとハンナとジュリアに届いたのだった。

 よかった。助かった。

 ほっとする余り精神的負担も重なって、私はそのままキュウンと気絶した。


 マーベル10歳でそれって、大人になったらどうなるのよ。

 私はそれが心底恐ろしい………




 *****************


【 マーベルside 】





 俺はハンナとジュリアによって捕縛された。

 リディアーヌは精神的負担により気絶した。


 ”悪いことしたな~、後でお詫びに何か作ってあげよう”


 さすがに気絶させた俺はヒドイと思う。

 チヨ以外、皆が俺を白い目で見ていた。


「ごめん。暴走しちまった」


 俺は思わず、てへぺろを披露した。

 なるほど、こういう時に使うヤツなんだな。


「マーベル俺達の部屋で何やってんだよ!俺がいたたまれないだろうが!!!」


 ユリウスが本気で怒っていた。


「ユリウス殿下、殿下は大丈夫とは思いますが、信じていいのでしょうか?」


 ハンナがユリウスに聞いている。

 ああ、飛び火してるんだな。ごめん、ユリウス。

 ユリウスは、ハンナとジュリアに必死に弁明していた。


「マーベル、そういうお年頃だとは思うけどよ。もう少し余裕見せねぇと情けなねぇぞ」


 鍛冶師のバンガルが呆れて言った。


「まあ…… 持て余し気味なんでしょうけど、大切な子なんでしょ。しっかりしてくださいね」


 道具師のマークスからも、ため息交じりに言われた。


「ウ~~~ン……わかっているけどね。もうホント年齢差が憎い」


 俺がブツブツ文句言っていると


「その地点で反省全然してねぇーよ。全く……… 」


「いつか捨てられますよ。ホントに……… 」


 二人から白い眼で見られた。

 やっぱりどこかで、リディアーヌに甘えてるとこあるかもな俺。

 つくづく反省する俺だった。

 この後俺は、ユリウスから剣術の練習場に誘われる。

 そして俺はユリウスから、見事コテンパにやられた。

 仕方ない、ユリウスだって俺と同じ状況なのだ。

 それなのに、妹にはするな。

 でも俺はするってどうなのよ。

 なんだかんだと、ユリウスもリディアーヌを気に入っている。

 だから、制裁されても仕方ないのだ。

 参ったな……… 。

 でもホントここでしないと俺自身危うかったし、リディアーヌも危なかったんだ。

 ホント俺は、男の俺を持て余し気味だからさ。

 リディアーヌ大丈夫かな。


 泣かせて気絶させた罪悪感に、ホトホト落ち込む俺だった。




 この後俺は、リディアーヌのお詫びの品を作る事にした。

 それには誰もが、しっかり作れよと言われるだけに留まったんだけど、


「えっとチヨ、そんなに睨まなくてもいいだろ?」


 チヨは俺に心底怒っているらしい。

 まあな、泣かせて気絶だもんな。

 チヨはそのままリディアーヌの所へ行った。


「チヨがあんな態度取っても仕方ないからな。というかだ、お前は俺への影響を少しは考えろ。お前の暴

走は即座に、俺にも飛び火するんだ。持て余すなら、身体動かせ。リフレッシュしろ!」


「ホントお前凄いよな。お前はホントに何もしていないのか?」


「だからな。その質問がおかしいんだよ!相手は5歳だぞ。お前はリディアーヌを女に見過ぎなんだ。いいか!相手は幼児なんだ。よ・う・じ!!お前が言う様に5歳児なんだ。チヨと同じ5歳。わかったか!!!」


 そうなんだよ。チヨと同じ5歳なんだよ。

 俺ホント何やってんだろ。


「あなた方の会話はホント面白いですよ。とても懐かしく思います」


「あったよな、こんな時期(笑)」


「まぁなんだ。これから付き合いも長くなる様だし、どうしようもない時は案内するさ」


「ええ、相手を傷つけるくらいなら、おススメです」


「ホントなら、お停めすべきなんでしょうけど……… 」


「ハンナ、お年頃だから」


「そうね。お年頃だものね。」


 リディアーヌに何を作ろうかな。

 なんか忍者のアイテム作っていたよな。

 今度お袋に聞いてみようかな?


 隣の部屋にはリディアーヌとチヨがいる。

 ホントこれから気をつけよ。

 リディアーヌはチヨと同じ5歳。

 それだけで冷静になる俺。

 ホントどんだけリディアーヌを女扱いしてんだろ。


 何ともつらいお年頃な心情だった。





読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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