表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/30

紙飛行機

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 

【 ユリウスside 】



 アレクシス達が遊びに来た。ガウェイン付きで………


「嫌だな~。そんな不機嫌な顔しなくてもいいと思うよ。」


「何しに来た」


 俺はジロリと睨んで言った。

 すると困った顔をして、さっきあった事を話す。


「マーベルが…… 」


 どうやら思い詰めて、ストーカーまがいの行動に走ったそうだ。


「リディアーヌが話をしたいと言って、今二人きりなんだ」


 俺はギョッとして、ガウェインを見る。

 二人きりで大丈夫なのか?!


「リディアーヌがそう言うから仕方ないじゃないか」


 プクッと膨らませ不満そうに言う。

 俺は二人の様子が心配だ。


「まあ、リディアーヌが落ち着いているから大丈夫だよ。マーベルもリディアーヌには、嫌われたくないでしょ。だから大丈夫だと思うよ。」


 そう言って持参した飲み物を飲んでいる。


「ガウェイン、この前リディアーヌから頼まれたホットサンドメーカー出来上がったぞ。」


 そう言って出来上がった物を渡す。

 何でもサンドウィッチの表面を焼くんだとか。


「ありがとう。側近が喜ぶよ。すごく楽しみにしていたからね」


 ニコニコ笑って側近に渡す。

 その側近はそれを持ってイソイソと出て行った。

 使ってみるつもりなんだろう。



 ガウェインは、チヨ達を見ている。

 チヨ達はまた紙飛行機をして遊んでいる。

 どうやら紙飛行機の飛ばす方法を伝授しているようだ。


「なんで、あんな風になるんだろうな?」


 今回もベチャッと落ちたチヨの紙飛行機。

 アレクシスが得意げに、正しい飛ばし方を説明している。


「始めのうちはどうしても力んでしまうんだ。僕も初めの一投はアレだったよ」


 ニコニコ笑いながら話すガウェイン。

 そして手元の紙飛行機を俺に見せる。


「リディアーヌが違うタイプを教えてくれたんだ。まだ一度も投げてないよ」


 そう言って俺にニュータイプだと言って渡された。

 俺はそれを持って眉をひそめる。

 手に持っている物は、四角の羽が特徴的だった。


「なんでも()()()()って名前なんだって!他にもあるらしいけど、おススメはコレって言われてね。ちょっと複雑な折り方なんだ。」


 そう言ってガウェインも、なぜか得意げに話している。


「ガウェイン、お前何気に紙飛行機お気に入りだろ」


 俺はガウェインがこの幼稚なものに惹かれている事に驚いた。


「フフフ、そりゃあ気に入るさ。だって空を飛ぶものを自分の手で作るんだ。楽しいじゃないか!」


 とても無邪気に裏表もない表情で話しているガウェイン。

 だから俺は一言。


「そっか」


 と言ってほほ笑んだ。

 ついでに良かったなと頭も撫でた。



 ある程度飛ばせるようになったので庭に出る。

 どれだけ遠くに飛ばせるか競争する事になったのだ。

 そこに先程の紙飛行機で参加するガウェイン。


「せっかくなら空に飛ばしたいと思うじゃない♪ニュータイプだよ!!」


 そう言って自慢げにアレクシス達に見せる。

 それを悔しそうに見ているのはガーランド。

 ガウェインがいろんな折り方あるらしいと情報を伝えている。

 優勝者の商品はその情報を聞く権利にしたようだ。

 おかげで皆やる気だ。チヨも目の色を変えている。

 ガウェインは別枠参加。

 皆が一斉に飛ばす。

 風をうまい具合に掴んだヨシュア。

 ヒョロヒョロしながらも飛んでるチヨの紙飛行機。

 ガーランドとアレクシスは飛ばした時にぶつかって落ちた。

 今二人はケンカ中だ。

 空を飛ぶ紙飛行機は、自由気ままに飛んでいる。


「平和だね」


 そう言って振り返るガウェイン。


「そうだな」


 だから俺もほほ笑んで同意した。

 結果は予想通りヨシュアだった。

 その後ガウェインのニュータイプ()()()()を飛ばす。

 

 その飛ぶ姿は圧巻だった。

 スーと滑るように飛ぶ紙飛行機。

 何処までも、何処までも、空を漂い飛んでいる。


「スゲー!スゲー!!飛んでる!まだ飛んでる!!」


 大興奮のアレクシス。

 チヨは嬉し気にピョンピョンと跳ね喜んでいる。

 飛ばしたガウェインも啞然としている。

 そんなガウェインに、折り方を聞くガーランドとヨシュア。


 とにかく滞空の長さは驚きだ。

 スゴイスゴイと皆が笑い合いながら、紙飛行機の後を追っていた。


 俺はそんな皆の姿を見ているだけで楽しく思った。




 ******************



 私は部屋を出て、チヨちゃん達のいる庭へ向かう。

 途中の回廊では、相変わらず噂好きな者たちが馬鹿げた話をしていた。


「これはこれは、カスタネエ公のご令嬢。グラッセ侯のご子息とお知り合いでしたか」


 にこやかに笑いながら、探りを入れる印は男爵の男。


「アナタは誰かしら?なんで教えなきゃならないの?」


 今度はどんな噂をするのやら、男の噂好きは大嫌いだ。


「これはこれはつれない(笑)」


 苦笑交じりに笑いながら、目は探りを入れている。

 チラッとマーベルを見ると………


 ”なるほど、これが()()()()()()()()()()()()()()の顔なのね”


 フムフム………なんとも愉快だ。

 下をやや向いた目とむっつりとした口元。

 そして存在感がめちゃくちゃ排他的に粗野っぽい。

 なんかエスコートされてる私おかしくね?

 ご令嬢然とした私と妙に陰険乱暴な令息。

 ああなるほど…… 私悪役令嬢だったわ。

 私は扇を取り出してニンマリと笑う。


「フフフそれよりアナタ、何か面白い話でもあるの?さっきから騒がしいわ」


 私はあえて話を向けた。どんな話が出てくるのかしら。

 するとチラッとマーベルを見る。


「いえ、私からはなんとも…… 話すことはないかと」


 私は男爵が話かけていたメイドに目を向ける。

 メイドは急いでカテーシーをする。


「アナタ、どんなお話だったか教えて下さらない?私には聞かせれないお話かしら?という事は私の悪口?それとも誹謗中傷って事?ひどいわね」


 ご令嬢特有の我儘と被害妄想を発揮する。

 ついでに5歳だ。大きな声で涙目で言ってやった。

 さすがお子様の声♪ キーーーーーンと回廊に響く。

 焦る男爵とメイド。

 だから、ついでに泣き真似もしてやった。

 マーベルは俺知らねって振りをし、周りを観察している。

 回廊にいた人達から注目される状態が出来た。

 男爵の寄り親の侯爵がこの騒ぎに出て来て謝罪し、そそくさに帰って行った。


 でもメイドは残っている。

 私はその子に付いて来るよう言いつける。

 俯き震えながら私達の後を付いて来るメイド。

 明日になれば更なる噂が拡がるだろう。

 メイドは宰相さんの所へ預けた。

 あのメイドが聞いた噂がどんなものか気になるからだ。


 その後もテクテクと歩くと、何故かよく聞かれるマーベルとの関係。

 なんでそんなに気にあるのかね?普通でもこんなに聞かないわよ。


「ねぇ、なぜそんなにマーベルとの関係知りたいの?私は妹と友達なの。なんでその兄が迎えに来ただけで聞かれるの?皆おかしいんじゃないの?」


 そんな風に言うと、どこかに立ち去る噂好きな者達。

 マーベルはニンマリと笑って、見つめていた。




 ******************



 チヨちゃんの部屋に着くと、皆から大歓迎された。

 チヨちゃんからは抱き着かれた。

 ユリウス殿下を見ると何故かお疲れ気味なご様子。

 どうしたんだろうか?


「リディアーヌあの()()()()は凄いね!僕もうびっくりたよ。」


 キラッキラッな目を向けて話すガウェイン殿下。


「リディアーヌ嬢。他の折り方もあるんだろう。教えてくれないか?」


「わ、私にもぜひお願いします」


 ガーランドとヨシュアも大興奮。

 向こうではアレクシスとチヨちゃんが、また飛ばして遊んでいる。


「リディアーヌ、アレすげえな!!」


 ああぁ、マーベルも紙飛行機を見て興奮している。


 多分私もユリウス殿下と変わりない状態でお疲れ気味だろう。

 ユリウス殿下から同情の眼差しで見られていた。




 その後、3つほど新たな折り方を教えた。

 まっすぐ飛ぶやり飛行機・宙返りするアクロバット飛行機・フワフワ飛ぶイカ飛行機。

 他にもあるけど内緒だ。

 次々によく飛ぶように考えて生まれた紙飛行機。

 この世界でも考えないのかと無理難題を吹っ掛けた。


「そうだよ。いろいろ考えないと発展しないんだ!」


 ガウェイン殿下が目覚めた様に言う。


「ああ、そうだな。じゃないと乗れる飛行機はできないな」


 空を飛んでみたいガーランド。


「そうですね。これが出発地点なんですね」


 頬を赤らめワクワクしているヨシュア。


「スゲー。絶対俺オリジナル紙飛行機作る♪」


「マジで空飛ぶ乗り物出来るかも♪俺も考えよう」


 アレクシス殿下とマーベルも次の目標を考えたようだ。


 男どもは空飛ぶ夢を追いかけ始めた。


 チヨちゃんも鼻息荒く握りこぶしを作りやる気満々だ。


 ユリウス殿下はそんなチヨちゃんをほのぼのと眺める。


 そして私を見ると、どんまいという様に右肩をポンポンと叩いて慰めた。





 ******************


【 第三者side 】



 最近変なうわさがある。

 何でも第一王子のユリウス殿下が、グラッセ侯爵の娘を買ったというもの。

 はっきり言ってかなりおかしい。

 だって第一王子まだ11歳よ。

 いくら何でも早過ぎるわ。

 それにその娘も5歳だし………

 ユリウス殿下には、いろんな噂がある。

 我儘で側近もいなくなった。

 猫を殺す残虐な性格だ。

 傲慢で横暴な振る舞いをするなど

 でも私は結構お城勤め長いですが、そんな所見た事ありません。

 どうせ私はいてもいなくてもいいような者ですからね。

 メイドとして空気の様は、褒め言葉です。

 とにかくいろいろと変なうわさが出回るのです。

 その度にホント有力者って大変だなと思います。

 ホント面倒なお立場です。


「ねぇ聞いた。凄いわよね。娘を売って相談役に収まる母親って。今じゃ王宮牛耳って好き勝手しているそうよ」


 ほら、また訳の解らない話が舞い込んだ。

 私はハア~とため息を付いた。


「何よ。私何か可笑しな事言った?」


「言った。まずその相談役ってクレーマーのマリエ夫人よね。」


「そうよ。ホント凄いわよね。文句言って侯爵に乗り換えたんだから」


「あのね。ホントに文句言うだけで代わるなら皆言ってるわよね。」


「だからなんか変な力とか使って「変な本の読みすぎね。」」


 私がギロッと睨むと黙った。


「よく人をやっかんで変な噂ってあるけど、最近余りにもおかしいわ」


 私がそう言って相手を見る。


「…………ねぇ、貴女どこの担当?初めて見る顔ね?」


 そう言うと彼女は逃げ出した。

 でも彼女は捕まる。


「お疲れ様。ホントよく釣ってくれます。ありがたいですね」


 そう言って消えていった。



 回廊でたまたま訳アリ男爵に纏わり付かれ、その後宰相に取り調べられいろいろと話聞かれた。

 そして同時に、とんでもない話を聞かされた。

 はっきり言って、一週間ほど現実逃避したかったわ。

 でもしたってなにも変わらないのよ。

 私は平穏でまったりとした時間が好きなの。

 バカ話だって時にはいいのよ。時にはね。

 でもね、人をおもちゃの様に陥れたり、罪のない人を罪人にするのはいけないと思うの。

 特にいい人ほど、変な正義感で間違いを犯すわ。

 今回もそんなヒーロー・ヒロイン思考の人を罪にいざなう毒が仕込まれてる。

 庶民程そんな思考なのよ。単純だから仕方がないけど………

 ホント嫌になるわ。今ならわかる噂のあれこれ。

 だからなのねって事もあったわ。

 事なかれ主義がとんでもない事をしでかした。

 黙ってれば誰も知らない事。

 多分誰だって、秘密の一つや二つあるモノよ。

 でもね、許せない事もあるの。

 あのユリウス殿下の乳母と娘。アマラ親子………

 あの二人に騙され、城を出て行った人が何人もいるわ。

 なのに二人を誰も悪く言わないし、むしろ庇っている位なのよ。

 ホント不気味で大っ嫌いだわ。

 仕事もほとんどしないで、無意味な価値のない話をする。

 話の内容なんてクソよ!クソ!!

 何で誰も判らないのか解らない。

 アレこそ変な力を使っているとしか思えないの。

 あの弱弱しい儚げな見た目で、自分達の仕事を人に押し付け、自分のミスは弱弱しく一緒にした人に擦り付け、さらには自分を悲劇の人にする為に、仕える主人とその子供を悪者に仕立てる。

 どれだけ傲慢な人間なのよ。

 それだけ自分は特別、皆私を飾り付ける添え物とでも思っているのかしら。

 だから関わりたくなくて、気持ちが悪くて、物理的に離れた位置にいた。

 でも失敗だったわ。

 ホント失敗だった。

 まさかあんな事を考えてたなんて!!

 ホント人を家畜程度にしか思ってなかったのね。


 仕返ししてやるわ。今までみたいに好き勝手させないわよ。


 私はいてもいなくてもいい者だけど、平穏を乱されるのが大っ嫌いなのだから…… 








読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ