紙飛行機
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
【 ユリウスside 】
アレクシス達が遊びに来た。ガウェイン付きで………
「嫌だな~。そんな不機嫌な顔しなくてもいいと思うよ。」
「何しに来た」
俺はジロリと睨んで言った。
すると困った顔をして、さっきあった事を話す。
「マーベルが…… 」
どうやら思い詰めて、ストーカーまがいの行動に走ったそうだ。
「リディアーヌが話をしたいと言って、今二人きりなんだ」
俺はギョッとして、ガウェインを見る。
二人きりで大丈夫なのか?!
「リディアーヌがそう言うから仕方ないじゃないか」
プクッと膨らませ不満そうに言う。
俺は二人の様子が心配だ。
「まあ、リディアーヌが落ち着いているから大丈夫だよ。マーベルもリディアーヌには、嫌われたくないでしょ。だから大丈夫だと思うよ。」
そう言って持参した飲み物を飲んでいる。
「ガウェイン、この前リディアーヌから頼まれたホットサンドメーカー出来上がったぞ。」
そう言って出来上がった物を渡す。
何でもサンドウィッチの表面を焼くんだとか。
「ありがとう。側近が喜ぶよ。すごく楽しみにしていたからね」
ニコニコ笑って側近に渡す。
その側近はそれを持ってイソイソと出て行った。
使ってみるつもりなんだろう。
ガウェインは、チヨ達を見ている。
チヨ達はまた紙飛行機をして遊んでいる。
どうやら紙飛行機の飛ばす方法を伝授しているようだ。
「なんで、あんな風になるんだろうな?」
今回もベチャッと落ちたチヨの紙飛行機。
アレクシスが得意げに、正しい飛ばし方を説明している。
「始めのうちはどうしても力んでしまうんだ。僕も初めの一投はアレだったよ」
ニコニコ笑いながら話すガウェイン。
そして手元の紙飛行機を俺に見せる。
「リディアーヌが違うタイプを教えてくれたんだ。まだ一度も投げてないよ」
そう言って俺にニュータイプだと言って渡された。
俺はそれを持って眉をひそめる。
手に持っている物は、四角の羽が特徴的だった。
「なんでも空の王者って名前なんだって!他にもあるらしいけど、おススメはコレって言われてね。ちょっと複雑な折り方なんだ。」
そう言ってガウェインも、なぜか得意げに話している。
「ガウェイン、お前何気に紙飛行機お気に入りだろ」
俺はガウェインがこの幼稚なものに惹かれている事に驚いた。
「フフフ、そりゃあ気に入るさ。だって空を飛ぶものを自分の手で作るんだ。楽しいじゃないか!」
とても無邪気に裏表もない表情で話しているガウェイン。
だから俺は一言。
「そっか」
と言ってほほ笑んだ。
ついでに良かったなと頭も撫でた。
ある程度飛ばせるようになったので庭に出る。
どれだけ遠くに飛ばせるか競争する事になったのだ。
そこに先程の紙飛行機で参加するガウェイン。
「せっかくなら空に飛ばしたいと思うじゃない♪ニュータイプだよ!!」
そう言って自慢げにアレクシス達に見せる。
それを悔しそうに見ているのはガーランド。
ガウェインがいろんな折り方あるらしいと情報を伝えている。
優勝者の商品はその情報を聞く権利にしたようだ。
おかげで皆やる気だ。チヨも目の色を変えている。
ガウェインは別枠参加。
皆が一斉に飛ばす。
風をうまい具合に掴んだヨシュア。
ヒョロヒョロしながらも飛んでるチヨの紙飛行機。
ガーランドとアレクシスは飛ばした時にぶつかって落ちた。
今二人はケンカ中だ。
空を飛ぶ紙飛行機は、自由気ままに飛んでいる。
「平和だね」
そう言って振り返るガウェイン。
「そうだな」
だから俺もほほ笑んで同意した。
結果は予想通りヨシュアだった。
その後ガウェインのニュータイプ空の王者を飛ばす。
その飛ぶ姿は圧巻だった。
スーと滑るように飛ぶ紙飛行機。
何処までも、何処までも、空を漂い飛んでいる。
「スゲー!スゲー!!飛んでる!まだ飛んでる!!」
大興奮のアレクシス。
チヨは嬉し気にピョンピョンと跳ね喜んでいる。
飛ばしたガウェインも啞然としている。
そんなガウェインに、折り方を聞くガーランドとヨシュア。
とにかく滞空の長さは驚きだ。
スゴイスゴイと皆が笑い合いながら、紙飛行機の後を追っていた。
俺はそんな皆の姿を見ているだけで楽しく思った。
******************
私は部屋を出て、チヨちゃん達のいる庭へ向かう。
途中の回廊では、相変わらず噂好きな者たちが馬鹿げた話をしていた。
「これはこれは、カスタネエ公のご令嬢。グラッセ侯のご子息とお知り合いでしたか」
にこやかに笑いながら、探りを入れる印は男爵の男。
「アナタは誰かしら?なんで教えなきゃならないの?」
今度はどんな噂をするのやら、男の噂好きは大嫌いだ。
「これはこれはつれない(笑)」
苦笑交じりに笑いながら、目は探りを入れている。
チラッとマーベルを見ると………
”なるほど、これが俺は孤独に愛されているんだぜの顔なのね”
フムフム………なんとも愉快だ。
下をやや向いた目とむっつりとした口元。
そして存在感がめちゃくちゃ排他的に粗野っぽい。
なんかエスコートされてる私おかしくね?
ご令嬢然とした私と妙に陰険乱暴な令息。
ああなるほど…… 私悪役令嬢だったわ。
私は扇を取り出してニンマリと笑う。
「フフフそれよりアナタ、何か面白い話でもあるの?さっきから騒がしいわ」
私はあえて話を向けた。どんな話が出てくるのかしら。
するとチラッとマーベルを見る。
「いえ、私からはなんとも…… 話すことはないかと」
私は男爵が話かけていたメイドに目を向ける。
メイドは急いでカテーシーをする。
「アナタ、どんなお話だったか教えて下さらない?私には聞かせれないお話かしら?という事は私の悪口?それとも誹謗中傷って事?ひどいわね」
ご令嬢特有の我儘と被害妄想を発揮する。
ついでに5歳だ。大きな声で涙目で言ってやった。
さすがお子様の声♪ キーーーーーンと回廊に響く。
焦る男爵とメイド。
だから、ついでに泣き真似もしてやった。
マーベルは俺知らねって振りをし、周りを観察している。
回廊にいた人達から注目される状態が出来た。
男爵の寄り親の侯爵がこの騒ぎに出て来て謝罪し、そそくさに帰って行った。
でもメイドは残っている。
私はその子に付いて来るよう言いつける。
俯き震えながら私達の後を付いて来るメイド。
明日になれば更なる噂が拡がるだろう。
メイドは宰相さんの所へ預けた。
あのメイドが聞いた噂がどんなものか気になるからだ。
その後もテクテクと歩くと、何故かよく聞かれるマーベルとの関係。
なんでそんなに気にあるのかね?普通でもこんなに聞かないわよ。
「ねぇ、なぜそんなにマーベルとの関係知りたいの?私は妹と友達なの。なんでその兄が迎えに来ただけで聞かれるの?皆おかしいんじゃないの?」
そんな風に言うと、どこかに立ち去る噂好きな者達。
マーベルはニンマリと笑って、見つめていた。
******************
チヨちゃんの部屋に着くと、皆から大歓迎された。
チヨちゃんからは抱き着かれた。
ユリウス殿下を見ると何故かお疲れ気味なご様子。
どうしたんだろうか?
「リディアーヌあの空の王者は凄いね!僕もうびっくりたよ。」
キラッキラッな目を向けて話すガウェイン殿下。
「リディアーヌ嬢。他の折り方もあるんだろう。教えてくれないか?」
「わ、私にもぜひお願いします」
ガーランドとヨシュアも大興奮。
向こうではアレクシスとチヨちゃんが、また飛ばして遊んでいる。
「リディアーヌ、アレすげえな!!」
ああぁ、マーベルも紙飛行機を見て興奮している。
多分私もユリウス殿下と変わりない状態でお疲れ気味だろう。
ユリウス殿下から同情の眼差しで見られていた。
その後、3つほど新たな折り方を教えた。
まっすぐ飛ぶやり飛行機・宙返りするアクロバット飛行機・フワフワ飛ぶイカ飛行機。
他にもあるけど内緒だ。
次々によく飛ぶように考えて生まれた紙飛行機。
この世界でも考えないのかと無理難題を吹っ掛けた。
「そうだよ。いろいろ考えないと発展しないんだ!」
ガウェイン殿下が目覚めた様に言う。
「ああ、そうだな。じゃないと乗れる飛行機はできないな」
空を飛んでみたいガーランド。
「そうですね。これが出発地点なんですね」
頬を赤らめワクワクしているヨシュア。
「スゲー。絶対俺オリジナル紙飛行機作る♪」
「マジで空飛ぶ乗り物出来るかも♪俺も考えよう」
アレクシス殿下とマーベルも次の目標を考えたようだ。
男どもは空飛ぶ夢を追いかけ始めた。
チヨちゃんも鼻息荒く握りこぶしを作りやる気満々だ。
ユリウス殿下はそんなチヨちゃんをほのぼのと眺める。
そして私を見ると、どんまいという様に右肩をポンポンと叩いて慰めた。
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【 第三者side 】
最近変なうわさがある。
何でも第一王子のユリウス殿下が、グラッセ侯爵の娘を買ったというもの。
はっきり言ってかなりおかしい。
だって第一王子まだ11歳よ。
いくら何でも早過ぎるわ。
それにその娘も5歳だし………
ユリウス殿下には、いろんな噂がある。
我儘で側近もいなくなった。
猫を殺す残虐な性格だ。
傲慢で横暴な振る舞いをするなど
でも私は結構お城勤め長いですが、そんな所見た事ありません。
どうせ私はいてもいなくてもいいような者ですからね。
メイドとして空気の様は、褒め言葉です。
とにかくいろいろと変なうわさが出回るのです。
その度にホント有力者って大変だなと思います。
ホント面倒なお立場です。
「ねぇ聞いた。凄いわよね。娘を売って相談役に収まる母親って。今じゃ王宮牛耳って好き勝手しているそうよ」
ほら、また訳の解らない話が舞い込んだ。
私はハア~とため息を付いた。
「何よ。私何か可笑しな事言った?」
「言った。まずその相談役ってクレーマーのマリエ夫人よね。」
「そうよ。ホント凄いわよね。文句言って侯爵に乗り換えたんだから」
「あのね。ホントに文句言うだけで代わるなら皆言ってるわよね。」
「だからなんか変な力とか使って「変な本の読みすぎね。」」
私がギロッと睨むと黙った。
「よく人をやっかんで変な噂ってあるけど、最近余りにもおかしいわ」
私がそう言って相手を見る。
「…………ねぇ、貴女どこの担当?初めて見る顔ね?」
そう言うと彼女は逃げ出した。
でも彼女は捕まる。
「お疲れ様。ホントよく釣ってくれます。ありがたいですね」
そう言って消えていった。
回廊でたまたま訳アリ男爵に纏わり付かれ、その後宰相に取り調べられいろいろと話聞かれた。
そして同時に、とんでもない話を聞かされた。
はっきり言って、一週間ほど現実逃避したかったわ。
でもしたってなにも変わらないのよ。
私は平穏でまったりとした時間が好きなの。
バカ話だって時にはいいのよ。時にはね。
でもね、人をおもちゃの様に陥れたり、罪のない人を罪人にするのはいけないと思うの。
特にいい人ほど、変な正義感で間違いを犯すわ。
今回もそんなヒーロー・ヒロイン思考の人を罪にいざなう毒が仕込まれてる。
庶民程そんな思考なのよ。単純だから仕方がないけど………
ホント嫌になるわ。今ならわかる噂のあれこれ。
だからなのねって事もあったわ。
事なかれ主義がとんでもない事をしでかした。
黙ってれば誰も知らない事。
多分誰だって、秘密の一つや二つあるモノよ。
でもね、許せない事もあるの。
あのユリウス殿下の乳母と娘。アマラ親子………
あの二人に騙され、城を出て行った人が何人もいるわ。
なのに二人を誰も悪く言わないし、むしろ庇っている位なのよ。
ホント不気味で大っ嫌いだわ。
仕事もほとんどしないで、無意味な価値のない話をする。
話の内容なんてクソよ!クソ!!
何で誰も判らないのか解らない。
アレこそ変な力を使っているとしか思えないの。
あの弱弱しい儚げな見た目で、自分達の仕事を人に押し付け、自分のミスは弱弱しく一緒にした人に擦り付け、さらには自分を悲劇の人にする為に、仕える主人とその子供を悪者に仕立てる。
どれだけ傲慢な人間なのよ。
それだけ自分は特別、皆私を飾り付ける添え物とでも思っているのかしら。
だから関わりたくなくて、気持ちが悪くて、物理的に離れた位置にいた。
でも失敗だったわ。
ホント失敗だった。
まさかあんな事を考えてたなんて!!
ホント人を家畜程度にしか思ってなかったのね。
仕返ししてやるわ。今までみたいに好き勝手させないわよ。
私はいてもいなくてもいい者だけど、平穏を乱されるのが大っ嫌いなのだから……
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




