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いろんな想い

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 


【 マリエside 】




 王宮の回廊を歩いていると、最近わざとらしい雑音をよく耳にする。


「自分がどれだけ偉いと思っているのか」


「夫を使用人の様に使っているそうよ」


「最近は陛下も、顎で使っているとか。」


「いったい何様なのかしら」


 といったような事ばかりだ。

 最近王宮で、法改正の相談役としてポストに収まった。

 実際はこれ以上、隙間を突かれて後手に回らない為だ。

 ギルバートもいろいろと情報収集している。

 すると出るわ出るわ、これってヤバくない?!という案件が複数存在する。

 可笑しな案件もあるが、あのガウェイン殿下が放置している。

 ギルバートが、その責任者を記載された所をツンツンと指で示す。


 ”クレメンテ・ドラノア”


 という事は、手を付けるなって訳だわ。

 そしてそこから導き出された事柄は、いろんな意味で助けになっていたという事実。

 例えばボクワイで魔石発掘で事故が起こったので、人材を派遣して欲しいといった事があった。

 それをドラノア侯爵が担当。そして大量の人材を派遣した。

 その人材派遣は他の国も行っていた。

 しかし二次災害が起き、また事故が起こる。

 今思えばホントに?!という事だが、その当時は皆それを信じたのだった。

 ドラノア侯爵は他国が派遣を辞めても、今だ続けて派遣を行っている。



「この派遣が或る意味大切な事だったのかもしれないな」


 私達の安全はこれによって保たれていたという事。

 ボクワイが開戦しないのは、そこまで状況がひっ迫してなかったからだ。


「この送られた者達はほぼ犯罪者だったり、ボクワイと通じていたりする」


 国を脅かす者は、あちらにどうぞっという事だろう。

 味方のフリをした見事な采配、あの乳母達は気づかなかったのかしら?


「そこら辺は余り興味がないのだろう。ココに乗っている貴族も、ドラノア侯爵の機嫌を損なったといわれる人達だからな。」


 つまり貴族社会でよくある左遷みたいなもの。


「映像で見る乳母達の性格なら、無様に泣け叫ぶ様はいい娯楽だったんだと思うよ」


 ホントにクズの様な貴族のやり方をしているようだ。


「凄い人だわ。誰にも称賛されず嫌悪されて、見事な嫌われ役を演じきっている。」


 しかも彼は、一番危険で危ない場所に居続けるのだ。

 話を聞けば、捨て猫を拾う優しい人物と聞いている。

 いかんともしがたいやるせなさに涙が溢れてくる。

 彼は影からずっと、国を私達を守ってくれていたのだ。


 ”そんな事も知らずにいたなんて………”


「私は彼を尊敬しているよ。こうまでしないといけない事もあるのだと、綺麗ごとで片付ける事が出来ない事もあるんだと………私は強くなるといって、余りにも中途半端だ。」


「旦那様……… 」


「私も君たちを守る為に行動するよ。見守ってくれるかい?」


「もちろんよ。頼りにしているわ」


 王宮では最近いろいろと辟易していたが、彼に比べればたかが知れる。


 ”負けてなるものですか!”


 これぐらい大した事ないわ。だって家族を守る為なんですもの。


 “ギタンギタンに始末してあげるわ”


 弱っていた精神(こころ)に気合を入れる。

 ギルバートが抱きしめて、戯れの様なキスをする。

 それを笑いながら受け止めていると、ドアの隙間からマーベルの憎しみの籠った視線があった。


「あのさ……… いい加減にしてくれないかな。ベタベタと物理的につかない様しようか?」


 そう言うと、悍ましい何かと共に消えて行く。


「マーベルが怖いわ」


「そうだな…… まあ私達が悪いな…… 殺されるかと思った」


「大丈夫なのかしら。問題だわ…… 」


「そうだなぁ。問題だらけだ……… 」


 マーベルの行く末が気になる。



 ******************



 またまた来ました王宮へ。

 最近よく王宮へ行く事になる。

 アレクシス殿下が呼ぶからだ。

 この前教えた紙飛行機が、飛ばないと喚いているらしい。

 いやいやそんなの私じゃなくてもわかるでしょ。

 大人が飛ばしてみればいいじゃない!

 とにかく…そんな理由で王宮へ来たわけだ。


 しかし最近の王宮は、なんとも変なうわさ話が横行している。

 何でもマリエ夫人が陛下や宰相を使って王宮を牛耳っているとか、地位の約束でチヨちゃんをユリウス殿下に売ったんだとか、なんだそりゃと思う様な噂を、実しやかに言っているのだ。

 大体11歳の子に5歳を売るってなんだよ。

 どんなにユリウス殿下が大人っぽくても、かなり話に無理があるんじゃない?!

 でも人って面白話には、多少の無理に目を瞑るらしく真実のように話てる。

 ホント人ってクソだなって思う瞬間だ。


「リディアーヌ待っていたぞ。」


 部屋へ行くと、アレクシス殿下とヨシュア、ガーランド。

 そしてガウェイン殿下がいた。


 ”ゲッ、何故にヤツがいる?!”


 私はガウェイン殿下が苦手だ。

 いるだけで精神的疲労が半端ない。


「久しぶりだねリディアーヌ。僕も紙飛行機を見に来たんだよ」


 ニコニコしながら朗らか~に言うガウェイン殿下。


「それはそれは対した事ございませんのに」


 私は扇を口元の添えてホッホと笑った。

 こころの中は退室したくてたまらないけどね。


「リディアーヌ、この前チヨにも折り方を教えて飛ばしてみたんだ。そうしたらベチャッと落ちた」


 アレクシス殿下はそう言って、手に持った紙飛行機を見せてくれた。

 以前に比べれば、大分丁寧に折って作ったようだった。


「それではアレクシス殿下、試しに飛ばしてください」


 私はそう言って、ガウェイン殿下のいるテーブルに向かう。

 テーブルの上を見ると、どうやらガウェイン殿下の作った紙飛行機があった。


「フフフ、コレ面白いね。とても夢があって僕好きたよ。他にもこんな風に空を飛ぶものがあるのかな?」


 キラキラした目を見ると、純粋な好奇心から聞いているのがよくわかる。


「もちろんありますわ。例えばこの紙飛行機も違うタイプがあります。」


 そう言ってアレクシス殿下に目を向ける。

 殿下は飛ばそうと足を大きく開いき、腕を何度も飛ばそうと振っている。

 しかしなかなか紙飛行機から手を離さない。


「殿下どんな結果になろうと、飛ばさない事には原因が判りません」


 早く飛ばせと声をかける。

 そんな私をわかっているのか、クスクス愉快そうに笑うガウェイン殿下。


「ガウェイン殿下は飛ばされたんですか?」


「もちろん。いい感じで飛んで行ってくれたよ」


 それならガウェイン殿下が、教えて上げればいいじゃない!

 私がそんな思いを込めて横目で睨んでいると、目を細めてニヤリと口の端を上げる。

 ホント私思うんだけど、この殿下マジで9歳か?!

 背中の後にチャックがあり、そこからおっさんが出て来ても驚かない。

 

 四半時すると、ガウェイン殿下は新たな紙飛行機を作り終わった。


「ホントはリディアーヌの様子を見に来たんだ。僕の提案だからね。これでも責任感じているんだよ」


 そう言って決まり悪げな顔をした。


 その間紙飛行機を投げて、何度も失敗しているアレクシス殿下。

 私が教えなくても、ヨシュアとガーランドがいれば十分だ。

 だからそのままガウェイン殿下と話す。


「むしろ私よりマーベルの様子を見るべきなのでは?」


「君に合えばマーベルの様子も判るんだ。ちょっと問題があってね。厳重注意が必要なんだ」


 そう言うとカップを持ち上げ紅茶を飲んだ。

 私はどういうことだと頭を捻る。

 すると庭の方から騒ぎ声が聞こえた。


「どうもマーベルはこっそり君の様子を見ているんだ。そんな行動を取ると君の安全が脅かされるんだよ。全く………」


 そう言って、疲れた様に首を振るガウェイン殿下。


 それを聞いて私は思った。

 アレ?おかしいな??

 マーベルってそんなキャラだったかしら?!!


 遠くの方では捕獲されたマーベルの、怒りの声が聞こえた。 



 マーベルは私の隣に座り、肩を抱いてべったりと引っ付いている。

 私の頭をスンスンと嗅いでトランス状態だ。

 そんなマーベルを冷めた目で見るガウェイン殿下。

 ヤベー奴と思ったヨシュアとガーランドは、アレクシス殿下を連れて避難した。


「あのさ、わかっているのかな?君の行動でリディアーヌが脅かされるということを」


 ガウェイン殿下がマーベルを睨みつけている。

 私はため息をついた。

 マーベルってこんなに危ない奴だった??

 ココは私がしっかりしないといけない。

 じゃないと、このまま度が越えメンヘラ君になったら最悪だ。

 マーベルは未だしっかり私に抱き着いて離れない。


「マーベル!「なんでだよ!!」」


 ギッと睨むマーベル。


「なんで俺だけ離れ離れなんだよ。わかってる。わかってるけど、どうしようもないんだ!!」


 確かに周りはラブラブ状態だからね。

 ユリウス殿下なんてウフフアハハな状態だ。

 マリエ夫人達も言わずもがな………


「ガウェイン殿下、少しの間二人だけにしてくれませんか?」


 私はガウェイン殿下を見つめて言った。

 心配してくれているのはわかる。

 今の状態のマーベルは危ないかもしれない。

 これで私もボクワイ狙われるかもしれない。

 でもこんな状態のマーベルはほっとけないのだ。

 ガウェイン殿下が部屋から出ていった。

 今この部屋にいるのは私とマーベルだけ。


「マーベル…… 」


 そう言って抱き着いているマーベルの背中をポンポンと宥めた。

 まあ、5歳にちっさなボディーだ。

 微妙な感じでしか背中に届かないけれどね。


「リディアーヌ………」


 そう言って、ホッとした様に身体の力を抜いたマーベル。

 よく見ると目の下に濃い隈が出来上がっている。


「マーベル、貴方寝てないの?」


 私が心配そうに言うと、魔道具を作ってたと言う。

 身体を少し離し、存在を確かめるようにくすぐる様なキスを頭や顔にする。

 それがとてもこそばゆいし恥ずかしい。


 ”ちょ、ちょっと待ってよ私まだ5歳よ!//”


「ごめんねリディアーヌ。いろいろと煮詰まってちゃって…… 」


 一体なんでこんなに好かれてんのよ私?!

 とにかくマーベルの熱量のすごさに戸惑う私。

 そんなマーベルにドキドキする私//


「アハハ!リディアーヌ、ドキドキしてるんだ嬉しいな♪」


 どうやら私は口に出していたようだ。

 パクパクと口を意味もなく動かす。

 マーベルは落ち着いて来たのか、段々といつもの調子になる。


「リディアーヌ大好きだよ。どうしようもないくらいに、だから早く俺を好きになってくれ」


 そう言って私をギュッと抱きしめる。


「す、好きになってって、好きじゃなかったら、こんなに心配しませんわ。可笑しいんじゃなくって!」


 いや私のこのセリフが可笑しいだろ………


「そっか、そっかー俺達は両想いなんだな(笑)」


 そう言って可笑しそうに笑うマーベル。

 先程までの病みは消え去った。ホッ………


「大体なんで寝ていませんの?!」


 マーベルは抱擁を解いて横に座る。


「ン~~~…… ちょっと作りたいものがあってね。」


 そう言ってポケットをガサゴソし、私の手にアクセサリーの入った箱を渡す。

 開ければ、それは綺麗な紅いピアスの片方だった。


「対は俺のここにある。リディアーヌもつけてくれ」


 そう言って自分の耳をかき上げて見せる。


「これなんですの?魔道具といってらしたわね」


 私はそう言って、マーベルに箱を渡す。

 さすがに自分ではつけれない。髪をかき上げ耳を差し出す。

 マーベルはそんな私の姿を、柔らかく包み込むような目で見ている。

 どうしたのかしら?と私が首を捻ると


「この魔道具は通話が出来るようになっているんだ。通信システムってヤツ。俺と繋がるからいつでも連絡して欲しい。実際会えないとおれ煮詰まってしまうみたいだからさ」


 困ったような顔で言うマーベル。

 でも私は携帯のアクセバージョンに興奮していた。


「凄いじゃない!!さすがマーベル天才よ。キャッホー♪いつでもお話しできるのね!!」


 アレ欲しい、これ欲しいもできる。思いついたらすぐ伝えればいいじゃない♪


「リディアーヌ…… 俺は別に便利な道具屋になりたくて、渡している訳じゃない」


 どうやらまた独り言を呟いていた様だ。


「まったく……リディアーヌ。お前は俺のなんなんだ?」


 とっても真面目な顔で私に聞くマーベル。


「私はマーベルの婚約者です!」


「そう婚約者だ。決して便利屋や道具屋じゃない。わかっているな!」


 何処までも真剣な表情で諭すように言うマーベル。

 私はうんうんと頷いてわかっているともと意志を示す。


「それじゃ悪いけど少し血をくれないか?」


「へっ?!」


 キョトンとする私。

 手を口に当てプルプル震えている。


「血をこのピアスに登録すると、いつでも場所がわかるようになってるんだ。」


 GPS機能付き………すごい!


「それじゃ指を出してくれる?」


 指を出すとチクッと針をさされ、ピアスの宝石の部分に血を垂らす。


「うん、ちゃんと光ったから大丈夫だね」


 そう言って私の指をくわえ舐められた。


「ファッ?!」


 挙動不審な私の態度に、クスクス笑って言う。


「消毒だよリディアーヌ」


 なんかさっきからやられっぱなしな気がする。

 そして私の耳に、さっきのピアスを付けた。


「これでリディアーヌは俺の(もの)って目印がついたな♪」


 振り返ると、そこにはニンマリと執着を映した目で微笑むマーベルがいた。







読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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