見えて来るモノ
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
私は今アレクシス殿下の所にいる。
「リディアーヌ、お前兄上の所で魔道具の作り方習ってたらしいが、何を作りたかったんだ?」
興味津々で私を見ているけれど、魔道具の作り方なんて習ってないわよ。
「私どうも不器用だったようで、アイデアだけは出したようなものでしたの」
私はフフフと笑って言った。
「俺も不器用だけど、出来たら習いたいな」
脳筋キャラ予定だったガーランドが言う。
何か欲しい物があるのだろうか?
思った事は皆一緒で、ヨシュアが聞いている。
「俺さ、空を見上げるのが好きなんだ。こう遠くまで見える道具ってないのかな?」
目をキラキラさせていうガーランド。
私は啞然とした。
”脳筋が天体観測者になるの?!”
余りなギャップに驚いた。
「空か……確かに気になるよな。できれば、鳥みたいにあっちこっち飛べたらいいな。」
アレクシス殿下は好奇心いっぱいで空を見る。
「嗚呼、一度は憧れますよね」
微笑みながら言うヨシュア。
「一度か?!俺は未だに飛べたらいいなと思うぞ」
「ガーランド俺もだ!いいよな空って(笑)」
そんな二人は、空をいっぱい抱きしめるように大きく腕を広げた。
何だかここは、凄く陽気なパラダイスって感じかしら。
一週間ぐらい前は地獄の入り口だったけど………
とっても気楽でストレスフリーな空間だ。
”おかしいわね。以前はストレス溜まりまくりだったのに……”
それだけ精神的成長があったのだろう。
アレだけ悲惨な気分を味わったんだもの、少しは成長もするわよね。
「殿下、私面白事出来ますのよ」
私はそう言って紙を折っていく。
そしてそれを、青い空に向かって遠くへ投げた。
折ったモノは風に乗って、ユラユラと飛び落ちていく。
”生徒たちには感謝ですわね”
前世、小学教師だった私は、何度も何度もよく紙飛行機を作っていた。
生徒の喜ぶ姿や驚く姿が見たくて、研究した事さえある。
「スゲー?!なんだよアレは!!教えてくれ」
アレクシス殿下は大騒ぎ。
「私にも是非!!」
頬を染めて満面の笑みを浮かべているヨシュア。
「単なる紙だよな!!ヨシュア。何故飛ぶんだ?!」
ガーランドはなぜか、探究者の様になっているけどね。
まあそんな生徒もいたわよね。
だた乙女ゲームと偉く人物像かけ離れたな。
ヤツは騎士になるのか?
今の姿からは想像できない。
さてなぜ私がアレクシス殿下の所にいるのか。
それは安全確保の為という事だ。
私達が通信システム開発にワタワタしている時、ガウェイン殿下とチヨちゃんの両親、騎士団長で話し合っていた。
そして次の事を考えた。
陳腐なセリフには、加護のような効果があるのではないか。
つまりそのように行動すれば、乙女ゲームの時間までは生きれるでしょうという事。
大人は子供の安全をまず考えたのだった。
だから私はアレクシス殿下と、行動を共にしなくてはならなくなったのだ。
ついでにマーベルとの婚約も隠す。
マーベルは孤独の方が安全だからとガウェイン殿下に言われた。
マーベルはその後3日間、ショックを受け寝込んだそうだ。
一方ユリウス殿下。
ヤツはめちゃくちゃニコニコでご機嫌だ。
だって二人の世界はどこまでも美しい人だから。
「俺は世界に祝福されている♪」
と清々しい笑顔で、それはそれは浮かれまくりだった。
お城で今まで通りチヨちゃんと過ごすことになり幸せいっぱいだ。
部屋の周りは、ガウェイン殿下や騎士団長など、信用出来る者以外の立入り禁止になった。
だから食事もガウェイン殿下の側近が作ってくれるそうだ。
とにかく新婚気分ユリウス殿下を、マーベルは妬まし気に睨み付けていた。
どす黒く濁った眼は、はっきり言って怖かった。
それじゃマリエ夫人たちはどうするのか?
おとりとして動くそうだ。
と言っても陛下の相談役として収まっている。
つまりは時間稼ぎをしている。
通信システムはというと、ユリウス殿下とマーベルの頑張りで、なんとかそれらしいものが出来た。
ただ一斉に映像を発信は、難しかったようだ。
でもそれはまた別の方法を考えればいい。
証拠をしっかりと押さえればいいのだ。
今こうしている間も、隣国の様子が映像や音となって集まっている。
でもちゃんとボクワイで頑張っているのかな?
どんなにいい性能でも証拠が取れる所に置いてないと意味がないし、ガウェイン殿下は自信持っていたけれど、大丈夫かな??
どうかバッチリ証拠が映っていますように。
私は空に祈る。
******************
【 ガウェインside 】
僕は教国からの使者を迎えた。
と言っても、僕の伯父にあたるので、そこまで畏まる必要がない。
「元気そうだな、ガウェイン」
久しぶり再会出来てとても嬉しい。
僕はいろいろと伯父から教えて貰った。
世界の成り立ちや英雄の話に不思議な伝説、そして心躍る聖獣の話。
こんなに面白い世界が広がっているんだと、何度ワクワクしただろう。
そんな僕を伯父は世界を旅してみないかと誘った事がある。
僕の成長度合いは、まだまだ伯父の足を引っ張る大きさだ。
だから、成人したら世界を渡り歩く予定だ。
父もまだまだ若いし元気だから。
成長具合では、それより早くなるかもしれない。
だって僕の夢を知っている側近達は、僕の成長の為に日々料理の研究をしている。
側近たちも、すごく楽しみにしているのだ。
世界は不思議で詰まっている。
是非とも僕はこの目で見てみたい。
多分僕が、そんな事を考えているとは思うまい。
そんな子供のような事を、実現しようとしているとは思いもよらないだろう。
「ガウェイン殿下、ルデア大司教として伺ってもよろしいか?なぜ古の地の一族を調べようと、お思いになったのですか?」
真剣な表情で僕を見て、躊躇いがちに伯父は紙の束を僕に渡した。
「これは頼んでいた資料ですか?ありがとうございます。結構資料があったんですね」
この資料に、教国が人を動かすほどの問題が存在していたという事なのだろうか。
「ちょっと気になる事があったからです」
僕はそれしか答えない。
このおぞましい事案はさっさと片付けたい
早急に解決して闇に葬るたいのだ。
「それなら伯父としてなら話してくれるのか?この国の者としてならきいてもいいか?」
これはなかなか難しい問題だ。
実際物知りな伯父の知恵を貸して欲しいくらいなのだから。
僕は側近二人を見ると、他の側近は頷き退室していく。
ホント出来た側近達ばかりだ。
「伯父上、この資料で何か問題点があったのですか?」
まずは何故伯父がこだわるのか聞かねばならない。
僕は側近に書類の束を渡す。
二人は頷いて手分けして読んでいる。
「ああ、問題だらけだ。何故今まで放置していたのかと恐慌状態だ。今教国の上層部では大層な騒ぎになっているよ。だから私が来たんだ。困ったことがある様なら、秘密裏に手伝いをする様申し付けられている。」
「そうですか………」
そこまで教国が動くとは……
僕は側近がどこまで読んでいるのか気になってみると………
「殿下、これは問題です。」
真っ青な顔をして書類を持ってくる。
伯父はため息をついて首を振っていた。
僕は貰った書類を見る。
そこに書かれている事はとんでもない事で………
「殿下、こちらも有り得ないかと」
もう一人の側近も沈痛な面持ちで書類を渡す。
そして伯父を見てどういうことかと説明を求めているのだった。
僕もこれ以上他に何があるのか読む。
そして読み進めて行けば………
”リディアーヌ、ボクワイはホントに世界の屋台骨を食い荒らしていた様だ。”
ボクワイは滅亡するしかないだろう。
ヤツラは世界の敵だった。
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【 マリエside 】
ユラリユラリとワイングラスを回しながら、じっくりと考えていく。
今は平穏だけど、嵐の前の静けさって感じだわ。
続々と隣国ボクワイの情報が入ってくる。
信用が置ける者だけの作業な分、追われっぱなしの毎日だ。
だから、こう普通にいられるのよ。
ホントなら、泣き叫んで喚いて気が狂いそうになるわ。
手元にはある一枚の書類。
私はソッと手に取って、もう一度じっくりと見つめる。
読めば読むほど、的はずれなのに何か意味ありげな言い分。
「マリエまた見ているのか。アマラの証言」
ギルバートは部下の命令を終え部屋へ戻ってきた。
私はニコッと笑って、また書類を眺める。
「何だかね。証言というより暗示めいた言葉の羅列なのよね」
・あなた(ユリウス)は王位を望めばよかった。
・望めばこちらも、準備出来ているのに
・魔道具?なんでしょう?
・私は会いたいだけです。(チヨに)
・その子と一緒にいる事に反対などしてません。
・あの子を気に入った者がいるのです。
・殿下は優秀ですが一人では、何もできません。
・後手になっては遅いのです。
「確かにな。最後の方はまさに今の事だな。」
「それに、準備できてるそうよ?」
「だな。困ったな。」
「うちのチヨちゃんに合ってどうしようって?それにこの反対などしないって?!」
「ガウェイン殿下が言うペア飼育か………」
二人で顔を見合わせげんなりとする。
この魔道具?なんでしょう?なんて、どんな魔道具?っていう意味かしら!
ホントうんざりするわ。
「このチヨを気に入った者って………」
「たぶん、キモいロリロリがいるって話の人でしょ。ロりは滅すわ!」
大丈夫よチヨちゃん。
バッチリやっつけてやるわ。
今、私達はユリウス殿下とチヨちゃんの部屋の近くで寝泊まりしている。
ある意味軟禁状態ね。
あの二人は相変わらずのんびりと生活している。
ユリウス君の溺愛が加速しているのがわかるわ。
それはそれでどうなのよと悩む毎日よ。
それにマーベル。アレはヤバいわ。
もしかしてあれが一匹狼のマーベルなのかしら?
背中からどす黒く俺は一人だぜって空気出てるもの。
ホント誰も近づきたくないわ。
うん、アレなら確かに番なんていないわね。
というかあてがうのも考え物だわ。
可哀想だけど頑張るのよマーベル。
リディアーヌの安全確保のために……
そんな私を、前の席に座って見つめるギルバート。
私は首を傾げるとギルバートは笑った。
「いろいろと考える度に、顔の表情が変わって見ていて飽きないんだ」
そう言って、テーブルに置いてあった残りのワインを掲げる、瓶そのままに口付けて飲む。
「旦那様お行儀が悪いんじゃないかしら?」
立ち上がり首筋流れたワインをハンカチで拭おうとした。
「旦那様、手を放して下さらない?襟が汚れてしまうわ」
手首を掴んだギルバートに注意する。
それなのにおどけた顔をして、私を見つめたまま手の甲へキスをし、そのまま手首に強めのキスをした。
「どうしたの?」
私は旦那様に聞いた。どこか不安そうだ。
私はなんとなく、ギルバートの頭を抱きしめた。
ギルバートも私の腰にゆっくりと腕を回す。
私がそのままの体勢でいると、ギルバートは身体の力を抜くようにため息をついた。
相当お疲れのようだ。何があったのだろう。
「旦那様何があったの?」
もう一度ギルバートに聞いてみる。
すると抱き着いたまま、隣国の映像を見たと言う答えが返ってきた。
ギルバートの様子から、何か精神的に来るものがあったのかもしれない。
「ガウェイン殿下がその映像を見て、吐き捨てる様に言ってたよ」
『乳母を殺しカロリーナも不敬で殺せば、少しはすっきりしてよかったかもしれないね。』
いや、それもそれで問題ありありではないかしら?
めちゃくちゃ横暴な王族ですわよ。
「実際ボクワイの映像を見たら、それでもいいんじゃないかと思うんだ。魔道具や魔石に拘るのも、ボクワイの人が魔力持たないからだ。古の地の一族の魔道具を使うには、古の地の血と魔力の宿った血を混ぜて使っていた様だ。他の国の者も、犠牲になっている。沢山の人達の血を使って、発掘する為の魔道具を動かして使っていたんだ。」
私はガウェイン殿下から、それらしき話を確かに聞いた。
でもそれは、仮定の話だった。
でもそれが現実だったなんて!
という事は、繫殖というのも本気という事?!
私は余りの気持ち悪さに、口を手で覆いた。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




