ガウェイン殿下は難しい
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
ユリウス殿下とマーベルは未だ集中している。
今までの失敗を取り戻そうとしているのだろうけど………
”私はさっさと、チヨちゃんの所に行きたいのですわ”
ホント今私は、凄く癒しが必要なのだ。
なのに二人は、話し合い何だかんだとしている。
申し訳ないが、何をしているかわからない。
「兄上たち集中するの良いけど、もう少し周りに目を配らなきゃダメだよね」
全くのその通りである。
「ガウェイン殿下、何故ユリウス殿下には側近が居りませんの?」
これだけ集中するタイプなのだ。
いないと何かと不便ではないのだろうか。
「本人と乳母たちの意志の結果だろうね。兄上は煩わしいからいらない。乳母達は何かと支障をきたすからいらないって感じかな。一般的には兄上の我儘と傲慢な態度で、側近が寄り付かなくなり、いなくなったとされている。」
「されている?」
どういう意味だ??
「実際は側近をそろそろという話になった段階で、先程の話が出回ったらしい。母上はどういうことだとハルアナ王女に聞くと知らないと言う。それに兄上自身が必要ないと突っぱねて終わったそうだ。」
なんだそりゃ?!!
あんまりな事に啞然とした。
「兄上はチヨちゃん以外どうでもいいからね。実際はそれで支障をきたしているんだけど、ホント視野の狭さに辟易するよ。全く自覚ない分、今回の件でそこら辺矯正しないとね。せめて信用のおける使用人がいたらよかったんだけど…… 環境的に無理だね」
おかしいな?優秀な人だと思っていたんだけど?なんで気付かない?
「優秀だよ。興味を持ったらなんだって優秀なんだと思うよ。ただ本人が興味を向けないだけさ」
なんかスンとなる私だった。
バルトル子爵の第二弾じゃない。
優秀だけど興味がないから、それだけの人。
ホント世の中って無常だわ。
最終的は頭を叩いてチヨちゃんの所へ帰る事になった。
文句を言われたが、それじゃ先に帰ると言えばいそいそと帰り支度をする二人。
全くこんな感じでよく今までやって来られたなと思う私。
私自身も指摘されるまで気づかなかったけどね。
自分の手足となって動く人はごく自然にいるモノだから、何の疑問も持たなかった。
でもそれには意思があり考えもある。
当たり前の事なんだけど
”貴族的思考が邪魔をして、使用人を個人で見る事が抜け落ちてましたわね”
そう言った意味では乳母さんは、ホントよくやっているのだ。
参ったわね。これは罠がどこまで張り巡らされているかわからないわ。
こうやって廊下を歩いていても、あちらこちらにいる使用人たち。
そう考えるとホントに不気味でなりませんわ。
ボクワイは使用人という監視カメラと盗聴器がある。
性能はもちろんアチラ側の勝ちですわね。
ホントやってられませんわ。
その中の数名だとしても、精神的疲労は途轍もなかった。
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久しぶりに見るチヨちゃんは天使だった。
私は脇目も降らずチヨちゃんに抱き着く。
ハア~私の癒し天使なチヨちゃん。
めちゃくちゃ精神が癒される。
チヨちゃんは私の状態に感じるモノがあるのか、ヨシヨシと頭を撫ででくれた。
今はホント休息したのですわ。
そんな私に邪魔をするユリウス殿下。
冗談じゃないですわ。私頑張りましたわ。
あなた達が役立たずだった間、古今奮闘致しましたのよ。
邪魔をされるいわれはありませんわ。
私はギッと睨み付けた。
さすがに何か思う事があったのか、素直に引き下がるユリウス殿下。
もうホントへとへとですのよ。
チヨちゃんが私の背中をポンポンと宥めてくれる。
それが何よりも嬉しい。
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【 ユリウスside 】
チヨの部屋に入った途端、リディアーヌはチヨに抱き着き甘えだした。
チヨはキョトンとしながらも、ヨシヨシと宥めている。
それを見てムカッと来る俺。
”俺だってめちゃくちゃ疲れてるんだ。俺のチヨに馴れ馴れしくなんだ!”
もちろん引き剥がそうとする俺。
それなのに凄い目で睨み返された。
目が物語っている。
”お前そんな資格あるのかよ”
俺は素直に引き下がるしかなかった。
スゴスゴとガウェイン達がいるテーブルに向かう俺。
はっきり言って情けない。
そんな俺というか、俺達の姿を面白そうに見ているチヨの両親とアーサー。
「兄上、リディアーヌ嬢はホント一人で頑張っていましたよ。一応5歳の少女です。精神面がいくら大人でも身体は疲れると思いますよ」
そう言って俺を見るガウェイン。
「フフフそれで話し合いはどうなったの?」
俺達を見て信頼し、信じて聞いてくるマリエ夫人。
だからこそ俺は、申し訳なくて泣きたくなった。
ガウェインが、今までの内容を話していく。
始めはにこやかに聞いていたマリエ夫人も、静かに佇んでいたギルバート侯爵も険しい顔になっていく。
そうだろうな。大丈夫と思っていたことが手の内だったのだから………
そしてそんな状況にしていたのが俺自身。
周りへの無関心、興味のなさのせいだ。
身の内から腐れた何かが溢れ出しそうだ。
アイツらを馬鹿にしていた俺の姿は、さぞや滑稽で面白かっただろう。
何も知らず知ったかぶり、知らず知らずのうちに罠にかかっていく姿が………
悔しくて悔しくて………
それはマーベルも同じだった。
そんな俺達を優しく慈しむ様に抱きしめてくれるマリエ夫人。
思わず涙が溢れてくる。
今度こそ間違えない。俺は守ると決めたんだ。
この目の前のぬくもりも愛しい者も………
どうか神様俺に力を下さい。
俺は人生で初めて神に願った。
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「はぁ~相手が上手だったわね。してやられたってとこかしら。」
マリエ夫人も何とも言えない顔でため息をついた。
「オイオイ、なんだよ!それじゃ今最悪の真っ只中って事か?!」
さすがの騎士団長もびっくりしている。
そうだろうな。出る前は余裕余裕、意気揚々と出て行ったからね。
「そうか…… 私も捕まっていた可能性があったのか………」
ギルバート侯爵の沈痛な面持ちで考え込んでいる。
「しかしマジでやられたな。マリエの言ったように隙間ついてきやがった。」
「というかなんで今まで気づかなかったのかしら?」
マリエ夫人は考え込んでいる。
「イヤ、気付くも何もいたからな。ユリウス殿下の周りに使用人」
一々側近ですとは紹介しないし、使用人も専属ですとは紹介しない。
「当たり前過ぎて、気にしなかったわ」
「僕は側近を置くことで自分自身を守ってるんだ。自分で選んで決めて、信用はとても大事だからね。兄上はそこが凄くズボラなんですよ。興味ありませんから」
「ユリウス殿下。わかっているな、側近の事考えた方がいいぞ。」
騎士団長はしっかりと目を見て言う。
ユリウス殿下も目を見て頷いている。
「しかし俺達もそうなんだよ。相手を見抜けなかったお間抜けヤローだ。ガウェイン殿下なんで教えてくれなかったんだよ。」
恨みがましく、ガウェイン殿下を横目で見る騎士団長。
「だってそんな大胆な事考えてるなんて思っても見ないじゃないか。怪しいなと思っても、せいぜい横領とか横流し?後は戦争とかでしょ。まさか我が国を養殖場にしようなんて考えにも及ばないさ。いくら僕でも無理だよ。」
「だよなぁ………気持ちわりー」
騎士団長はとても遠い目をして顔を歪めた。
私達も同じ気持ちだが、最後の一言はドスンと精神響いた。
ガウェイン殿下はそんな私達がわかったのだろう。
「騎士団長………」
声をかけて窘めた。
さすがに騎士団長も、あたりを見まわし申し訳な顔をした。
二人は範囲外でいいですね。
心底羨ましく思った。
「とにかく…終わったことをグダグダ言っている時間はないわ。一気に詰めていきましょ。リディアーヌどこまで詰めたの。」
気持ちを切り替える様に、明るい声で言うマリエ夫人。
「ユリウス殿下には乳母の証言を、書いて貰いましたわ。噓なのかホントか、選さした方がいいと思って。それから魔道具を、大至急作って貰おうと思ってますわ。」
「そうね。直ぐに取り掛かって貰いたいわ」
「出来れば通信システムがある物がいいのですわ。直ぐに情報が入るし、世界に同時発信いたしますの」
そうしたら全てがスピーディー♪追いつきますわね。
「どういう事?」
「僕が映像を映すものがあったらと話したんだ。証拠を見せれば世界の敵になると思ってね。」
うっそりと嗤うガウェイン殿下。
「通信システムって何?」
マーベルが不思議そうに聞く。
もちろんユリウス殿下もきょとんとしている。
「リディアーヌあなた雷だったわね。頑張って伝えてちょうだい。こちらはこちらで話すわ。」
そう言ってシッシッと追い返すマリエ夫人。ヒドイ………
私はチラッとユリウス殿下とマーベルを見る。
どう伝えるべきか………
魔法も巧く使えるかしら?と思いながら頑張る私である。
「通信システムっというのは、解り易く言うと私の国から別の国へ一瞬で伝達する仕組みの事なの。電波、つまり雷みたいな稲妻を使う伝達方法よ。それで面倒くさいから私の知ってるモールス信号という物を使ってみようと思うの。確か通信システムも0・1の二進数だったんだもの。一緒よ一緒、わかんないけど、だってそんなの知る必要なかったんだもの!一体いつ使うのよ!!私一般人よ!!!」
意味もなく吠える私。最後の方はマリエ夫人に向かって。
「頑張ってリディアーヌ。私も一般人だったからごめん。無理だわ」
と言ってテヘペロをした。
無茶苦茶だわマリエ夫人。
そんな私達を交互に見るユリウス殿下とマーベル。
そして苦笑を浮かべるガウェイン殿下とギルバート侯爵。
騎士団長は遠い目をしている。
「リディアーヌわかる事からでいいから教えてくれ。そのモールス信号って何だ?」
ユリウス殿下がとにかく疑問に思った事を聞く。
「トンとツーで伝わるって話だったわ。伝達システムなのよ。トンツーだとAツートンだとBでトントンツーだとCという感じなんじゃない?それがこれで伝えていくのよ。広範囲はムリだから、所々に中継点が必要だったはずよ」
こんなのでわかるか??手には先程の怒りと混乱で簡単に魔法は使えました。
手にはバチバチと稲妻みたいなのが存在しています。
しかしトンツーって何だよ??言った本人が一番解っていない現実。
これを使って映像も写せとか、私無茶苦茶言いよる。
「ウウウゥ………ごめんなさい。ユリウス殿下。マーベル。」
何か泣けてくる。無理難題だと解ってるのに、大至急とか……
ホントごめん。
さっきまで自分の事棚に上げてぼろ糞言ってるし……
私の方がよっぽど役立たずじゃない!
「リディアーヌ大丈夫だから」
マーベルが抱きしめて、頭を撫でる。
ユリウス殿下も困った顔をし、優しく笑い言った。
「リディアーヌ俺達は天才だ。それだけの説明で、簡単に作って見せるさ。ただ手伝いが必要になるかもしれない。その雷、電波か?お願いするからよろしくな」
そう言って二人はニヤリと笑った。
ごめんなさい。頼りにしてるよ二人とも………
グスグス泣いていると、チヨちゃんがやってきて私に飴玉をくれた。
ありがとうチヨちゃん。
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【 マリエside 】
「しかしあれだな。精神的に追い詰められてる感じだな。」
確かにそうよ。ユリウス殿下もリディアーヌも泣いて………
あの二人は自尊心の強い子達なのよ。
マーベルも泣いたようだし………
許さないわ。私の可愛い子達を泣かせた代償はキッチリと頂くわ。
ガウェイン殿下はとても静かに3人を見ている。
私が見ていると目を合わせて笑った。
「僕は生まれた頃から王を目指す者。身体や生まれが幼くても、それを補ってくれる側近がいます。寄りかかる添え木はちゃんとあります。」
「そう、ならよかったわ。安心した」
ホント気概があっても、添え木、支えてくれる人は必要だ。
「実はまだ伝えていない事があります。ドラノア侯爵の件です。」
ガウェイン殿下はしっかり目を見て私達に言った。
「これは機密事項と言っていいでしょう。ドラノア侯爵は以前僕に言ったのです。」
『殿下どうか私どもに、決して近づかぬよう約束してください。
御身の為にも、何が起ころうともお願い致します。』
「そう言って僕にこれをくれたんだ。これは古の地の一族が作った魔道具結界の陣。何かあった時の為にってくれたんだ。3回使えるらしい。広範囲でね。」
そう言って猫の首輪らしき物を見せた。
「ドラノア侯爵はドラノア侯爵なりの方法で、この国を守っているんだと思うんだ。だから彼の邪魔だけはしないであげてね。」
それがガウェイン殿下の言いたい事だったらしい。
ねぇ、これを人は手詰まりっというじゃないかしら。
リディアーヌ、あなた達の気持ちが今凄くわかったわ。
ガウェイン殿下、扱いに困るわ。
ギルバートも騎士団長も、困惑気味な表情で途方に暮れていた。
私もでしょうね。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




