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【完結】最強王弟殿下の花嫁  作者: 瓊紗(旧:夕凪.com)


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転生者同士


―――その後数日をヴィーダーシュプルフ公爵領で過ごした。その間、神殿に変化があったようで。


神殿のステンドグラスには今まで女神さまが描かれていたのだが、女神さまと仲良く手をつないで歩く闇色の神の姿があったそうな。


何だか世界中で大騒動になっていることをゼーラさまに聞き、私たちも王都へ帰還することになった。


お世話になったゼーラさまやヴィーダーシュプルフ公爵邸のみなさんに手を振り、行きと同じように馬車でみんなで帰ることとなった。


「しかし、今聞いても不思議な話だな」

女神さまと魔神さまの邂逅についてはゼーラさまに話したのと同時にシーザーさんやお父さまたちにも話してある。同時に、アレンの出生についても。


なお、陛下のことは話してよいのかわからなかったので触れていない。


「でも、何だかそれを聞いて安心しました」

と、アレン。


「だって、何だか運命みたいじゃないですか。ザックさまとの出会いが」


「そうか」

そんなアレンの言葉にザカリィは静かに答えを返す。


「ん、団長はアレンがいないと生活能力がないもの。でも大丈夫。私とリューリさまもついている」

それは、フォローしているんだろうか。アリシア。


「しかし、大量討伐はなくなったとはいえ、魔物の討伐は定期的に続くのか」

と、お父さま。


「はい。それが世界に均衡だそうです」


「まぁ、いい。ロッホの大量討伐は、シュリュッセルにとっての重荷だった。属国どものなかでは、シュリュッセルこそが元凶ではないかと謳い、滅ぼす案をだすものもいた」

そんなお父さまの言葉に息を呑む。

むしろ、キドゥーシュが元凶だったのだが。

女神さまと魔神さまのなれそめと同時に、キドゥーシュが過去に働いた愚行も明らかになってしまった。今後キドゥーシュは教皇一族を廃し、帝国の皇族の直系が治めていくらしい。現在派遣されている叔父さまが皇帝陛下の皇子殿下を養子にとって後継者にするらしい。


既に叔父さまが教皇一族の間に設けた子女はある意味被害者だ。お父さま曰く、奥方さまとその子女は叔父さまが守ってくださるから大丈夫だと仰っていた。


「だが、帝国はシュリュッセルを買っている。だからこそその案は徹底的につぶした」


「どうして帝国はそこまでして」

シュリュッセルを守ってくれたのだろう。キドゥーシュが皇国だったころから。


「聖女や聖者が誕生する聖地だったのもあるが、確実にルビーノーグンだな」


「えっと、知らないところで暗躍していたのですか?」


「そうだな。話したことはなかったが。俺の母、リューリの祖母はかなりの力を帝国内で持っていたからな」


「そ、そうだったのですか!?」


「どうやら、隠れるのがうまい一族だったらしい。俺も戦場に隠れてたからな」

いや、めちゃくちゃ目立ってましたよ。戦神として。


「ま、ひとまず終わったのか」

「うん。まだまだ討伐はあるから、準備は整えないとだけど。私もお義姉さまと一緒にお母さまの研究についても勉強してみる」

「あぁ、そうか。俺も一緒に」

「うん、ありがとう、ザカリィ」


***


そうして王都に帰って来て数日。


私、ザカリィ、アレン、アリシア、お父さまは相変わらず陛下にもらったお屋敷で暮らしていたのだが。


ひょっこり陛下が来られた。


「へっ、陛下!?」


「そろそろお義兄さまでもいいんじゃないか?ゼフラだけずるいな」


「あ、では。お義兄さま?」


「うん、よろしい」


「あの、陛下はご存じだったんですか?」


「何を?」


「わ、私が転生者だったことです!」


「え?」


「知らなかったんですか?」


「初耳」

思わせぶりー。


「でも、陛下も転生者だったなんて。あの、もしかしてザカリィを助けてくれたのは【花と光の乙女】についてご存じだったからですか?」


「ん?何それ」

え―――。


***


お義兄さまに【花と光の乙女】の件を説明すれば。


「ふぅん、そう言うことだったか」


「あの偽聖女も多分知っていたのだと思います」


「似ていることも多いが、よくそれでマネっ子しようとしたもんだ。そんなことしなけりゃ、帝国で何十回も殺されなかっただろうに」


「えっ!?何ですかその話!」

ザカリィも生きてはいないと言っていたけれど。


「あぁ。あんまり詳しく話すとオーヴェにどつかれるからな。いろいろな瀕死の状態に陥らされながら、ヒーリング魔法を掛けられて復活し、また瀕死の状態に陥らせる罰を与えて、ってのを繰り返して“もう殺してくれ”とも言えなくなるまでいろんな殺し方を試したそうだぞ。今は完全に処刑されてる。家に蔓延っていた使用人どもは終身で犯罪奴隷な。多分みな長くない」


「そうですか。巻き込まれた方も。同情はしませんが」


「あぁ、しなくていい」


「でも、だったらどうしてザカリィを?」


「だって、王道で行ったら確実にフラグだろう?」


「あ、確かにそうかもしれません」

ゲームのことを知らずに、ザカリィのことをお義兄さまが助けたのならチート主人公の王道ルートかもしれない。


「ありがとうございます」


「ん?」


「お義兄さまが私とザカリィを出会わせてくれたんです」


「ははは、俺はきっかけしか与えてない。全てはザックの努力のたまものだ」


「それじゃぁ、私もそれに見合うように頑張らないといけませんね」


「はは、十分よくやってくれてるよ。ゼフラも機嫌がいいし。ザックも良く眠れているだろう?」


「そうですね。でも、本当は私もザカリィが隣にいないと落ち着かないんですよ」


「それは俺もだ」

そんな声が聞こえると、後ろから抱き着いてくるのはいつだって。


「ザカリィ?」


「兄上。リューリと抜け駆けするな。ずるい。義姉上にチクる」


「えぇっ!?何をチクる気だ!俺は何もしてない!」


「リューリと内緒話」


「うっ」


「あのね、ザカリィ。私とお義兄さまは転生者なの」

「ちょっ!?リューリちゃん!?」


「・・・恋愛小説にもあったな」

そうザカリィが頷く。あぁ、そうなんだ。こっちの恋愛小説にもそう言う設定があったんだ。


ちょっとひかれるかなとも思ったけれど。

ざまぁ展開に過敏になったザカリィの溺愛が悪化したのは、言うまでもない。


いやぁ、もうないと思うけどね?

だって、無事ハッピーエンドを迎えたんだから。


(完)



次は小ネタ集みたいなのをUPして完結です

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