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【完結】最強王弟殿下の花嫁  作者: 瓊紗(旧:夕凪.com)


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石板の記憶


北部遺跡群の星形の外郭には石造りの塀が高く積み上がっている。


「この石、何だかキラキラしていますね」


「あぁ、これは中に魔石が含まれているそうですよ」

と、今回ガイド役のアレンが教えてくれる。


「魔晶石と言うものとは別に結晶のようなものがちりばめられていて、周囲の魔素を吸収することで恒久的に働く防護魔法が編み込まれているそうです。装飾と言うよりも何かから守るためと言われているのですが、定かじゃないんですよ」

「この技術は今は既に失われているものでな。再現はできないんだ」

アレンの解説に、シーザーさんが補足してくれる。


「未知の技術なんだ」

金属で言えばダマスカス鋼のように作り方が分からない代物だ。因みにダマスカス鋼はこっちの世界にもあるけれど、製造方法に魔法の技術が必要なので地球では活かせなさそう。


しかし、何かから守るか。

何となく魔神の神殿を思い浮かべてしまう。


「魔神の神殿とは無関係なのですか?」


「それが不明なんです。文字のたぐいがまるで残っておらず。壁画ならあるのですが。その一部が史料館に保存されています。散策しながら行ってみましょうか」


「はいっ!」


外側を塀で囲まれているものの、中は公園のようになっており木々や植物も多い。ベンチや噴水などもあり、本当に領民の方々の憩いの場のような感じだ。


「あの崩れているような場所はなんですか?」

私はその中に何かの土台の跡のようなものを見つけた。どうやら円形に並んでいるようだ。


「あぁ、あれは塔があったころの名残だな」

そう、シーザーさんが教えてくれる。石塀に囲まれた中に建てられていた塔?


「他の星形の遺跡にもあるもので現在は土台しか残っていないんですよ。こちらの塔の跡には入っても大丈夫ですよ。ベンチ代わりに土台に座ってもOKです」

わぁ、北部すごい大盤振る舞い!いや、むしろそれだけ憩いの場として解放されているんだろうか。


土台の跡といっても高さはひざ丈くらいで、確かに座りやすそうだ。


「中央に何かがありますね」


「えぇ、塔の跡から見つかったものですが、これも不思議な素材でできています」

「え、そんな不思議な素材のものを野ざらしに!?」

てか、誰でも触れる状態にしているのか。


「え?石塀もそうでしょう?」

確かにそうだけど!


アレンが示したものは何やら石板のようだ。何か模様が描いてあるようだが風化していてよくわからない。


「あと、重くて誰も持ち上げられないんです」


「ザカリィにも無理なの?」


「む?そうだな」

ザカリィが石板に手をかざせば、わずかにぐらぐらと動く。


「わぁっ、すごい!」


「うむ、これなら破壊したほうが楽だな」


「いや、さすがにそれはよしてくれ!!」

開放されているとはいえ、重要史跡の破壊はさすがにダメらしい。シーザーさんに止められてしまった。


「私も持ってみようかな」


ずこっ


―――ん?抜けた?


『え―――っっ!!?』

みんなの声が響いた途端、頭に不意に声が溢れてきた。


―――リヒュィテラドゥンケルリリベラ


―――リヒュィテリリベラリヒュィテロキドュシュエルレセル


―――ドゥンケルロヘルツトドゥンケルエルレセルロフェアニヒトンギ


―――ドゥンケルロヘルツロシュナイデ


―――エデルシュタイニロッホニズィーゲレルビーノーグンラツォルニキドゥシュエルレセルロフェアドライブナ


―――リヒュィテエルレセルロッホニガルディアンロ


―――ドゥンケルラツォルニカンプフ


―――リヒュィテテッサロゲシェンカ


―――ドゥンケルロツォルノレークヴェイムルービノーグンロラントロゼーラ


一気に流れてくる膨大な声。


そして最後にはまたあの言葉。


―魔神の哀しみを鎮めるために与えられたルービノーグンの地に赦しを―


「い、今のは」


ストンッ


気が付けば石板は再び地面に埋まっていた。


「リューリ!どうした!?何があった、コイツを破壊するか!」

「いや、やめろ!」

ザカリィが私を勢いよく抱き寄せ、そしてその破壊願望をシーザーさんが慌てて止めていた。


「も、もう一度」

持とうとしても、石板は動かなかった。


「ど、どういうこと?」


「一体何があったんだ?」

お父さまも私に寄り添って心配そうに顔を覗いてきた。


「あ、えと。頭の中に声が響いて」


「声?」


「でも、早口で」

せめてもう少しゆっくり教えて欲しかった。


けど、何となくニュアンスはわかるような?


私はザカリィの腕に抱きしめながらザカリィ顔をまじまじと見る。


「リューリ?」

するりと腕をザカリィの腕の中から抜き出せば、何となく残念そうな表情を漏らす。


―――大丈夫。


なでなで。なでなで。


「え?」


なでなで。


「リューリ?」

ザカリィが不思議そうに首を傾げる。


「うん。何となく」


「なら、お返しだ」

ザカリィが私を更にきゅぅっと抱きしめて、私の髪を優しく撫でる。


何だか妙に安心してしまった。

私もザカリィの添い寝がないと寝られない性質になったとか?いやいや、まさか。冗談だ。




※本日の更新はここまでです(''◇'')ゞまた明日お会いしましょう(=^・・^=)※

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