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【完結】最強王弟殿下の花嫁  作者: 瓊紗(旧:夕凪.com)


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ラスボスの通り道

※流血描写がありますのでご注意ください(;゜Д゜)

※セリフが病んでおります(;゜Д゜)

※あらすじ加筆しました(/・ω・)/



私をお姫さま抱っこしたまま、ザカリィはさくさくと屋敷内を進んでいく。あらゆる扉が自動ドアのように魔法で開け放たれていくさまはなかなか爽快である。


「あ、あの。ザカリィ。私はっ」


「どうした、リューリ」

ザカリィを見上げれば、ザカリィが私の伸びっきりの前髪の上から口づけをしてくる。ひぇ~~~っ!?な、なにこれ!何この状況!?


「あぅ、髪、洗ってないから。汚いよっ!」

何日かわからないけれどずっと寝込んでいたし、体を洗うとしても屋敷の庭の池から水をんできて水浴び程度しかしていない。


「リューリは汚くなんてない。リューリは全てが尊い」

何そのキラキラセリフ。原作のラスボス・ザカリィの残忍な笑みの面影などどこにもない。まさに完璧爽やかクールイケメンっ!!何これぇ~~~っ!!!


「あ、ザカリィ、1階はまずいの!」

1階にはダイニングルームやリビングルーム、サロンなどがある。そこには恐らく寄生虫一家がいるはずだ。それに使用人たちも。


―――その時だった。


「だ、誰だ貴様は!それに、その小娘はっ!」

げぇっ。案の定、そこには寄生虫その1、リチャード・オックスがいた。無駄にイケメンなオックス子爵家次男のその男は今日も今日とて美人のメイドたちを引き連れている。そう言えば、使用人たちに毛嫌いされてきた私だけど、いつの間にかベテラン勢がいなくなっている気が。近頃は見ない顔も増えた気がするし。

ははぁ、そういうことか。コイツ、自分の好みの女を屋敷で雇って迎え入れていたってことね。


「えぇいっ!コイツをひっとらえろ!」

リチャード・オックスが叫ぶと、屋敷の執事や護衛騎士たちがこぞってやってくる。そう言えば、コイツラもまぁまぁ顔がいいな。まさかユーフェミアとその母親の好みで選んだのか?熟練者もいないようだし。ま、ザカリィが一番イケメンだけどねー・・・って、そこじゃないっ!ザカリィはラスボス!私の破滅フラグを招くひと、なはずなのに、何だか助けられて。嫁に、するみたいな?


状況を整理しないといけないのにっ!あぁ、次から次へと。それに多勢に無勢。ラスボスのザカリィとはいえ、いくら何でも・・・


「どけ、じゃまだ」


―――へ?


今、信じられないほど地を這うような低い声が響いた?でもそれはアニメで聞いたザカリィの声にそっくりで。


その瞬間周りに黒いバチバチという電流のようなものが現れて、一瞬にして周囲のひとたちに襲い掛かった。そして現場は阿鼻叫喚の渦に呑まれたっ!


血が、血が流れている。


泣いて助けを求めているメイドたち。


腹から血を出してうなっている寄生虫その1。


完全に戦意喪失し泣きわめく哀れな執事や護衛たち。


「あ、あの。ザカリィ!やりすぎなんじゃ」


「何が?」

きょとーん。


一体何を言っているのかわからないというようにザカリィが首を傾げる。先ほどの冷たい声を放った冷淡な表情とは打って変わり、何故か私に熱い視線を送ってくるのだが。


「し、死なない、よね?」


「あぁ」

よ、よかったぁ~。それにこの家には聖女がいるんだし!平気だよね!


「本当は殺した方が楽だが、兄上が殺すなと言うので殺さないでおく」

思想が全然平気じゃなかったぁ―――。

てか、殺す前提だったの!?お兄さんがそう言わなきゃ殺すつもりだったのかこのひと!!魔物の討伐に出ていたとはいえ考え方が物騒すぎるっ!!

てか、お兄さん?それってもしかして“英雄王陛下”のことかな?


そうしているうちにも、唸り、泣き、喚く寄生虫たちの間をすたすたと歩き、抜けていくザカリィ。えっと、このままザカリィの腕の中に納まっていてもいいんだろうか?


「お待ちなさい!悪女、そして魔王!」

きゃぴきゃぴした少女の声が響いたと思えば、そこには金色のゆるふわヘアーにぱっつん前髪、そして青いぱっちりお目目の美少女がいた。頭にはティアラのようなシルバーのカチューシャを付けており、その真ん中にはエメラルドの宝石がはめられている。更には耳には真珠の耳飾り、豪華なピンク色のドレスを着ていた。

出た、聖女・ユーフェミア。確か原作でもあぁいったお姫さま風の格好だったけれど、今の寄生虫生態を加味して考えると彼女の格好は異常である。

だって、不正に家を乗っ取った寄生虫聖女が私の家で着飾ってるんだから。私は着古したワンピースしか着ていないのに。


その後ろには、ユーフェミアにそっくりな母親や、聖女ハーレムのイケメン執事や護衛騎士たちが勢ぞろいしている。

あ、もちろんザカリィの方がイケメンだけど!


てか、先ほどユーフェミアは私のことはともかく、ザカリィを“魔王”と呼んだ?それは原作でザカリィが最終的なラスボスとして君臨した時に使われる呼称。

王弟殿下にそんな呼称は、少なくとも1年前まではなかったはずだ。それとも今回の“いくさ”で活躍してそういう二つ名がついたとか?いやいや、まさか。


だとしたら、ユーフェミアはまさか。


「あなたは聖女である私にはかなわない!」

何か聞いたことのあるようなセリフ。


「覚悟しなさい!悪女!」

まずいまずいまずい!ユーフェミアが両手をこちらに向けて聖なる光っぽいの放ち始めたぁ―――っ!!!確か序盤のザカリィはあの光魔法に驚いて悪役の私の背後から退散するはずっ!


「ザカリィ、危なっ」

そう、言いかけた時だった。


「どけ」

再び地を這うような声と共に、ザカリィの表情が凍る。ひええぇっ!?アニメのラスボス顔よりこっええぇ~っ!!


―――そして、黒い稲妻が円をえがくように広がっていく。


『きゃああああぁぁぁぁぁっっ!!!』


再びの、阿鼻叫喚。


聖女は壁に激突して血を流し、その母もぐったりと床に倒れ、周りのハーレムたちも血を流しながらうめいている。

ぐぁ。や、やっぱりやりすぎぃ―――っ!!


「あぁ、殺したい。せっかくのリューリとの時間を邪魔された。殺したい殺したい殺したい」

やああぁぁぁぁ―――っ!!!何か恐ろし気な呪文を唱えてる―――っ!!!

※マネしちゃだめだぞっ☆


「でも、兄上に怒られるから行こうか」


「え?あぁ、うん」

ザカリィは瀕死の聖女たちをものともせずすたすたと屋敷内を進んでいく。

そして屋敷の入口の扉が開け放たれれば。

そこには騎士の格好をしたひとたちがずらりと並んでいた。


―――あの、まさかいきなりしょっ引かれる~~~っ!!?



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