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【完結】最強王弟殿下の花嫁  作者: 瓊紗(旧:夕凪.com)


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アレンの異変


―――魔物の血を引いている魔法使いのアレンは、物語のヒロインである聖女・ユーフェミアたちと旅をしつつも、その身が魔物の血にむしばまれていくことを悟っていた。


聖女・ユーフェミアたちの旅は長きにわたり、ラスボス・ザカリィとの決戦を終えた頃には丸2年が経過していた。


そしてそのラスボスとの戦いに勝利して凱旋帰国した彼らに待ち受けていたのは。


―――アレンの魔物化。


それ故にアレンは、第2の魔王になることを恐れた。


そして聖女の手で命をつことを選んだのだ。


***


いくさが始まり、ザカリィたちが戦果を挙げて凱旋帰国するまで約2年。


それはアレンが魔物討伐に参加し、本格的に魔物化が進む展開とも奇妙にも一致している。原作で最期はアレンは自死を選ぶ。だから、アレンを救う方法が私にはわからない。


しかし、それならザカリィは何故平気なのだろう?

ザカリィもラスボスの魔王として、その力を徐々に増幅して行き、魔物化は進むというかもう最終形態にまで移行していたはず。

まぁ、顔は相変わらずイケメンだったけども。


―――そうだ。ザカリィだ。その魔物の力を抑え込む方法があったはず。一つは魔物の弱点となる聖魔法。聖女や神官たちが扱う特殊な光魔法のことだ。

因みにこの世界では、聖魔法は魔物の弱点としては使えない。一部それを信じる神官なども、キドゥーシュの一部にあると言われている。


それをいている第1人者がキドゥーシュの教皇だったはず。だったら教皇自らが出陣して魔物討伐して来いと私は言いたい限りだが。20年前は陛下と神官長さまも実際に民のため、国のために出陣しているのだから。


以前神官長さまにもちらっと聞いたのだが、聖魔法にはそのような力はないらしい。あくまでも高位なヒーリング魔法だ。アリシアも共に討伐団として最前線に赴いた以上は使えるそうだ。


そして魔物と戦う時はあくまでも討伐団のみんなと同じく魔法や武器で戦うしかない。

アリシアもばっさばっさと魔物を斬りながらヒーリング魔法を付与していたというのだから本当にすごい。


―――だからこそ、この状況を救うのは聖魔法ではない。


それははっきりと言える。


ならば方法はもうひとつ。原作の主人公であり、勇者エルンストことエルン。


「アレン、ここで待っていて!」


「ダメです!リューリさま!ここをひとりで離れては!」

アレンが苦しそうに顔を上げる。顔の左半分には、赤い亀裂のようなものが走っている。魔物化の初期症状!アレンもその症状のためにローブを深くかぶりやがては仮面を付けた。


「でも、アレンが!」


「ここにはキドゥーシュのやつらもいます!」


「ここに来るとは限らないよ!」

それに、教皇はザカリィに興味を示していた。本来ならば、パーティー会場に戻ったザカリィに接触するはずでは!?


バタンと扉を開ければ、そこにはこちらに向かってくる団員さんがいた。


「あ、リューリさま!アレンの応援に来ましたよ!俺も万が一に備えて見張りを」


「お願い!アレンが大変なの!」

私は彼の騎士服をぐわっと掴んで叫んだ。


「アレンが!?一体何が!?」


「ダメもとでいいから、エルンストを呼んできてくれない!?」


「エルンスト!?何で、呼ぶなら神官をっ」


「エルンストは、赤髪に翡翠色の瞳をしていない!?」


「え、確かにそうですけど」

マジかっ!これはもし偶然だとしても賭けるしかない!


「わかりました。呼んできます!それまでアレンを!」


「もちろんです!」

脱兎のごとく走り去った彼を見送り、再びアレンに寄り添う。


「アレン!」


「な、なん、で。エル、を?」


「今はいいから、とにかく横になって!」


「あ、リューリさっ」

アレンの言葉がそこで途切れる。


―――いや、途切れたのは私の意識だ。



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