表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】最強王弟殿下の花嫁  作者: 瓊紗(旧:夕凪.com)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/54

長い1日の終わり


―――寝室


「リューリ。明日もずっと一緒にいたいが」

「事後処理が残っているんでしょう?私のことは気にせず、お仕事頑張って。副団長さんも大変そうだし」

「やはりせっかくリューリと再会できたのに、また離れ離れになるなど嫌だ!!」

話聞いてたー?

ザカリィがベッドに腰掛けながら、隣に腰掛けた私を熱烈的にぎゅむっと抱きしめてくる。いや離れ離れと言っても、同じ城の中で事務仕事をこなすだけなのだが。

戦地に行くわけでもないし、反乱を鎮めに行くわけでもない。むしろ団長のザカリィが行かないと副団長さんが大変なのでは?


「団長はいつもリューリさまのことしか見えていないから」

「もう少し副団長をいたわって差し上げてはどうです?」

ほら!部下からも言われてるけど、ザカリィっ!!

ザカリィにもっと周りを気にしてもらう手立てはないのだろうか。やはり王妃であるお義姉さましかいないのだろうか。そういう面では副団長さん、やっぱりすごい。このザカリィの副官なだけあるわぁ~。


「ふん、貴様がいなくともリューリには俺がいる。お前はとっとと事務処理してこい」


「んなっ!?さては俺がいぬまにリューリと知らない会話をしたり、触れ合う気か。戦神!」

ザカリィが私から視線を外してくわっとお父さまを見やる。

あ、もうひとつ手があった。お父さまだお父さま。ザカリィは割とお父さまの言葉には耳を傾ける!


「おのれ!貴様とは一度一対一で白黒はっきりつけたいと思っていた!」

「ふん、いいだろう。コテンパンに叩きのめしてくれるわっ!小僧!」

いやいやいや、耳を傾けるってか完全にケンカ腰!

まぁ、ラスボス・ザカリィに実力で“叩きのめす”なんて言えるのは、多分お父さまくらいなんだろうけども。


「あの、仲良くしましょう、ふたりとも。あと眠いのでさっさと寝たいです」


『・・・』


「よいしょっと。お父さまも帝国から来られてお疲れでしょう?おやすみなさい。あ、アリシアとリッターさまもおやすみ」

そう言って私は毛布と掛布団を被った。


『・・・』

周りに沈黙が流れる。


「俺はもう休むが、新婚だからとはいえ変な気を起こすなよ」

「貴様こそ」


「では、我々も失礼します」

「何かあればお呼びください」

そうしてみんな粛々と解散していった。

ふぅ、何とか場を治めることができたようだ。いや、いいのかこの強制終了。まさにコンピューターの強制終了のごとき荒業。しかしやり過ぎると効果が薄れるので連続して使えないのが難点かも。

そうして静かになるザカリィの寝室。

部屋の灯りが落ち、ベッドスタンドのほのかな灯りが私の枕元に届く。

そして静かにザカリィがもぞもぞと布団の中へと入ってくるのが分かった。


「リューリ」


「ザカリィ?」

振り返れば、すぐ側にザカリィの顔がある。


「昔、夢の中でこうしてずっと側にいてくれたことがあるな」

ザカリィの手が私の頬にそっと添えられる。


「うん、そうだね」

その手に自然と重なる私の手。


「今こうして、現実でリューリに触れられることがとても幸せだ」


「私も、幸せだよ。ザカリィ」

胸の中があったかくなって、今までの寂しさも悲しさも満たされていくようで。


「今まで心細い思いをさせただろう」

「ザカリィだって」

私の側にいるために修業までして、戦場で武勲をたて、そして約束通り迎えに来てくれた。


「これからはずっと一緒だ」

そう言って、ザカリィが自身の腕の中で私を抱きしめてくれる。この人肌の温もりが、とても懐かしく心地よい。

こういう時って心臓がバクバクするものじゃなかったっけ。それでも何故か、この温もりの中にずっといたいようなそんな気持ちが強くって。


「でも、お仕事はちゃんと行ってね」

そう、ここはしっかりと推しておかないと。


「リューリは俺といられなくてもいいのか」

いや、そんな悲し気な顔をしないでっ!!


「そりゃぁ一緒にいたいけれど、そのためにしなきゃいけないことはしないと。私もザカリィと離れている時間、ザカリィと一緒にいられるために頑張るから」


「やっとリューリをこの腕の中で抱きしめられるのに」


「ザカリィとその気持ちが同じなら、大丈夫」


「リューリも思ってくれるのか。俺とずっと一緒にいたいと」


「うん、もちろん」

むしろ、それ以外の選択肢なんてない気がする。原作ではラスボスに利用されてほぼ死んで来いというような刑罰を受けるはずだった私が、ザカリィとずっと一緒にいられる未来を選べるのなら、選んでみたい。


「ずっと一緒にいたい」


「俺もだ、リューリ」

大好きだった原作のラスボスは思っていたよりも寂しがり屋で情熱的で、たまに病んでるけどかっこよくて優しくて。原作以上に、いや、原作ではないこの世界のザカリィがいつの間にか大好きになっていた。


ただ、抱き寄せられるその心地よさに身を任せながら、いろいろあり過ぎた長い長い1日が終わり、ぐっすりと寝入ってしまったのは言うまでもない。




リューリ「何だかもう一週間くらい経過していそうな感覚が」

ザカリィ「違ったか?」

キララ「ザカリィたち大丈夫?」

副団長「俺はもう10年くらいけた気がする」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ