表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】最強王弟殿下の花嫁  作者: 瓊紗(旧:夕凪.com)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/54

ラスボスVS戦神


「リューリは既に俺の妻だ。今夜は一緒に寝ると約束している!」

「ほぅ?こんのガキが。戦場から帰ってきていきなりこの俺に生意気な口を叩くとはいい度胸だ」


あぁ、何かすごいことになってる―――。


「あの、これどうしましょう」

傍らに控えるアレンとアリシアを見やれば。


「さすがに、団長と戦神さまが相手では俺たちには止められませんね」

「あのふたり、魔物ぶっ飛ばしながらもやってたし」

と、アレンとアリシア。

さすがに戦場ではと思ってはいたのだが、まさかの討伐しながらの口論。


「あ、でもちゃんと討伐はしてましたよ」

と、アレンが付け加えてくれる。いや、確かにそうだろうけども。


「どうやらこの手で決着をつけるしかないようだな、ガキ」

「いい度胸だ戦神。いつかはこの手でほふりたいと思っていた」

いやいやいや、待て待て待てっ!!本気でやる気か!?このひとら!


「ちょっと待って!お父さま」


「リューリ!俺よりも戦神を取るのか!やはり戦神は殺す!リューリが俺よりも気にかけるなんて耐えられるか!」

何故そうなる!それに・・・


「お父さまは殺しちゃダメっ!」

せっかく会えたのに!


「リューリ!」

いや、そんな絶望に打ちひしがれたような表情しないでっ!


「ほぅ?お前に俺が、やれるのか?」

「やってやろう、戦神っ!」

そしてまた元通り。


「あの、お父さま。ザカリィはひとに添い寝してもらわないと寝られないので」


「・・・」

「そうだ!戦神!」

何だか呆れ顔のお父さまと、胸を張って答えるザカリィ。何だろう、この温度差。


「お前・・・。まぁ、いい。取り敢えず座れ」

何だか急に諦めたらしいお父さまが、私をソファーに座らせ自身も隣に座る。しかし負けじとその逆隣にザカリィが座り、私の腰を掴んでぎゅぅっと抱き寄せる。


「ガキ、この俺の前でいい度胸だ」

そして反対側からお父さまが私をぎゅぅっと抱き寄せてくる。


「リューリを放せ!戦神!あとリューリに触れるな!」

「娘に触れて何が悪い!貴様こそ触れるなガキ!」

まぁたこのふたりは。てか私の腰が双方から引っ張られてちょっとヤバいんだけど。


「あの、どっちか肩にしてくれませんか」

せめて場所を別々に。


ぐわっしり。


ひぇー。


途端にふたりとも私の肩に腕を伸ばす。


「は~な~せぇ~っ!」

「お前こそ放せ、ガキがっ!」

ダメだこのふたりー。神官長さまを是非呼びたいところだけど、何やら陛下と話があるようで席を外しているし。ここは王妃さま?いや、それほど親しい間柄でもないわけだし。


「おふたりとも」

そこで、アリシアが口を開く。アリシア!アリシアこそ私の救世主かも!


「女性へのボディタッチは力を入れずに添えるようにしてください」

そこ―――っ!?そこなの!?確かにそこは大事だけども!


『・・・』

途端に黙るふたり。そして圧が軽くなった。


あぁ、今ではふたり仲良く私の腰の両側に腕を回し軽く添えるようにして抱き寄せている。抱き寄せられているのは変わらないけれど、さっきよりは断然、楽っ!!


「それで、お父さま」


「何だ、リューリ。今までこうして話せなかったことも多い。なんでも聞いていい。欲しいものがあれば何でも言うといい。属国ひとつくらいは買える資産はある」

いや、属国のひとつくらいってお父さま!どんだけ資産貯めてるんですか!まさかシュリュッセル王国、買ってないですよね?


「リューリ、何故俺よりも先に戦神に話しかけるんだ!俺の方を見ろ。戦神と話すことなど何もない!」

そこかー。イケメンキラキラオーラ満開なんだけれど、発言の内容がぁ~。


「ザカリィとは夜も話せるでしょう?添い寝するんだから」

と告げれば、ザカリィの表情がぱあぁぁっと明るくなりめちゃくちゃキラキラオーラで微笑んでくれる。

対するお父さまから放たれる冷気が強くなったのは気のせいだろうか。


「ザカリィとのお話は夜にして、話を元に戻しますが。帝国の守護神たるお父さまがシュリュッセル王国に常駐しても大丈夫なのですか?」

今までは帝国の守護神・戦神として戦場を駆けてきたお父さま。何故急にその任から解き放たれ、属国での地位を築くことを許されたのか。それが疑問である。

まぁ、私のことを公にしてこなかったのは、私の存在が公になれば私はこのままシュリュッセル王国でお母さまと暮らすことができなくなるし、皇帝陛下の姪っ子と言えど皇位継承問題とも切り離せなくなる。最悪帝国に連れて行かれることもあっただろう。

だから私の存在を隠し、お母さまと一緒にシュリュッセル王国で暮らせるようにしてくださったのだろうけど。

帝国の守護神が帝国から離れても大丈夫なのだろうか。そこが一番の気がかりである。


「俺のような古参がずっと居座るわけにもいかないし、帝国には他にも猛者はいる。それに帝国から打診があれば俺が出陣することもあり得る。英雄王ラーシュやそこのガキのようにな」

お父さまったら、またザカリィを“ガキ”だなんて。何だろうこのふたり。一応ケンカするほど仲がいい部類に入れていいのだろうか。うん、迷う。


「だが、一番の目的は・・・」

一番の目的?


「ザック、俺が言った言葉を忘れたか?」

と、お父さまがザカリィを見やる。

お父さまが初めてザカリィを愛称で呼んだ。


「俺はリューリのこと以外には興味がない!」

いや豪語しないで。その他にも大事な伏線がたくさんあったでしょう!?それ放置すると後々大変なことになるんだから!!


「俺がこのシュリュッセル王国に常駐、いや、このシュリュッセル王国籍になることの一番の目的は、お前の監視だ」

お父さまがザカリィを監視?どう言うことだろう?


「以前よりお前の存在は帝国にとってもその他属国諸外国にとっても恐怖の象徴、忌み子、禁忌の存在だ。今回のいくさでそれが広く知られるようになったのと、帝国の大神殿からの予言もあって、お前を帝国も監視したがっている」


「ちょっ、お父さま。ザカリィは国や、多くの民を守るために戦ったんですよ?」

「俺はリューリと一緒になるためだけに戦った」

いや、ザカリィ。今はそれはいいから。


「心配しなくても、団長が突っ走っていた間の周囲のことは私たちがフォローしたから」

「仲間や民はきっちり守りましたよ」

うぅ、フォローありがとうアリシア、アレン。

ザカリィが熱烈的に真っすぐすぎて何だか逆に不安になってきた。


「確かに、ザックは英雄王ラーシュに並ぶだけの戦いをした。いや、それ以上の戦いだ。期間も英雄王の2分の一、そして貴様の団は全ての団員が無事に生還している」

魔物の大規模討伐で全団員が無事に生還・・・

それはまさに奇跡と言っていい。20年前の被害は特に酷かったと聞く。


「だが、お前の力は脅威だ。魔物の血を引き、魔物以上の力を持つ。その力を大神殿は“魔王の再来”と告げた」

ま、魔王の再来!?てことは、過去にも魔王がいたことになるのだけどそこら辺の知識については原作からも拾うことはできないし、習ったこともない。シュリュッセル王国では知られていない帝国の歴史があるってこと?


「本来ならば、お前は帝国に連れて行かれて軟禁されることになる」


「そんなっ!ザカリィがっ!」

国のために、帝国やそのほかの属国のために、多くの民のために戦ったのに軟禁だなんて。


「まぁ、待て。リューリ。さすがに皇帝陛下も英雄王ラーシュ神官長ルークの弟に“魔王の再来”のきざしを掴んだからと言って、無理矢理帝国に連れ去り軟禁するようなことを命じたりはしない」

そう、お父さまが冷静に仰ってくれた。


英雄王ラーシュ神官長ルークは帝国も認めた英雄と聖者。無理矢理ザックを予言があったからと軟禁すれば、聖女や聖者の産まれやすいシュリュッセル王国が帝国から離反する恐れもある。それは帝国も望んでいない」

シュリュッセル王国は聖女や聖者が産まれやすい?確かに神官長さまも聖者だし、捕らえられたユーフェミアも聖女の力を持っていた。20年前も聖女がいたというし、シュリュッセル王国は聖女や聖者に恵まれているってこと?


「だからこそ、戦神たる俺をザックの監視として派遣することを皇帝陛下が命じた。あと、それにかこつけていろいろと要求は通したが」

それで、お父さまが帝国の守護神・戦神ながらシュリュッセル王国に来ることができたってことか。そしてその色々な要求って、完全にシュリュッセル王国籍や王国での地位や私のことだよね?―――いや、もう完全に。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ