第2章第35話
期末テストが終わった放課後。
紬は電車に揺られて、初めて降りた駅の地下街を琉衣と腕を組みながら、ブラブラと歩いていた。
ちなみに、この駅は琉衣の地元だ。
「寒くない? 紬ちゃん」
「うん、こうしてれば暖かいから……っ」
紬は、わざと自分の胸を琉衣の腕にむにゅっと押し当てて、さらに密着させた。
「テスト中は部活が休みで良かったよ。こうして紬ちゃんと会えるしね」
「私も琉衣くんと会えてすごく嬉しいです。ふふ」
紬は心底嬉しそうに微笑んだ。
吸い込まれるように、二人はゲームセンターへと足を向ける。
琉衣はクレーンゲームの前まで行くと紬に尋ねた。
「紬ちゃん。何か欲しいものある?」
「うーん、あのキーホルダーが欲しいなぁ」
紬が指さしたのは、夢の国のキャラをモチーフにしたマスコット・キーホルダーだ。
「任せてよ。必ずゲットするから」
琉衣は爽やかな笑顔を見せると、ゲームを開始する。
すると、ほんの数十秒でキーホルダーを吊り上げてみせた。
「すごい! 琉衣くんって何でもできるんだね」
「そんなことないよ。ははっ」
「バスケ部のエースだし、勉強も出来るじゃないですか。ふふ」
それに家も裕福だし、とそんな心の声は口に出さず、紬はそっと胸の奥にしまっておいた。
琉衣は見た目も真面目で清潔感があり、背も一馬くんより高い。
まるで一馬くんと文弥くんを足して二で割ったような感じだ。
「はい、どうぞ。紬ちゃん」
琉衣はキーホルダーを紬に手渡した。
「ありがとう。大事にするね」
キーホルダーを受け取りながら、紬はどこか妖艶な笑みを浮かべる。
「次は何やろうか?」
「私、二人でプリクラ撮りたい」
「わかった。あっちだね。行こう」
プリクラコーナーへと歩みを進める二人。
しばらく夢中で遊んだあと外に出ると、街はすっかり夕日に染まっていた。
「ねえ、少し僕の家へ寄っていかない?」
「え? いいの?」
「うん、紬ちゃんなら大歓迎だよ」
「本当!? 行く。行く。」
紬は嬉しそうに声を弾ませた。
琉衣が住むタワーマンションは駅と直結しているため、地下街から直接行ける作りになっていた。
二人で歩くこと約八分、琉衣が住むタワーマンションのエントランスへと着いた。
エレベーターに乗り、琉衣が住む高層階へと向かう。
マンションのリビングに入ると、中学生くらいの女の子がソファに座っていた。
「あれ? 美月。いたのか」
「おかえりなさい。兄さん。さっき帰ってきたところです」
「そっか、あ、この方は僕の友達の槙原紬さんだ」
「よろしくお願いします」
「妹の美月です。よろしくお願いします」
美月はソファから立ち上がり、頭をペコリと下げると、何か哀れむような瞳で紬を見つめていた。
しかし、琉衣の家に来て浮かれていた紬は、それに気づかなかった。
「じゃあ、僕の部屋に案内するよ」
「は、はい」
琉衣に案内され部屋の中に入ると、壁一面に広がる大きな窓に、洗練されたモダンな空間。
まるで、高級ホテルの一室みたいな部屋だった。
紬がポカンとしていると、琉衣が背中から抱きしめてきた。
「る、琉衣くん?」
「いいだろう。紬ちゃん。君のことが好きなんだ」
耳元で囁かれ、紬がうっとりと目を閉じると、琉衣は横顔を覗き込むようにして唇を重ねてきた。
「……ん……ん……っ」
琉衣は熱い吐息とともに、深く唇を割って侵入させてきた。
お互いを求めるように夢中で舌を絡め合う二人。
次第に二人の息が荒くなり、吸い寄せられるようにベッドへと雪崩れ込んだ。
琉衣が紬の服を丁寧に脱がせていくと、やがて下着姿の紬が露わになった。
そして下着も脱がすと、紬の二つのふくらみを慣れた手つきで優しく愛撫する。
硬くなっていく彼女の先端を口に含むと、舌で丁寧に刺激を与えていく。
「……んん……ん……うっ……っ」
紬の顔が徐々に赤らんでいき、甘い吐息を漏らし始めた。
琉衣は濡れている紬のショーツを脱がせると、彼の手が彼女の秘部に触れた。
指で丁寧に愛撫をしながら、二人は再び唇を重ね合った。
深い口づけが合図のように、二人は激しく身体を重ね合うのだった。
紬はまた欲望に身を任せてしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
母親と初音と三人で晩御飯を食べ終えた文弥は、彼女を家まで送り届けた。
「いつもありがとうございます。文弥くん」
「気にしなくていいよ。夜遅くに初音を一人で歩かせるわけにはいかないからね」
「文弥くんがいてくれるから安心だね。ふふ」
「初音は可愛いから、変な人たちに狙われるかもしれないしね」
「か、可愛いかな!? 嬉しいけど恥ずかしい! えへへ」
「初音は可愛いよ」
「……文弥くん」
文弥が優しい目で初音を見つめると、彼女は自然と瞳を閉じた。
そして、二人はそっと唇を重ねていく。
「あらあら、相変わらずラブラブね。ふふ」
二人が慌てて身体を離して横に目をやると、初音の母親の薫子がイタズラな笑みを浮かべて立っていた。
「お母さん! 何でここにいるの!」
「何でって、ここは私の住んでるマンションの前だけど。ちょっと買い忘れたものがあってコンビニに行ってたのよ」
「……こんばんは。薫子さん」
「こんばんは。文弥くん。家に上がっていきなさいよ」
「……いえ、今日はもう遅いので帰ります」
「気にしないでいいから。ふふっ」
薫子に腕を引っ張られ、無理やり連れていかれる文弥だった。
文弥は初音の部屋に入ると、ベッドへと腰を落とした。
初音は制服から部屋着へと着替えている。
「お母さんが強引で、ごめんなさい」
「気にしないでいいから。ははっ」
部屋着へと着替え終わった初音が、文弥の隣にちょこんと腰掛けた。
すると、部屋のドアのノックとともに薫子が入ってきた。
「ジュースとお菓子持ってきたわよ」
「ありがとうございます。お構いなく」
「お父さんは今日は帰ってこないし、私も少し外へ飲みに行ってくるから、二人きりでご自由にどうぞ。初音をよろしくね。文弥くん」
意味深な笑みを浮かべながら、薫子は去っていった。
「ねえ、文弥くん?」
初音が上目遣いで、文弥をじっと見つめた。
「なんだい? 初音?」
「さっきの続きがしたいなぁ」
そう言うと初音はゆっくりと目を閉じた。
文弥は彼女の柔らかい唇に、そっと口づけを落とした。
すると、初音が積極的に舌を滑らせてきた。
それに応えるように、文弥も深く熱い口づけを交わす。
「……文弥くん」
唇をゆっくり離すと、初音はとろんとした瞳で文弥を見つめている。
文弥は再び口づけを重ねながら、服の下に手を忍ばせ、彼女の豊かで柔らかいふくらみを優しい手つきで揉み解す。
そして、可愛く主張する突起に指を這わせ、丁寧に愛撫していく。
「……ん……んん……気持ちいい……っ」
さらに文弥は初音の首筋にキスを落とした。
「……私、お風呂まだだから、臭かったら恥ずかしい」
初音はもじもじしながら、恥ずかしそうに照れている
「気にしなくていいよ。僕は初音の香りは大好きだよ」
文弥は優しい笑顔で静かに答える。
初音は彼の言葉に安堵の表情を浮かべた。
二人は急いで服を脱ぐと、初音が文弥の膨張する股間に手を滑らせそっと握った。
「文弥くんのここ、すごく温かいね。えへへ」
文弥も初音の濡れ始めた秘部へと手を伸ばし、そっと指で触れる。
「初音のはびしょびしょだね」
「……は、恥ずかしいこと言わないで」
二人でお互いの愛を確認するような愛撫を続けると、やがて絶頂が込み上げてきた。
理性の限界を迎えた二人はどちらからともなく見つめ合うと、お互いを確かめ合うように何度も何度も重なり合った。
腕の中で横たわる初音を、文弥は大切な人を見守るように見つめていた。
「今日も可愛かったよ。初音」
「文弥くんも可愛かったよ。うふふ」
お互いのぬくもりが愛おしく、二人はなかなか離れられないでいた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
アパートへ戻った文弥は、机に向かいノートパソコンを立ち上げた。
『初音攻略マニュアル』と書かれたファイルをクリックすると、日々、研究している初音がどうすれば気持ち良くなってくれるかのデータ作成をし始めた。
謎の声(……まだ、そういうことをしているのね)
文弥は、もし初音が誰かに寝取られた時に絶対に役に立つはずだと、ウキウキした手つきで詳細に入力していた。
「楽しみだなぁ。ふふっ」
文弥はいつか来るであろう日を想像し、無邪気な子供のような笑みを浮かべる。
謎の声(私はそんな日は絶対来ないと思うよ)
読んでくださりありがとうございました




