表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第五章:変わり始めた学校生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/111

第26話:意見の相違

 そういえば、この間は僕が頭ひとつ出るように岩で調整したけど、今回はどうしよう?


「えっと、ベッドとか使った方がいい?」


 念のため確認すると。


「そのままでいいって。こういう時、毎回気を使わせても悪いだろ」


 なんて言って、彼女はにかっと笑い手を広げた。

 例に漏れず、喜世(きよ)さんも顔は赤い。

 それでもこう言えるのって、本当に頼もしいし頼りになる印象がある。


 ……うん。僕も少しは彼女を見習わないと。

 喜世(きよ)さんが大丈夫って言うなら、その言葉を信じて頑張ろう。

 正直、緊張で喉が渇いてるけど。


「わ、わかった。いくね」


 今回は僕から抱き締めればいいのかな?

 ちょっと違和感を覚えながらも、僕はゆっくりと彼女を抱き締めた。


 身長差のせいで、僕の顔は彼女の首下くらいの高さに落ち着く。

 さっきの沙和さんの時と違う、だけどやっぱり甘美な感じのする喜世(きよ)さんの匂い。

 パジャマの襟元からちらりと見える、しっとりとした肌と鎖骨。

 沙和さんよりは大きくない胸の膨らみ。だけど、それが触れている感触がより顔に近い所で感じてる。


 それらはどれもちょっと刺激的で、僕は慌てて横を向き誘惑から視線を逸らすと、感情をごまかすように喜世(きよ)さんの背中に回した腕に力を入れた。

 それを合図に、彼女も僕の背中に腕を回してくると、沙和さんの時同様、パジャマ越しに少しずつ熱を感じ始める。


 まだまだ慣れてるわけじゃないし、気恥ずかしさは間違いなくある。

 だけど、ドキドキはするけど沙和さんの時より落ち着けてるのは、喜世きよさんとは数日前にこういうことをしてたのと、さっき見せてくれた笑顔があるのかも。


 喜世(きよ)さんは今、どんな気持ちなんだろう?

 実はすごく余裕があったりして。でも彼女ならありえそうだよね。

 そんなことを思いながら耳を澄ましていると、喜世(きよ)さんは大きく深呼吸を──あれ? これ、深呼吸じゃない?


 違和感を覚えた理由。

 それは、耳に届いた鼻から息を吸っていると思われる音が、妙に小刻みだったから。

 まるで、犬が何か匂いを嗅ぐ時みたいに……。


「やっぱ、ヤベえな。これ……」


 途中、ぽそりと聞こえた感嘆の声は、まるで料理に感動した時みたいな反応。

 え、えっと……これ、何?

 僕が何も言えないまま、なすがままになっていると。


「でしょでしょ! もーっ! 今夜ずーっとこれを味わえるなんて。るとっちもちっちーもー、超うーらーやーまーっ!」


 喜世(きよ)さんの後ろにいるであろう沙和さんが、興奮覚めやらない声をあげた。

 え、えっと、これってさっき沙和さんが言ってた、いい匂いを指すのかな?

 ただ、ここまで露骨に匂いを嗅がれてると、嫌がられてるわけじゃないにしろ、何か変なんじゃないかって流石にちょっと心配になる。

 

 本当に汗臭くないんだよね? 大丈夫だよね?

 恥ずかしさよりそっちの心配をする気持ちが大きくなっていると、一度大きく息を吸った喜世(きよ)さんは。


「でも、やっぱ落ち着くな……」


 落ち着きある優しい声でそう口にした。


 落ち着くんだ。僕を抱きしめてたら。

 その言葉は、僕をちょっと嬉しい気持ちにさせた。

 だって、大して取り柄のない僕が、少しは友達の役に立っているような気持ちになれたから。


 ただ、沙和さんは喜世(きよ)さんと違う感想だったのか。


「えーっ!? 落ち着くー!?」


 彼女はそんな疑いの声をあげた。


「ああ。めっちゃ安心するし、すげー落ち着く」

「嘘ー!? あーしなんて、ずーっとドキドキだったよ?」

「そりゃ、そういう気持ちはあるけどよ。なんていうかこう、うまく言葉にできねえんだけど。優汰(ゆうた)の感触が丁度心地良いっていうか。こういう抱き枕を抱きながら寝たら、快眠できそうっていうか」

「きよっちってやっぱ変だよねー。あーしだったらー、優くんが隣で寝てたら嬉しすぎてすぐに寝られないけどなー」

「ま、意見の相違ってやつだな。同じところは、どっちもこいつにいてほしいって事だけどよ」


 やっぱり、こういう時ってみんな感覚が違うんだなぁ。

 今でこそ喜世(きよ)さんのお陰でちょっとは落ち着いてるけど、もし一緒に寝るなんてなったらずっと緊張しっぱなしになって、喜ぶとか落ち着くなんて気持ち、早々持てない気がする。


「さって。あまりあいつらを待たせとくと、後で面倒そうだな。特に瑠音(ると)によ」


 それを聞いて、僕は胸に収まったまま喜世(きよ)さんを見上げると、彼女は名残惜しそうな顔をしてる。


「もう、いいの?」


 念の為そう確認すると、僕の視線に気付いた喜世(きよ)さんがこっちを見下ろした直後、ぽんっと顔を真っ赤にした。


「だだだだ、大丈夫! 大丈夫だからよ!」


 急に激しく動揺した彼女は、そのままこっちの肩を持つと、ぎゅっと僕を引き離した。

 ……痛っ。

 掴まれた腕の力が思ったより強くて思わず顔を歪めると。


「わ、わりい!」


 慌てて肩から手を離すと、少し腰を落とし俺を覗き込んでくる。


「い、痛かったか?」

「ちょっと。でも、もう痛くないし。ほら。ちゃんと腕も動くし」


 あまりに不安な顔をする喜世(きよ)さんを安心させようと、僕は笑顔を向けた後、腕を曲げたまま肩を回してみせる。

 そんな僕達の脇に、頬を膨らませた沙和さんが姿を見せた。


「もーっ。きよっち、気をつけてよねー」

「ほ、ほんと悪かったって。突然こっち見てたから、焦っちまっただけだし」


 両手を腰に当て怒りを露わにする彼女を見て、喜世(きよ)さんが心底申し訳なさそうな頭を下げる

 でも、さっき強く掴まれた瞬間はやっぱり痛かったけど、本当にすぐ解放してもらったし、痛みだって残ってない。

 それなのにあまり責められても可哀想だと思う。


「沙和さん。本当に大丈夫だから。喜世(きよ)さんだって悪気があったわけじゃないし、元は僕が驚かせちゃったせい。だから、そんなに責めないであげてくれる?」


 生意気なこと言ってるかも。

 そんな不安はあったけど、二人の仲を取り持ちたくて、僕は必死に大丈夫だってアピールしてみる。

 言葉を聞いて、こっちを見た沙和さんと喜世(きよ)さん。

 二人は僕の表情を見た後、互いに顔を見合わせくすっと笑うと、またこっちに顔を向ける。彼女達らしい笑顔で。


「ほーんと。優くんってばやっさしー!」

「ほんとだぜ。優汰(ゆうた)、悪いな。気を遣わせてよ」


 良かった。この感じはいつもの二人だ。


「気にしないで。みんなには仲良く笑顔でいてほしいし」


 僕がそう言って微笑み返すと、急に目を逸らした二人が恥ずかしそうに顔を背ける。

 あれ? なんか変なこと言ったかな?

 そんな僕の疑問に対し。


「ちっ。こういうのが一番やべえんだよ」

「ほんとほんと。優くんってばそういうとこ天然だよねー。だから超ヤバいんだけど」


 二人はちらちらとこっちを見ながら、褒められているのかどうなのかわからない答えを口にしたんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ