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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第五章:変わり始めた学校生活

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第24話:神頼み

「そういえば、線を選ぶのと横線を入れる順番決めは、別々に行いますか?」

「わざわざ何度も抽選面倒ね。線の選択と追加は同時に済ませたらどうかしら?」


 千麻(ちあさ)さんの疑問に、綺麗な髪を払い腕を組む瑠音(ると)さん。

 さっきので覚悟が決まったのか。普段学校で見せる堂々とした態度を見せる。


「ああ。俺はそれでもいいぜ」

「あーしもおっけーだよ。ちっちーもおっけー?」

「わかりました」


 喜世(きよ)さん達も話し方は普段通り。だけど、やっぱり少し緊張した面持ち。

 そして、それは僕も同じ。

 だ、だって、一緒にベッドに寝る相手が決まるんだから。

 勿論、誰が来たって緊張するのは変わらないし、絶対変なことをしないという決意も変わらない。

 とにかく、みんなを不快にしないようにしないと。そう思ってはいる。


 ただ、女子とベッドで一緒に寝る。

 そんな非現実的な時が近づいているのを実感し、緊張しているのも確か。

 ゴクリと生唾を飲み込み様子を窺っていると。


「じゃーあー、最初に線選びたい人っている?」


 沙和さんがみんなにこう尋ねた。


「俺はどこでもいいぜ」

(わたくし)も、順番は問いませんわよ」


 喜世(きよ)さんと瑠音(ると)さんは希望なし。

 ということは、あとは沙和さんと千麻(ちあさ)さんのさじ加減次第……。


「沙和はどうなされたいのですか?」


 え? 千麻(ちあさ)さんは逆質問するんだ。

 僕がちょっと驚いていると、


「あーし? あーしは最後でいいよ? カッコウは妬めって言うしー」

「おい。それを言うならカッコウは寝溜めだろ?」

「まったく。カッコウは寝て待てですわよ」

「いいえ。家宝は寝て待てですね」


 突然始まった、いつものボケとツッコミみたいな会話。

 いつものように一言ずつ発し、顔を見合わせた彼女達は、同時にくすっと笑う。


「では、私が一番最初にいきますね。どんな結果が出ても、恨みっこ無しでいきましょう」

「確かに。それでは優汰(ゆうた)様を困らせるでしょうし」

「おっけー! その代わりー、もし次に同じような機会があったらー、その時は今日外れた人優先にしよ?」

「いいぜ。外れた奴がずっと落ち込んでんのを見るのも気まずいし」


 確かに、そのほうがみんな平等な感じがする──あれ?


「え? 次回って?」


 思わず聞き返した僕に、沙和さんが苦笑しながらこっちを見る。


「そ、そりゃー、この先ー、またお泊りとかあるかもしれないじゃん。その時のこと。ね? 優くん、お願い!」


 両手を合わせ、てへっと笑いながらお願いしてくる沙和さん。

 こういう仕草って、やっぱりちょっと、可愛いかも……じゃなかった。

 今度……ま、まあ、早々機会があるかはわからないけど、なんとなくさっきまでの感じを見ると、この先みんなといるなら、こういうのも慣れていかないといけなさそうだし。一応、公平性って話題もあったしね……。


「そ、そうだね。わかったよ」

「やったっ! 優くんありがとっ!」


 僕がそう返事をすると、みんなは少しホッとした顔をした後、嬉しそうな顔をする。

 そ、そこまで喜ばれると、安心感以上に気恥ずかしい気持ちになる。

 でも、きっとこれも特別な友達だからこそ。僕もちゃんと覚悟しておかなきゃ。


「では、優汰(ゆうた)君。紙をお借りしてもよろしいですか?

「あ、変に動かして封筒がずれるといけないから、悪いけどこっちに回り込んで書いてもらえる?」

「そうですか。わかりました」


 小さく頷いた千麻(ちあさ)さんが、テーブルを回り込み僕の側までやってきた。


「じゃあ、さっき話した通り、縦線を選んだ後、横線を五本入れてくれる?」

「……は、はい」


 僕が場所を譲り脇に逸れると、千麻(ちあさ)さんはテーブルの上の紙に向き合った。

 さっきまでの会話では時折笑顔もあったけど、やっぱりいざ選択の場面になると緊張してそう。


 千麻(ちあさ)さんが目を閉じ胸に手を当て、大きく深呼吸をひとつする。

 そして……。


「では、私はこれで」


 目を開いた彼女は、一番左側の線の上に千麻(ちあさ)と書き込んだ。

 そして、流れで四本のくじの間を繋ぐ線を、時折考えながら順番に書き入れていった。

 誰も言葉を発することなく進む作業は、深夜の静けさも相成ってより緊張感を煽る。


「ふぅ……」


 そんな中、千麻(ちあさ)さんが線を引き終えると、ほっとした表情で手で額の汗を拭った。


「終わりましたよ。次はどなたがいきますか?」

「じゃあ、俺がいくぜ」


 次にそう宣言したのは喜世(きよ)さん。

 さっきまでいた位置に戻っていく千麻(ちあさ)さんと入れ替わり、紙の前に立つと、パンパンッと頬を叩き気合いを入れる。


「じゃ、俺はこっちだ」


 そう言って選んだのは千麻(ちあさ)さんと真逆。一番右側の線だった。

 そのまま流れで線を引き始める喜世(きよ)さん。だけど、少し手が震えてるのか。線が細かく波打ってる。

 それが彼女の緊張を伝えてる気がして、僕もより強い緊張を覚えた。


「……よしっ。じゃあ、次は瑠音(ると)だな」

「え、ええ」


 露骨に緊張した顔を見せる瑠音(ると)さんが、喜世(きよ)さんと入れ替わり紙の前に立つ。


「……神よ。どうか、(わたくし)に奇跡を」


 彼女は目を閉じ手で十字を切った後、両手を胸の前で組みしばらく目を閉じ祈りを捧げる。

 そ、そこまでする程のことなのかな?

 頭でそんな事を考えちゃうけど、きっと瑠音(ると)さんにとってはそこまで真剣に考えてくれてる証拠なのかも……。


 彼女は祈りを終え目を開けると、指をゆっくりと空いている左の方に置く。

 瑠音(ると)さんはそっちを選ぶ──。


「……どーちーらーにーしーよーうーかーなー」


 ──え? それをするの?

 真剣な表情のまま、突然数え歌に合わせ指で空いている二本の線を交互に指差す瑠音(ると)さん。

 で、でもこれ、僕が知っている歌の通りなら、確か文字数は二十二文字。だから、最初に指差した左側の反対、右側で終わるんだけど……。


「てーんーのーかーみーさーまーのーいーうーとーおーり」


 ……ほら。当たった。

 多分、瑠音(ると)さんはそこまで知らなかったのかな。

 彼女が満足する選び方なら別にいいけど、真剣さと裏腹な選び方に、僕は拍子抜けしてしまう。


「では、これにしますわね」


 表情を変えず、線の上に名前を書き込んだ瑠音(ると)さんは、脇目も振らず横線を引き始める。

 ある意味、このマイペースな感じは彼女らしいのかも。

 たまにちょっと抜けてるところもあるし。


「……これでいいわね。沙和。ささっと済ませなさい」

「はーい! じゃー、まず名前を書いてっと」


 最後にやってきた沙和さんは、残った最後の線に名前を書き込むと、あまり迷うことなくさささっと五本の線を引き終えた。


「優くん。こんな感じ?」

「う、うん。大丈夫」


 さっきまでの真剣さから一変。普段の彼女らしい反応にこれまた唖然としながら答えると、「おっけー!」なんて言いながら、沙和さんが自分のいた場所に戻っていく。


 瑠音(ると)さんとは正反対の潔さ。

 ある意味彼女らしい行動だなと思ったけど、僕はそれで心に余裕ができるどころか、余計に緊張してしまった。


 ……これで、決まったんだよね。

 そう。残すのは答え合わせだけ。もう運命は何も変わらない。


「じゃあ、まずはみんなのあみだくじが、下のどの線に到達したのか確認するね」

「わかりましたわ」

「はい」

「いいよー」

「お、おう。かかってこい」


 みんなの返事に頷いた僕は、封筒から最後の英文字が見える手前。自分で(しるし)をつけておいたラインまで紙を出す。

 僕が引いていた線がすべて見えたところで、僕は順番に上から線をなぞり場所を確認しはじめた。


 えっと、まず千麻(ちあさ)さんがこうで、こうで……。

 次に沙和さんがこうで……。

 瑠音(ると)さんがこうのこうで……。

 念の為、喜世(きよ)さんも確認していってっと……。


 四人の線の行き先が被らなかったことを確認し、僕は一度深呼吸する。


「あーしは一番左かー」

「その隣が俺だな」

(わたくし)が一番右ね」

「私が右から二番目ですね……」


 各々に場所を確認した彼女達。

 流石に後は結果を待つだけってわかってるからこそ、みんなは不安な顔でじっと紙を見つめている。


 勿論、僕はもう答えがわかってる。

 それでもみんなの緊張感がこっちにも伝わってきて、同じくらい緊張していた。


「それじゃ、いくよ」


 僕の言葉に、みんなは同時につばを飲み込むと無言で頷く。

 そして、彼女達の視線が紙に戻ったところで、僕は封筒を引き、みんなに答えを見せたんだ。

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