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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第五章:変わり始めた学校生活

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第23話:恥じらう理由

「あれ? 優くんどーしたの?」

「ごめん。ちょっと準備をするから。部屋は覗かないでね」


 質問してきた沙和さんへの対応もそこそこに、僕はそのまま自分の寝室に入る。

 必要な物は机の引き出しに揃ってるはず……。うん。あった。

 僕は引き出しから紙とボールペン。そして一枚の茶封筒を取り出した。


 よし。

 これをこうして、これを足して、ここを折って封筒の中に入れて……これでよしっと。

 まるで工作をするみたいに組み上げて準備を終えると、僕は作った物とペンを持ってダイニングに戻った。


「お前、あっちで何してたんだよ?」

「うん。みんな、これで決めない?」


 僕は四人の顔を見ると、さっき作った物をテーブルの上に置いた。

 みんなが立ち上がり、覗き込んだ物。

 それは縦線が四本入った紙と、その下半分を覆う茶封筒。


優汰(ゆうた)様。これはただのくじびきよね?」

「くじ引きはー、順番選びが不公平だーって話で却下になったじゃん?」

「うん。だから、あみだくじにしよう」

「え? あみだくじですか?」

「うん」


 ちょっと驚いた千麻(ちあさ)さんに頷くと、僕は神を見ながら説明をする。


「この紙の下側、封筒の中にはすでにあみだくじと、その先でどっちのベッドで寝るかが書かれてる。アルファベットのQならクイーンベッド。Wはダブルベッド。僕と寝る人はクイーンベッドの方だから、そっちが当たりってことになるかな」

「おいおい。あみだにしようがただのくじにしようが、結局順番選びで不公平になるだろ?」

「うん。だから、ここにみんなで線を五本ずつ引くんだ」


 僕は見えている線の部分をトントンと指で叩く。


「最初の線選びと、あみだの横線を引く順番はどうしても避けられない。でも、みんながどんなに考えて引いたって、僕が書いた横線も、最後にどの文字が書かれてるかもわからないでしょ?」

「確かにそうね」

「みんなで作り上げたあみだくじなら、最後の一本を書いた人の責任ってわけでもないし、なんなら僕が書いた見えてない線のせいではずれになっちゃうかもしれない。だから、結果は全員の責任って考えたら、不公平感が少ないんじゃないかなって」


 陳腐なくじだけど、僕なりに考えた結果。

 みんなが納得してくれたらいいんだけど、どうだろう?

 僕が様子を窺っていると、最初二僕を見て笑ったのは喜世(きよ)さんだった。


「ったく。そんな心配そうな顔をすんなって。お前の提案を拒む奴なんていねえよ。だろ?」


 喜世(きよ)さんがみんなにウィンクをすると、釣られて沙和さんと瑠音(ると)さんも笑ってくれる。


「まーねー。しかもー、優くんとも一年託送なんでしょ? 最高じゃん!」

「おいおい。それを言うなら一年託生だろ?」

「いいえ。それを言うなら一蓮托生ですわよ。そうでしょう? 千麻(ちあさ)


 あれ? 反応がない?

 僕達が千麻(ちあさ)さんを見ると、彼女は真剣な顔で俯いたまま考え込んでいる。

 もしかして、あまり納得がいく答えじゃなかったのかな……。


「ちっちー。どうしたの?」

優汰(ゆうた)の案に不満でもあるのか?」

「納得がいかないというなら、ちゃんと言いなさい」


 予想外だったのか。三人が千麻(ちあさ)さんに確認をすると、はっとした彼女は慌てて両手を振った。


「ち、違います! 私も特に問題はありませんよ」

「じゃあ、なんで考え込んでたんだよ?」

「そ、それは……その……」


 急にしおらしくなった千麻(ちあさ)さんは、うつむき加減のままみんなを見ると、恥ずかしそうにこう言った。


優汰(ゆうた)君の書いた部分を、透視でもできないかなと思いまして……」

「……ぷっ」


 答えを聞いた瞬間、喜世(きよ)さんが思わず吹き出す。

 瑠音(ると)さんは咄嗟に口を手で覆い、そっぽを向く。声はしないけど、肩の揺れで笑いをごまかしてるのは見え見え。

 そんな中、目を細めにやにやしだしたのは沙和さんだった。


「あははっ。ちっちーってば、あーし達なんかよりやる気じゃーん!」

「ほんとだぜ。ま、真剣になっちまうのもわかるけどよ」

「まったく。そんな顔をしては、折角アイデアを出してくれた優汰(ゆうた)様を不安にさせるでしょう? 気をつけなさい」


 千麻(ちあさ)さんの反応に、喜世(きよ)さんと瑠音(ると)さんも呆れ笑いを見せていたんだけど。


「も、申し訳ございません。優汰(ゆうた)様が添い寝する初めての女子になれると思ったら、つい……」


 と、千麻(ちあさ)さんがおずおずとそう口にすると、他の三人も血相を変えた。


「ゆ、優汰(ゆうた)が一緒に寝る、初めての、女……」

「……そ、そっか。そりゃ、ちっちーが真剣になるのもしゃーないよねー」

「そ、そうですわね。そのような名誉に預かれるとしたら、(わたくし)も真剣に向き合わなければ……」


 急に緊迫した空気になったけど、僕も彼女達の言葉を聞いて、すっかり油断して忘れていたことを思い出し、恥ずかしさで顔が一気に熱くなる。


 そ、そうだった。

 これで決めるのは、僕がみんなの誰かと一緒にベッドで寝るって話だったっけ……。


「ち、ちなみにだけどー。優くんってちっちーの言う通りー、女子とベッドで寝るのって初めて?」

「そ、それはそうだよ。ぼ、僕にそんな機会なんてなかったし……」


 僕の言葉を聞いた四人も、顔から火を吹くくらいの勢いで顔を真っ赤にする。

 で、でも、みんなは特別な友達とかいるわけだし、あれだけの人気者だもん。

 だからこそ、今回の提案してきたに違いない。


「さ、流石に、みんなは初めてじゃないよね?」


 念の為、僕は恐る恐るそう確認をしてみる。

 四人はその場で互いに顔を見合わせた後。


「は、初めてに決まってんだろ」

「そ、そうですわ。(わたくし)も淑女として通っておりますし」

「そ、そのような経験は、私もありませんよ」

「あ、あるわけないじゃん!」


 と、全員がそれを否定した。

 ……え? つまり、みんなにとっても初めて?

 そんな初体験、僕が最初の相手でいいの? 


「ゆ、優くん酷いなー。そんなにあーし達、ビッチに見えるわけー?」


 胸を強調するような感じで腕を組んだ沙和さんが、真っ赤な顔のまま不機嫌な顔をする。

 し、しまった! 怒らせちゃったかも!?


「ち、違うよ! ただ、TOP4って人気者だし、なんなら誰かとお付き合いしたことだってあるんじゃないかなって!」


 必死に事情を説明すると、その瞬間、四人が恥ずかしそうな顔で僕からすっと目を逸らす。

 ほ、ほら。やっぱりみんなくらいの人気者なら、彼氏くらい──。


「そ、そんなの、いたことねえよ」


 え?


「わ、(わたくし)もですわ。そ、その、殿方に好意を持ちはしたけれど、お付き合いなどは……」


 嘘?


「私も、その……そういう機会には恵まれませんでしたし。やはり、想い人には一途ありたいですし……」


 ほんとに?


「あ、あーしもー、優くんが初めて、だよ?」


 さ、沙和さんまで?


 嘘……TOP4の四人が、誰一人未経験なの!?

 あまりに信じられない答えを聞いて、僕は唖然としてしまう。

 だけど、彼女達の羞恥心をはっきり感じる顔を見ると、それが嘘には思えない。


「え、えっと。その、いいの? そんな大事な初めての相手が、僕でも……」


 今までのやりとりから、みんなは既に覚悟を決めて話してくれてたんだと思う。

 それでもやっぱり不安な気持ちが拭えなくって、思わずそう口にすると。


「い、今更疑うんじゃねえ。とっくに腹は括ってるし、構わねえと思ってるからここまで話してきたんだって」

「あーしも! あーしは、優くんが初めてでもいいし……じゃなくって! 初めては優くんがいいの!」

「わ、私もです。ゆ、優汰(ゆうた)君。くじに当たったら是非、私にその……は、初めてを経験させてください」

「愚問ですわね。(わたくし)もみんなと同じ気持ちですわ。優汰(ゆうた)様。(わたくし)が選ばれた時には、ま、迷わず初めてを奪いなさい。いいわね」


 みんなは赤らめた顔を隠そうともせず、恥じらいながらも必死にこっちと目を合わせてくる。


 そ、そこまでなんだ。

 ぼ、僕達って特別な友達なだけで、恋人っていうじゃないんだけど。本当にいいのかな?

 どうしても、自分の不安が言い訳として頭に沢山浮かんじゃうけど……って。

 よくよく考えたら、僕達は一緒にベッドで横になるだけ。

 べ、別に変なことをするわけじゃない。だからきっと、みんなも頑張ってくれてるんだよね。奥手な僕と仲良くなるために。


 正直、頭が沸騰しそうな程熱くてクラクラしそうになる。

 み、みんなが頑張ってくれてるなら、こっちもちゃんと頑張らないと……。

 僕はなんとかそんな気持ちを振り絞ると。


「わ、わかったよ。じゃあ、くじびきを始めよっか」


 なんとかそう口にしたんだ。

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