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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第五章:変わり始めた学校生活

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第19話:初めての夜遊び

 あのやり取りから更に三十分ほど。

 もう少しで夜の十一時という時間。泊まりの荷物を家に持ち込んだ四人と共に、僕達五人は私服のまま夜の住宅街に繰り出した。

 彼女達の服装は、今日家に来た時の格好と同じ。僕も流石にパジャマのままってわけにはいかないから、青と黒のストライプのシャツとデニムのズボンに着替えてる。


 ちなみにこうやって家を出た理由は、僕の家にみんなをもてなすような物がなく、彼女達もお菓子や飲み物といった物を持ち込んでなかったから、コンビニに買いに行こうっていう話になったんだけど。


  ──「えーっ!? そんな面白そーなの独り占めはダメじゃん! あーし達も付いてこ?」


 沙和さんにこう言われたのが理由でもある。


 でも、流石に時間も時間。

 この辺りは夜になると人気がかなり少なくなるとはいえ、女子が出歩くのは危ないんじゃないかと思って、僕だけで行ってくるって話はした。

 だけど。


  ──「あら。安心なさい。(わたくし)に何かあれば、執事達が駆けつけるもの」


 という瑠音(ると)さんの一言が決め手になって、結局今に至る。


 面条さんもそうだけど、この間の貴堂君の件で、彼女の家の執事達がボディガードとしても優秀なのは経験済み。

 それでも断っちゃったら、麗杜(うららと)家の執事の人達の実力を否定する事になっちゃうし、流石にそれは瑠音(ると)さんに悪いかなって思う。

 とはいえ、周囲を見ても執事の気配なんてさっぱり感じないのは、別な意味で気になるけど……。


「夜風が心地良いですね」

「そうだねー。でもー、こんな時間に出歩くのって、なんか悪いことをしてる気分だよねー」

「あー。確かにな。たまに瑠音(ると)の車でドライブなんかはするけど、俺達だけで夜道を歩くなんて、今まで記憶にねえし」

「そうね。でも、深夜のこの静けさも、悪くありませんわね」


 街灯が照らし出す街路樹が脇に並ぶ広めの歩道を歩きながら、僕を挟み並んだ四人が笑顔を見せながら、それぞれに感想を漏らす。

 やっぱりそうだよね。女子の一人歩きは基本危ないし。


「そういう意味じゃー、こんな経験をさせてくれた優くんに感謝かも」


 僕の右隣に立つ沙和さんが、サングラスを下げやや前屈みになり、僕を笑顔で見つめてくる。


「そんな。大した話じゃないよ」

「いんや。大した話だぜ。俺達四人だけだったら、夜中にコンビニに行く機会なんてなかったろ」

「そうね。それに、優汰(ゆうた)様と並んで町を歩ける機会がこんなに早く来るなんて、思っても見なかったわ」

「そうですね。昼間にこのように歩いていたら、良かれ悪かれ注目されてしまいますから」


 あ。言われてみれば。

 僕がTOP4と歩いていれば、同じ学校の生徒じゃなくたって絶対に周囲の視線を集めるに決まってる。

 そうなったら僕だって肩身が狭いし、同級生とかに見られれば妬まれる対象にもなるもんね。

 そういう意味じゃ、人気もほとんどなく暗がりの多い夜だったら、こうやって一緒に歩きやすいかも。


「ちなみに、優汰(ゆうた)君は夜中に出歩いたのは初めてですか?」


 沙和さんの奥を歩く千麻(ちあさ)さんの問いかけに、僕は首を横に振る。


「ううん。休みの日の前の日の夜なんかは、結構夜中に散策したりしてるかも」

「あら? 何故わざわざ夜に?」

「前に話した通り、僕って東京出身じゃないでしょ? それで、東京に来た矢先に夜少し歩き回ってたんだけど、思った以上に夜景が綺麗で、息抜きに見て回ったりしてたんだ」

「へー。でも、住んでた場所とそんなに違うのかよ?」


 沙和さん達の反対側。瑠音(ると)さんより向こうに立っている喜世(きよ)さんがそんな疑問を口にした。

 まあ東京に住んでいれば、こういう夜景も見慣れてるもんね。


「結構違うかな。星空は前に住んでた場所のほうが沢山星が見られて綺麗だったけど、その分町の中の外灯の数なんかも全然違うし、ビルやマンションの数も多いから夜も随分明るいし。あと、葛橋(かつらばし)から西葛橋(にしかつらばし)まで、広い公園が続いてるでしょ?」

「確かに、この近辺なら富士公園にレクリエーション公園。旧左近川親水公園などが東西に連なってるわね」

「そうなんだよね。で、それぞれの公園も夜景として見応えがあるし、南の葛橋(かつらばし)臨海公園とか、そこから海側を眺めたりしてもやっぱり色々な明かりが見えて新鮮だし。本当に都会に近いんだなって感じるんだ」


 今でも、初めてそれらの夜景を見た時の明るさと綺麗さに驚いた気持ちは覚えてる。

 あまりに興奮しちゃって、夜中一人で数時間掛けて色々歩き回っちゃったし。


「へー。そんなに違うんだー」

「うん。まあ夜中に出歩くのなんて、あまり褒められたものじゃないけど」

「確かに、決して安全というわけじゃありませんしね」

「でもー、そういう意味じゃ優くんがこの中で一番ワルって感じ?」

「え? ワル?」


 そう言われてみれば、所業がよくないと言われたらそうかもしれない。


「もしかしたら、そうかも」


 ちょっと引かれたかな?

 不安になりながら僕がそう答えると、沙和さんはにっこりと笑う。


「じゃー、あーし達ももっとワルになってー、優くんと色々夜景見に連れてってもらおっか?」

「お。それいいな。夜中の葛橋(かつらばし)臨海公園とかも気になるしよ」

「そうね。優汰(ゆうた)様ならここに住んでいる私達(わたくしたち)すら知らなかったスポットを知ってらっしゃるでしょ?」

「え? で、でも、みんなはこの辺に住んでるんだし。だいたい知ってるんじゃない?」

「そんなことはありませんよ。それに、もう私達も優汰(ゆうた)君と一緒に、夜遊びに興じている悪人。ですから、遠慮せず見に行けますし」


 千麻(ちあさ)さんがくすっと笑うと、他のみんなも微笑んでくる。

 言われてみたら、高校生がこんな時間に出歩いているんだから、決していいものじゃないんだよね。

 それでも友達として、こうやって僕に付き合ってくれるのは、嬉しくもあり気恥ずかしくもある。


 夜景の中でも、ひときわ輝く四人の笑顔。

 それは、都会の星空でも見失わなそうなくらい眩しく見える。

 ……彼女たちと並ぶに相応しい。そう思ってもらえる日がくるかはわからない。

 だけど、その輝きに負けない、なんて言えないけど。せめて側にいても笑われない自分に慣れたら。

 昼に一緒にこうやって歩いても胸を張れる自分になれたら。


 僕はそんな希望を胸に刻みながら。


「そっか。明日のことがあるから今日は止めておくけど、今度ちゃんと案内するよ」


 決心が揺らがないように、そう約束をしたんだ。

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