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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第四章:TOP4と優汰の日常

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幕間:喜世達の未来計画

『それじゃ、また明日ね』

「ああ。明日の弁当、楽しみにしてろよな!」

『うん。それじゃあね』

『おやすみー!』

『おやすみなさい』

『ごきげんよう』


 俺達が手を振ると、優汰(ゆうた)も手を振り返す。

 そして、あいつのキャラはすっと教会に溶け込むように消えていった。

 間をおいて耳に届く、ポコンというイズコのチャットルームからあいつが抜ける音。

 それを耳にした瞬間、俺達は一斉にため息を()くと、神妙な顔をしながら互いに教会の長椅子に腰を下ろし、並んで祭壇を眺める。


『まさか、優汰(ゆうた)君にあんな過去があったなんて……』

『ほんとだよねー。……きっと、すっごく辛かったんだよね……』

『でしょうね。それでもあそこまで誰かのことを考え、自ら抱え込むなんて。普通なら心が折れても当然ですわ』

「だよな。……ったく。あいつ、どこまでお人好しなんだよ」


 助けた友達に裏切られ、みんなに無視された。

 親や先生達を思う気持ちはわかる。だからって、手を差し伸べようとしてくれた人達の力をなるべく借りず、独りでずっと耐え忍ぶなんて。俺だったら絶対に無理だ。


『私のせいで、過去を思い出したに違いないですよね……』


 千麻(ちあさ)が肩を落としてるけど、昨日の帰りに昔から優しかったのかと聞いた時、様子がおかしかったと言ってたんだ。多分こいつの予想は当たってる。


千麻(ちあさ)。そうだとしても、優汰(ゆうた)様がこうやって心を開き、私達(わたくしたち)にすべてを打ち明けてくれたのも貴女(あなた)のお陰よ。落ち込む必要はございませんわ』

『そーそー! その分、あーし達が優くんに本当のアオハル、経験させてあげればいいじゃん!』


 両手を握り、ふんっとやる気を見せるエモートをした沙和。

 確かにそうだよな。俺達がこれ以上落ち込む必要はねぇ。その分あいつを楽しませてやればいい。


 ただ……。


「沙和の言いたいことはわかるけどよ。今の俺達と優汰(ゆうた)の関係じゃ、学校で話しかけるのだってままならないだろ?」


 それなんだよ。下手にTOP4なんて呼ばれてるせいで、俺達が学校で自由に動けねえのは問題。かといって、妙案があるわけでもねえしな。


『まー、当面はあーしが学校でうまくやるねー。今日の一件で貴堂君ともバイバイできたしー。なんならー、学校で優くんと話せるきっかけもできたしさー』


 俺の質問に答えた沙和は、途端ににっこにこになる。

 こいつ、運良くきっかけを作ったからって、俺達を出し抜く気満々じゃねえか。


 ちっと舌打ちしちまった俺に、沙和が口に手を当て目を細めた。

 そんな中、瑠音(ると)があいつのほうを真面目な顔で見る。


『沙和。いくらきっかけを手にしたからと言って、無闇に動くのはお止めなさい。貴女(あなた)の行動ひとつで優汰(ゆうた)様が妬まれ、これまでと同じような経験をするかもしれないのよ』

『そうですよ。今回の件で、貴堂君が優汰(ゆうた)君に目をつけたりする事だって、あるかもしれないのですから。あまり大胆に動きすぎるのはよろしくないと思います』


 千麻(ちあさ)がそんな心配を口にするけど、俺もそれは不安だ。

 あの貴堂って奴、雰囲気があんまし好きになれなかったんだ。これまで沙和が当たり障りのない感じで接してごまかしてたけど、図に乗ったのか。変にしつこかったしな。


『あー。確かにねー。ま、その辺は上手くやりまーす!』


 ビシッと敬礼する沙和に、反省の色なし。


 まったく。本気で大丈夫かよ……。

 こいつも一応考えて動くことは多いとはいえ、相手は優汰(ゆうた)。沙和が暴走する可能性は十分あるんじゃねえか。

 思わず俺がディスプレイの前で頭を抱える中、沙和がそのまま話を続ける。


『それよりさー。お弁当プロジェクトも絶賛進行中だけどー。次はみんなでどっか出かけてお泊りとかしない?』

『あら。それは名案ね。学校では登校時くらいしかお会いないし、優汰(ゆうた)様とゆっくり過ごすのも悪くないわね』

『でしょでしょー? 優くんの心を癒す旅ならー、やっぱ温泉とかがよくなーい?』


 ……温泉!?

 ちょ、ちょっと待て。あいつと温泉!?

 頭を抱えていたはずの俺は、想像以上に破壊力のある単語を聞きはっとする。


「お、温泉って、それはやっぱ混浴ってことか?」

『こ、混浴……そうだと、嬉しいのですが……』

『ま、まー、温泉行くってならそうしたいよねー。温泉は貸し切りにしてさー』

『あ、あら? そんなもの当たり前でなくて?』


 みんなを見ると、思いっきり顔を真っ赤にして恥じらってる。

 頭に優汰(ゆうた)と温泉に入ってる姿を想像しているのは間違いねえ。

 ま、まあ、そういう俺だって、期待はしちまってるけど……。


 っていうか……。


「なあ」

『きよっちー。どうしたの?』

「何で俺達、教会で煩悩まみれになってるんだよ」


 ほんとそれだ。修道服まで用意したってのに、結局優汰(ゆうた)に感想を聞く間もなく別れちまってるし。

 まあ、あいつだってあんな話をした後だし、明日だって学校もあるんだ。仕方ねえっちゃ仕方ねえけどよ。


『ま、まあ、確かに罰当たりではありますが……』

『こ、こればかりは仕方ないのではなくて? 喜世(きよ)だって同じでしょう?』

「ま、まあ、否定はしねえ」

『まーまー。ここはシャインズ・ゲート。あーし達にとっては異世界だしー? 現実と違うんだからー、こういうのもノーカンノーカン!』


 まあ、言われてみれば、この世界の神を信仰しているわけじゃねえしな。

 職業的に千麻(ちあさ)は信仰してる扱いだけど。


『ってことでー。罰当たりついでに温泉旅行プロジェクト、考えちゃおっか?』

『手配は難しくないけれど、優汰(ゆうた)様の予定もあるのではないのかしら?』

『日程は後で確認すればいいじゃん? るとっちならささっと宿取れるっしょ?』

『ええ。麗杜(うららと)家として保有している温泉宿があるもの。問題はないわ』

『いいじゃんいいじゃん! じゃー、ちゃちゃっと計画しよ?』


 そう言って、にんまりとする沙和。

 だけどその笑顔は千麻(ちあさ)に一瞬で奪われた。


『沙和。その前に中間テストの事を考えましょう? 赤点を取ろうものならそれどころじゃなくなりますよ?』

『げっ! 忘れてたぁ……』


 沙和がうげっと本気で嫌そうな顔をしたけど、ぶっちゃけ俺も釣られて同じ顔をした。

 正直俺も勉強は苦手だ。

 特に苦手な数学なんか、高二になってからさっぱり頭に入ってこねえんだよ。

 なんだよ。あの三次式の展開とか、二項定理とかってやつは……。


 そんな俺達を見て、瑠音(ると)千麻(ちあさ)が苦笑いする。


『では、まずはテスト勉強を計画しましょうか』

『そうね。それに、温泉もいいけれど、一足早い海を満喫する手もあるわ。折角優汰(ゆうた)様との想い出を紡ぐなら、より素敵な場所を探すのも一興。そのためにも、補習なんてことにならないようにしないと』


 うへ……。

 テスト勉強とかめちゃくちゃ嫌なんだけど。


『うわーん! 神様のいけずー!』

「ほんと。盛り上がった気持ちが一気に冷めちまったじゃねえか」

『あら。だったら優汰(ゆうた)様も誘ってテスト勉強をする。これだったらどうかしら?』


 ぴくっ。

 思わず動きを止めた俺と沙和の目が合う。


『そ、それ! それでいこっ! そーしたら、あーしもちょー勉強に熱が入るじゃん!』

「ま、間違いねえ! あいつがいれば、赤点なんてぜってーないに決まってるって!」


 提案に強く食いつく俺達を見て、千麻(ちあさ)が眼鏡を直すと、急に不満気な顔をする。


『つまり、私達が教えるのでは不満ということでしょうか?』


 やっべっ。これ、千麻(ちあさ)の機嫌を損ねたかも。

 俺が焦っていると、瑠音(ると)もまた白い目を向けてくる。


瑠音(ると)。この話、なかったことにしませんか?』

『確かに。私達では力不足と言われるのなら、きっと優汰(ゆうた)様にばかり負担がかかりますもの。それではご迷惑に──』

「か、勘違いするなよ! お前等にだっていつも助けられてるし、めっちゃ頼りたいって!」

『そ、そーそー! ただー優くんがいると気持ちが引き締まるっていうかー。変なとこ見せられないっていうかー! と、とにかく! 二人にも助けてもらいたいから!』


 慌ててそんな事を言って取り繕うと、千麻(ちあさ)瑠音(ると)はふっと笑い肩を竦める。


『まあ、どちらにしても優汰(ゆうた)君の都合もあるでしょうから』

『そうね。私達(わたくしたち)も、優汰(ゆうた)様がいれば身が引き締まるというもの。後で提案してみましょう』

『やったー! ありがとー! 神様仏様ちっちー様るとっち様ー!』


 沙和の奴、さらっと態度を変えやがって。

 ま、俺も内心ホッとしてるけどな。


 でもよ。

 確かに一緒に勉強はいいけど、そこで馬鹿だって思われて優汰(ゆうた)に幻滅されたらマジやべえよな。

 少しは復習くらいして頑張ったほうがいいかもな……。

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