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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第九章:過去、現在、未来

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第22話:二人が四人に

「あれ?」

『ど、どうかしましたか?』

「えっと、ちょっと待って」

 

 戸惑う千麻(ちあさ)さんをそのままに、僕はパソコンの画面から目を逸らし、スマホのロック画面を見る。


 ……え?

 これって、沙和さんと瑠音(ると)さんからのメッセージ?

 パソコンの画面に目を戻し、そっちからイズコを確認すると……あ。やっぱり二人からメッセージが来てる。一体なんだろう?


 僕は順番に彼女達からのメッセージを確認してみた。


『やっほー! 優くーん! 今暇?』

優汰(ゆうた)様。今お暇かしら?』


 二人からのメッセージは、さっきの千麻(ちあさ)さんからのメッセージと同じような内容。


『大丈夫か? 何か問題でもあったのか?』


 少し心配そうな喜世(きよ)さんに対し、僕はキャラに首を横に振るエモートをさせる。


「ううん。今、沙和さんと瑠音(ると)さんから暇かって連絡が来てて」

『は? あいつらも用事あったんじゃねえのかよ?』

『確かに。沙和はお友達と一緒に帰られましたし、瑠音(ると)も家の用があると言ってましたが……』


 三人で顔を見合わせるけど、本人達に聞かないと答えなんてわからないよね。


「ちょっと聞いてみるけど、みんなも暇だったら合流する感じでいい?」

『ああ。千麻(ちあさ)。流石にその格好は色々言われるぞ。さっさと着替えてこいよ』

『は。はい。少々お待ちを』

喜世(きよ)さんごめん。ちょっと待っててね」

『いいぜ』


 僕は再びイズコの返信に集中することにした。

 まずは沙和さんからっと。


『えっと、今は丁度シャインズ・ゲートしてる』

『マ!? じゃー、あーしも行っていい?』

『いいけど、喜世(きよ)さんや千麻(ちあさ)さんもいるよ?』

『うっそーっ!? 二人って用事あるって言ってたじゃーん』

『そうだよね。だから僕も驚いたんだけど』

『そっかー。優くんを独り占めにできないのは残念だけどー、二人に()()をとるわけにいかないもんね!』


 え?


『後れって?』

『ほらー。レベルとか色々ー。とにかく、あーしも準備してすぐ合流すんね!』

『わかった。待ってるね』


 レベル上げは元々みんなで合わせようって話になってるし、別に気にしなくても大丈夫だと思うんだけど……。

 まあいいや。次は瑠音(ると)さんだ。


『えっと、今は丁度シャインズ・ゲートしてる』

『そうですのね! ちなみに、優汰(ゆうた)様はお一人ですの?』

『ううん。喜世(きよ)さんと千麻(ちあさ)さんと一緒。あと、さっき連絡が来て沙和さんも合流するみたい』


 そう返事をした後、次の瑠音(ると)さんからの反応が中々返ってこない。

 あれ? 何かあったのかな? 実は用事の最中とか。


『もし用事が終わってないなら、無理しなくて大丈夫だよ』

『いいえ。用事は既に終わっておりますので。急ぎログインいたしますわ』

『わかった。待ってるね』


 ……うーん。一体あの間は何だったんだろう?

 まあ、気にしても仕方ないかな。


「とりあえず二人ともログインするって」

『そうか。しっかし、一体どういうことなんだよ……』


 喜世(きよ)さんはそう言って呆れ顔をしてるけど、確か彼女も今日は弟君達の面倒を見るって言ってたはず。


「ちなみに、喜世(きよ)さんの方は大丈夫なの?」

『ああ。(ばく)達の面倒を見ねえとって思ってたら、あいつら友達を連れて帰ってきてよ。結局、俺の出番はなさそうだから、一人でいい狩場でも探すかって思ってたんだよ』

「そうだったんだ」


 僕が納得した顔をすると、喜世(きよ)さんは僕に疑いの眼差しを向けてくる。


『それよりお前、ほんっとうに、千麻(ちあさ)とは友達のままだよな?』

「え? う、うん。それは間違いないよ」

『そ、そうか』


 そこまで言った瞬間、彼女は急に周囲をキョロキョロと確認する。

 千麻(ちあさ)さんがログアウトしている今、ここにいるのは僕達だけ。

 彼女もそれを理解したのか。急に顔を赤らめると真剣な顔になり、無言で僕との距離を詰めてきた。

 え? どういうこと?


喜世(きよ)さん?」


 困惑し名前を呼んでも、彼女は何も言い返してこない。

 ただゆっくりと僕に歩み寄り、顔を近づけてくる。

 え? こ、これってもしかして!?


 そこまできてやっと現状を理解したけど、僕は驚きのせいでその場から動けない。

 え、えっと、このままでいいの? 大丈夫?

 また頭が一気に混乱しかけたその時。


喜世(きよ)。あなたも抜け駆けは駄目ですよ?』


 どこか落ち着いた千麻(ちあさ)さんの声が耳に届いた。

 瞬間、ピタッと喜世(きよ)さんが動きを止めたかと思うと、そのまますすすーっと後ろ歩きで僕と距離を取る。


 ふぅ。よかったぁ。

 まったく心構えができてなかったから、本気でどうすればいいかわからなかった。

 ゲームのキャラは平然と立ったままだけど、僕はリアルで胸に手を当て、ほっと安堵する。


『ぬ、抜け駆けなんてしてねえからな!』


 喜世(きよ)さんは千麻(ちあさ)さんの言葉に露骨に動揺してる。言葉では否定してるけど、多分あれは本気でキスしようとしてたよね。

 千麻(ちあさ)さんがいない所でしようとしてたってことは、ある意味じゃ抜け駆け、ってことになるのかな?


 そんな事を考えていると。


『あら。抜け駆けなんて随分な言葉ですわね。何があったのかしら?』


 さっきの千麻(ちあさ)さんよりも落ち着いた、どこか冷めたような瑠音(ると)さんの声が届く。

 それを聞いて、喜世(きよ)さんがギクッした顔をする。


『でもさー。きよっちに()()()()なんて言ってたってことはー、ちっちーも抜け駆けしようとしてたーってことだよね?』


 彼女が何かを答える前に続いて聞こえてきたのは、千麻(ちあさ)さんを勘ぐる沙和さんの声。


『え? い、いえ。その、抜け駆けというのはその、言葉の綾ですよ。そうですよね? 喜世(きよ)

『あ、ああ。俺達が用事が終わってログインしてよ。鉢合わせしちまったからそういう話題に──』

『あら? 今千麻(ちあさ)はまだログイン前になってますわね。履歴的には数分前にログアウトしたようだけれど』

『そんな状況で一人で抜け駆けするってことでしょ? 鉢合わせとか全然関係なくなーい?』


 喜世(きよ)さんの言い訳を遮り、瑠音(ると)さんと沙和さんがはっきりと疑いの声を上げる。

 千麻(ちあさ)さんも喜世(きよ)さんも無言。

 ただ、眼の前の喜世(きよ)さんの顔がはっきりと青ざめてるのはわかる。


 ……これって、このままだと二人が悪者になっちゃうのかな?

 この先、みんなで旅行も控えてるのに、ここで気まずくなるのも嫌だな。


 千麻(ちあさ)さんと喜世(きよ)さんの抜け駆け。

 それが何なのか。僕ははっきりわかってる。

 そして二人が悪者にならずに済む方法……。


 この先のことを想像し、僕は緊張で変な汗を掻き始めてる。

 でも、多分これが一番丸く収まりそう。だったら……。


 僕はごくりと唾を飲み込んだ後、意を決してこう言ったんだ。


「ご、ごめん。その、僕がキスの練習をしたいって言ったんだ」

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