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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第九章:過去、現在、未来

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第14話:ローラースケート

 あの後、僕達はローラースケート場へと足を運んだ。

 理由は、只野先輩が得意だから。


  ──「拙者、運動は苦手でござるが、ローラースケートだけは得意でござるよ」

  ──「ほんと。いっつも不思議なんですよねー。他は全然駄目なのに」


 自信満々の先輩に対し、岩良(いわよし)さんはちょっと呆れてたけど、その口ぶりから確かに得意そうだってことで、僕達も納得しその場所に決めたんだ。


      ◆   ◇   ◆


 アイススケート場のような作りの場内。


「只野先輩! 待ちなさーい!」

「追いつけるものならやってみるでござるよ!」


 リンクの外周を人を避けながらすいすいと滑っていく只野先輩と、それを必死に追う岩良(いわよし)さん。

 二人の服装も目立つせいか。まるでアイススケートのショーのようにも見える二人の滑りは、周囲の目を引きつけるのに十分だ。

 実際、岩良(いわよし)さんの滑りも凄いけど、水を得た魚のように躍動する只野先輩のローラースケートの腕は間違いなく凄い。


「二人とも、本当に上手だね」


 リンクの中央付近で二人の追いかけっこを眺めながら、僕が感嘆の声を上げると。


「そ、そうですね」


 僕の両手を握って離さない千麻(ちあさ)さんが、緊張した面持ちで返事をした。


 ちなみに、僕も千麻(ちあさ)さんも、ローラースケートはほとんど経験がない。

 だから、少し前に只野先輩や岩良(いわよし)さんにレクチャーを受けたんだけど、個人的にはアイススケートより滑りやすいし止まりやすいってわかって、そのお陰で意外に人並みに滑れるようになるのは早かった。

 ただ、千麻(ちあさ)さんは中々そうもいかなかったみたいで、彼女はへっぴり腰になりながら、僕の両手を掴みその場に緊張して立っている。


 彼女曰く、どうもアイススケートやローラースケート、スキーみたいに足元が不安定なスポーツは苦手みたい。しかもローラースケートをするには不相応な白のワンピースなのもあって、変に転倒して汚しちゃうわけにもいかない。


 一応、無理せず見学するかは確認したんだけど。


  ──「せ、折角の機会ですし。ゆ、優汰(ゆうた)君がエスコートしてくだされば……」


 と、意外にも滑る方を優先した彼女の意思を尊重し、今僕達はここに立っている。

 とはいえ、千麻(ちあさ)さんの表情を見るに、楽しめている感はあまりない。


「えっと、無理せず端に戻る? 一緒に休憩でもいいけど」


 気を利かせてそう聞いてみると、彼女はぶんぶんと顔を横に振る。


「い、いえ。こ、このままで大丈夫です。そ、その、少しずつ、手取り足取り教えてください」


 緊張した顔だけど、雰囲気的に譲らない、という空気も感じる。

 だとしたら、あまり心配してもいけないかな。


「じゃあ、まずはちゃんと立つ所から始めよっか」

「は、はい」


 しっかり頷く彼女に頷き返した僕は、握っている手を離さないようにしながらコツを教え始めた。


「えっと、まずはさっき只野先輩達が言ってた通り、ゆっくり足を伸ばそうか。滑りそうって思ったら、つま先のストップゴムで片足だけでも動かないようにして」

「は、はい……」


 恐る恐る、ゆっくりと曲げている両足を伸ばしていく千麻(ちあさ)さん。

 うん。このまま慌てなければきっと──。


「あっ!?」


 と、瞬間千麻(ちあさ)さんの右足が勢いよく前に流れ、一気に姿勢が崩れそうになる。

 

「危ないっ!」


 咄嗟に掴んでいた腕ごとぐいっと千麻(ちあさ)さんを引き寄せると、身を低くしながら彼女の背中に腕を回す。

 そして、そのまま片膝を突きその場に踏みとどまりながら、僕はなんとか彼女を抱えて転倒を防ぐ。


 ふぅ、間に合った……。


「大丈夫?」


 体を支えたまま千麻(ちあさ)さんを見下ろすと、僕の腕に収まっていた彼女は、目を丸くしたまま無言でこっちをじっと見てる。

 いきなり転びそうになったんだし、流石に怖かったかな?


「ごめんね。怪我とかはない?」

「はっ……は、はい……」


 改めて声をかけると、はっとした千麻(ちあさ)さんが顔を真っ赤にし、恥ずかしそうに目を逸らす。

 今日何度かこういった顔を見たけど、やっぱり可愛いと思う。こっちも恥ずかしくなるくらいには。


「じゃ、じゃあ、ゆっくり起こすね」

「い、いえ。結構です」


 ……え?


「結構です?」


 予想外の言葉に思わず問い返すと、彼女はちらっとこっちを見ると、僕に抱えられたまま、両手を胸の前で組みもじもじとする。


「あ、えっと、その……も、もう少し、こうしていては、駄目でしょうか……」


 え、えっと、何で?

 そう聞き返したくなったけど、実のところこの体勢は僕もあんまりバランスが良くない。

 特に腕一本で彼女を支えてるけど、僕も腕力に自信があるわけじゃないし。


 千麻(ちあさ)さんが重いかといえばそんなことはない。

 もう少しなら耐えられそうだけど……。


「そ、その、千麻(ちあさ)さんが軽いから少しなら良いけど、そんなに長くは持たないと思う。それでもいい?」


 正直にそう尋ねてみると、より顔を赤くした彼女は。


「おおおお、起こしてください!」


 突然、さっきまでと真逆の言葉を口にした。

 え? お、起こせばいいの?

 頭が混乱しそうになったけど、千麻(ちあさ)さんのどこか必死さを感じる態度も気になる。とりあえず急いで起こそう。


「わ、わかった。いくね」


 返事を待たず、僕は彼女の上半身を起こしながら、自身の足を閉じ立ち上がる。

 流石にここで千麻(ちあさ)さんが滑ってバランスを崩すといけないよね。

 立ち上がりながら、僕の胸に収まるよう彼女を背中向きで密着させ、両腕を胸の下に回し、しっかりと支え立ち上がらせた。


 千麻(ちあさ)さんの足もしっかり真っ直ぐになってるし、これなら大丈夫かも。


「これでどうかな?」


 彼女の耳元でそう尋ねてみると、びくりとした千麻(ちあさ)さん。


「……は、はい。す、素敵なのですが……その……」


 そのままこっちに顔を向けることなく、囁くくらいの声でおずおずと何かを伝えようとする。

 素敵っていうのはよくわかんないけど、何か気になることはあるのかな?


「何か問題があった?」

「あ、あの、その……か、下半身が密着しているのは、さ、流石に……」


 ……あ!?

 言われてみたら、僕の腰が彼女のお尻に密着しちゃってるじゃないか!


「ごごごご、ごめん!」


 慌てて両腕で千麻(ちあさ)さんの脇を抱え少し距離を離すと、その場でくるりと反転した千麻(ちあさ)さんが胸に飛び込んでくる。


「え? え?」


 思わず変な声をあげると。


「み、見ないでください」


 僕の胸に顔を埋めたまま、彼女は恥ずかしそうにそう言った。

 た、確かに今こんな顔を見られるのは僕だって恥ずかしい。絶対困った顔をしてるし。


「う、うん……」


 そう言いながら、僕は気持ちをごまかすように天井を見る。

 さ、流石に今のはいけなかったよね。もう少し気をつけないと……。

 頭に変な妄想が浮かびそうになるのを必死にごまかす。


 と、そんな中。


「きゃぁっ!」


 そんな僕を現実に引き戻したのは、岩良(いわよし)さんの悲鳴だった。

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