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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第九章:過去、現在、未来

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第13話:独りじゃない

 その歌は、はっきりと僕に過去を思い出させた。


 笑顔で過ごす回りのみんなと僕の間にある見えない壁。

 それは本当に悲しみしかない世界で。

 最初の頃はその壁にもまだ隙間があって、どこか申し訳なさそうな顔をしてた生徒達もいたけれど。気づけば外のみんなは、まるでこっちの世界なんて存在していないかのように、笑顔で楽しそうに友だちと過ごすようになっていた。


 そんな壁の向こうを見ながら、僕はつらい思いを堪えながら、同時にずっと思ってた。

 きっとあっちの世界にいる人は、僕に対して痛みも苦しみも感じていないんだって。


 僕はずっとそう思ってた。

 ううん。そう思わないとやっていかなかった。


 だけど、木原さんの歌は、そんな壁の向こう側を僕に教えてくれた。


『本当は、ずっとずっと謝りたかった。

 あなたに声を掛けたかった。

 だけど、私は怖かった。向こうに戻るのが怖かった。

 独りの悲しみを知っていたのに。


 本当は、ずっとずっと感謝していた。

 あなたが私に声を掛けてくれたことに。

 だけど、私は言えなかった。勇気を持つのが怖かった。

 あなたを苦しみを知っていたのに。 


 だから私は今でもずっと、苦しみ生きている。

 届けようのない、懺悔を胸に秘め』


 苦しそうに、辛そうに、まるで叫ぶかのような伸びやかな声で言葉を歌に乗せるASUKA。

 その裏にいるであろう、笑顔の下で苦しんでいた木原さん。


 僕だってなかった。

 無視された相手に話しかけにいく勇気なんて。

 僕がそうすれば、相手に迷惑がかかる。

 だったら独りがいい。独りでいい。

 そう思ってたから。


 結局、僕は木原さんを救えてなかったのかもしれない。

 僕は独りでいいと覚悟を決め、何も変えようとしなかった。

 そのせいで、彼女をずっと苦しめてたんだから。


 歌を耳にしながら、僕が口を真一文字に結び、奥歯をぎゅっと噛む。


優汰(ゆうた)君」


 ふと、歌を遮るように僕の名前を呼んだ千麻(ちあさ)さん。

 彼女を見ると、どこか悲壮感を漂わせている。


「この歌で、中学校の頃を思い浮かべましたか?」


 返事はしなかったけど、体は正直だった。

 ぎくりとした僕を見て、千麻(ちあさ)さんは不安そうな顔を隠すことなく、僕との距離を詰めると、両腕で僕をぎゅっと抱きしめた。


「え? 千麻(ちあさ)さん?」

「大丈夫です。辛い過去があったとして、今は私達がいます。もう優汰(ゆうた)君を独りになんてさせませんから。だから、安心してください」


 不安を見せないよう、胸元からこっちを見上げ、頑張って優しい笑顔を向けてくれる千麻(ちあさ)さん。

 ぎゅっと強くなる腕の力。それはまるで口にしたことは真実だって、必死に伝えようとしているようにも感じる。


 ……まったく。やっぱり僕は駄目だ。

 ASUKAの歌を聴いてこんな態度を見せたら、過去を重ねたのなんてバレバレじゃないか。

 今は千麻(ちあさ)さん達と楽しむためにここに来てるのに。


「……ごめん。心配かけて」


 彼女を腕で抱きしめ返すと、自分なりに笑顔を浮かべる。

 それを見て、千麻(ちあさ)さんは少し安堵した顔をすると、胸に頭を預けてきた。


 ……こうやってると、ちょっと落ち着くかも。

 みんながいう、僕に癒されるっていうのもこういうことなのかな。

 心の痛みが和らぎ、穏やかな気持ちでいると。


「ねえねえお母さん。あの二人、抱き合ってるよ」

「しーっ! そういうこと言わないの。さっさと行くわよ」


 近くを通りがかった親子の声が耳に届いた。

 はっとして周囲を見渡すと、こっちを見ていた人達がいそいそと歩き去っていく。

 思わず彼女と顔を見合わせると、顔が真っ赤になってる。勿論僕も。


「そ、そろそろ次の場所に行こうか?」

「そ、そうしましょう」


 互いにささっと離れた僕達は、お互い身を小さくしながら、こそこそとその場を後にした。


      ◆   ◇   ◆


「あ、先輩達。お帰りなさい」


 あの後もう少し施設内を見て回った僕達が、そのまま岩良(いわよし)さん達が休んでいた場所まで戻ると、既に岩良(いわよし)さんの脇に只野先輩も腰を下ろしていた。

 先輩の顔色もずいぶん良くなってる。ただ、思いっきり肩を落としてるけど。


「二人とも、迷惑をかけてすまんでござる」

「お気になさらないでください。気分はいかがですか?」

「お陰様で随分良くなったでござるが……済まぬが、しばらくは激しいアトラクションは避けてもらえぬか?」


 流石に絶叫系で疲弊しすぎたせいか。完全に只野先輩は萎えてるけど、確かに自分が苦手な物ばかり経験したら、流石に迷惑をかけた気持ちになるのかもしれない。


「僕は全然構わないけど。千麻(ちあさ)さんは?」

「はい。折角なのですから、みんなで楽しめるものにしましょう」

「そうですね! ちょっと私のリクエストも多かったし、今度は誰かリクエストしてくださいよ」


 岩良(いわよし)さんの提案に、僕達三人は顔を見合わせる。


「そういえば、二人は園内を見てきたようだが、良さそうなアトラクションはあったでござるか?」

「屋外はそこまでですが、屋内のアトラクションであれば良さそうなものが幾つか」

「じゃあ、みんなでそっちに行ってみましょっか?」

「そうだね」


 僕達四人は頷き合うと、そのままさっき千麻(ちあさ)さんと歩いてきた方にみんなで向かったんだ。

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