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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第九章:過去、現在、未来

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第7話:前後に華

「うわっ!」


 思わず変な声を出し肩越しに後ろを見ると。


()()()ー。やっと掴まえたぞ。ったく……」


 ほえほえとした感じの声で、目を閉じた喜世(きよ)さんが僕の首元で寝言を口にしたけど、そのまま聞こえたのはやっぱり寝息。

 でも、背中にぎゅっと押し当てられた体と、僕の胸を抱きしめている腕の力が、彼女の存在を強く感じさせる。


 特に、背中に当たってる胸の感触。

 沙和さんの柔らかさとは少し感じが違う、少し張りがある感じがする。

 って、僕は何を比較してるの!?


 自分があまりに酷いことを考えちゃって、凄く申し訳ない気持ちになる。

 ただ、手の沙和さんの胸の感触と背中の喜世(きよ)さんの胸の感触。これをずっと感じ続けてるのは変な気持ちになってくる。


 正直なんとかしたいけど、喜世(きよ)さんを振り払ったら、多分起こしちゃうよね。

 せ、せめて沙和さんだけでも離してもらったほうが……。

 

「もー。ちっちーってば寝ながら邪魔しちゃってさー」


 え? 邪魔?

 僕が沙和さんを見ると、彼女は苦笑いしながらこっちを見る。


「ね? ちなみにー、あーしとちっちーの胸、どっちが好き?」

「……え!?」

「だからー、あーしとちっちーの胸、どっちが好き?」


 え? え? え?

 胸が好きって!?


「ど、どういうこと?」

「それはー、大きさとかー、柔らかさとか?」


 沙和さんがにんまりしながらこう言ってくるけど。

 す、好きっていうより恥ずかしさが勝ってるし、やっぱりどっちがいいとかよくわかんないし。


「そ、その、正直、恥ずかしくってよくわかんないよ」


 僕が困った顔をすると、彼女は表情を一変し、にししっと笑う。


「だよねー。良かったー。きよっちのほうが良いって言われなくってー」


 そう言いながら、沙和さんは僕の手を胸から離すと、そのまま解放してくれる。

 ほっ。良かった──え!?


 ほっとしたのもつかの間。

 沙和さんがもぞもぞっと前に出ると、喜世(きよ)さんに負けないと言わんばかりに僕に抱きついてきた。


「さささ、沙和さん!?」

「きよっちばっかズルいじゃん。あーしもいーっぱい優くんにくっついて堪能しないとねー」


 さっきまで手にあった感触は胸に移り、僕の顔の隣には彼女の顔がある。

 横目に見える綺麗な金髪。さっきより強く感じるいい香り。

 前にも後ろにも感じる、二人の美少女の存在。


 ……そ、そういえば、前に瑠音(ると)さんと千麻(ちあさ)さんと寝た時も、こんな感じになってたっけ。

 ど、どうしよう?

 そ、そうだ! や、やっぱりは羊! 羊だよね!?


 僕は前と同じく心を落ち着かせるべくまた羊を数え始める。

 羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹……。

 うん。また気持ちがふわふわしてきた。そうそう。このまま数えていけば。

 羊が四匹、羊が五匹……羊が……六……。


「優くん。その、あーしね。実は、優くんのこと……」


 何か沙和さんが耳元で囁いた気がするけど、ぼんやりした頭に入ってこない。

 えっと、彼女は何を言って……。


      ◆   ◇   ◆


 結局、僕はあの後寝ちゃってたみたいで、次に目を覚ましたときには、二人とも僕に背を向けて寝てくれてて、あの刺激がなくなったことにほっとした。

 既に朝日は昇ってたから、前と同じく二人を起こさないように一人部屋を出た。


 キッチンにはやっぱり千麻(ちあさ)さんが起きてたんだけど、僕が起きるのが前より遅かったせいで、既に朝食を作り終えてたみたい。

 彼女にお礼を言って少し雑談していると、ほどなくしてみんなも起きてきて、そのままダイニングのテーブルに着き朝食を食べることになった。


「ね? ね? ちなみに例の旅行なんだけどさー。今年のお祭りの日って調べてる?」

「確か、七月二十七日だったかと」


 千麻(ちあさ)さんの用意してくれたトーストを食べ終えた沙和さんの質問に、彼女の向かいで紅茶を口にし終えた千麻(ちあさ)さんがそう教えてくれる。


「夏休みは二十日からだったよな?」

「そうね。(わたくし)は既にスケジュールを空けているけれど。どこかで旅行の買い出しもしないといけないわね」

「だよねー。あーっ! 早く夏休みが来ないかなーっ!」


 喜世(きよ)さん達の説明に、沙和さんが心底嬉しそうに伸びをしたけど、そんな現実を打ち砕くように、瑠音(ると)さんの隣に座る千麻(ちあさ)さんは落ち着いた表情でこう告げた。


「その前に、期末テストを何とかしないといけませんが」


 そういえば。

 確か、来月には期末テストがあるんだけど、その成績が悪かったら、七月中は補習させられるって話だったような……。

 彼女の言葉を聞いて、ぎくっとしたのは沙和さんだけじゃない。

 名前の上がらなかった喜世(きよ)さんも勿論、ヤバいって顔をしてる。


「二人とも。テスト勉強は忘れておりませんわよね?」


 千麻(ちあさ)さん同様、至極落ち着いた表情のまま問いかけた瑠音(ると)さんが紅茶を飲み始めると、沙和さんと喜世(きよ)さんは互いにバツの悪そうな顔をすると、くるりと一人で座っている僕を見た。


「ね? 優くーん」

「その、悪いんだけど。テスト勉強、付き合ってくれねーか?」


 互いに両手を合わせ、沙和さんはてへっとしながら、喜世(きよ)さんは申し訳なさそうに頭を下げてくる。


「うん。僕は構わないけど」


 迷わずそう返した僕を見て、瞬間笑顔を見せた二人。

 だけど、逆にため息を漏らしたのは瑠音(ると)さんと千麻(ちあさ)さんだった。


「私達にはお願いしないのですね」

「そのようね。じゃあ、旅行は私達(わたくしたち)三人だけで行くことにしましょうか」

「えーっ!」

「お、おい! そりゃねえだろ!」


 突然の宣告に思わず抗議の声を上げた沙和さん達。だけど瑠音(ると)さんが澄まし顔のまま。


「あら。私達(わたくしたち)を無視して、またも優汰(ゆうた)様と三人で勉強するつもりだったのでしょう?」

「昨晩だって、二人は優汰(ゆうた)くんを堪能したばかり。そのうえでまた独占するとなれば、瑠音(ると)だって不満も覚えます。ですよね? 優汰(ゆうた)君」

「え?」


 えっと、そうなの?

 正直よくわかってないけど、瑠音(ると)さんが不満そうな顔をしているのは間違いない。

 うーん、ここは……。


「そ、そうかも。だったら、またみんなで勉強会をして、二人も無事テストの成績を良くして、みんなで旅行に行こう? 僕もそのほうが嬉しいし」

「う、うんうん! やっぱそれが良いよねー! ね? 喜世(きよ)?」

「だ、だな! 瑠音(ると)千麻(ちあさ)もそれでいいだろ?」


 必死にその場を取り繕う二人を見て、瑠音(ると)さんと千麻(ちあさ)さんがくすくすと笑い出す。


 これだったら流石に大丈夫だよね?

 僕は四人のバタバタを見ながら、すっかり昨日の話を忘れ、みんなとの時間を楽しんだんだ。

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