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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第八章:TOP4との放課後デート

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第22話:喜世の母親

「ん?」


 喜世(きよ)さん達がインターホンの音で顔を上げた直後。


「ただいまー」


 玄関が開く音と共に、どこか落ち着いた大人の女性の声がした。

 その瞬間。


「お母さんだ!」


 (あおい)ちゃんの声に合わせたかのように、(ばく)君達三人が立ち上がると、居間を出て玄関に駆け出して行った。


「母ちゃんお帰り!」

「お帰り!」

「お帰りなさい!」

「ただいまー」


 (ばく)君、琉武(るむ)君、(あおい)ちゃんが順に声を掛けると、お母さんらしき人が優しい声で返事をする。


「悪い。優汰(ゆうた)。ちょっと待ってろ」

「うん」


 喜世(きよ)さんも立ち上がると廊下に歩いていき、居間に残ったのは僕だけ。

 ……喜世(きよ)さんのお母さんか。粗相のないようにしないと。

 少し緊張しながら姿勢を正し、そのまま廊下の方の会話に耳をすませる。


「お袋、お帰り」

「ただいまー。ごめんなさいね急に」

「いいって。仕事なんだから仕方ないだろ」

「まあね」

「それより母ちゃん! 今日は姉貴の彼氏を連れてきたんだぜ!」

「え? 彼氏って、有内(ありうち)君?」

「そうそう! 喜世(きよ)ねえのお手伝いだって」

「おい! 彼氏じゃねえって言ってんだろ!」

「そうだよ。(あおい)の将来のお嫁さんだもん」

「それも違うだろ!」


 喜世(きよ)さんがまた兄弟に振り回されてる。

 とはいえ、流石に僕もお嫁さん候補にされてるのはびっくりかも。

 まあ、子供ってその時勢いで色々言うし、きっと僕や喜世(きよ)さんくらいの学年になれば、別に好きな人もできると思う。こういう時は話半分に思っておいたほうがいいかな。


 それより、お母さんまで名前を知ってるんだ。

 つまり、喜世(きよ)さんって僕のことを家族みんなに話してるってことかな?

 でも、一体どこまで話してるんだろう。ちょっと気になるかも。


「もう。喜世(きよ)。もう迷惑をかけたの?」

「ち、ちげーって。あいつが自分で夕食とか作るの手伝おうかって言ってくれたんだよ」

「あら。そんな事を言ってくれたの? でも、(ばく)達が放っておかないのくらいわかってたでしょ」

「ああ。でも優汰(ゆうた)の奴、それでも構わねえーっていうから、それで……」


 声は近づいてきたけど、声量は落ちていく喜世(きよ)さん。

 彼女が伝えてくれた内容は事実。誤解のないようにちゃんと説明しないとかな。

 気構えて待っていると、廊下からついに喜世(きよ)さんのお母さんが姿を見せた。


 見た目にレディースのスーツを着た、ぱっと見キャリアウーマンっぽい服装。

 その顔は(ばく)君達同様、喜世(きよ)さんの家族だってわかるくらい彼女に似てる。


「お邪魔しています」

「いらっしゃい」


 僕が正座のまま頭を下げると、喜世(きよ)さんのお母さんはうちのお母さんにも似た優しい声で応えてくれる。


「ほら。堅苦しい挨拶はなしよ。頭を上げて」


  喜世(きよ)さんのお母さんの気遣いに感謝しながら顔を上げると、彼女は座卓の反対側に回り、僕の向かいに正座した。


「私は荒井(あらい)響子(きょうこ)よ」

有内(ありうち)優汰(ゆうた)です。本日は急に押しかけちゃってすいません」

「こっちこそ。喜世(きよ)が迷惑をかけたみたいで」

「そんなことないです。さっき喜世(きよ)さんが話してた通り、僕が手伝いたいって言い出したので」

「さっきまでお兄ちゃん達、マルカー遊んでもらってたんだよー」

「ま、遊んでやったのは俺達だけど。な? 琉武(るむ)

「まーなー」


 お母さんの隣に座った(ばく)君と琉武(るむ)君。

 (あおい)ちゃんと喜世(きよ)さんは、流れでそのままさっきと同じく僕の脇に座る。


「あら。二人の相手は大変だったでしょう?」

「そんなことないですよ。僕がゲーム下手で、色々教わってたくらいですし。二人のほうが大変だったと思います」

「ま、お陰で夕食の準備も捗ったし、ほんと助かったけどな」


 喜世(きよ)さんを見ると、彼女はどこか自慢げに笑ってる。

 僕自身、そこまでの事をしたつもりはさらさらないんだけどね。


「ほんと。わざわざ娘のためにありがとうね」

「いえ。こちらこそ夕食を御馳走になっちゃってすいません」

「そんなの構わないわよ。一人分増えたくらいなら、そんなに変わらないわよ。ね? 喜世(きよ)

「まあな」


 今の台詞回しとか言い方なんかは、やっぱり二人は親子だって感じがする。

 お母さんも喜世(きよ)さんに似て人が良さそうだし、ちょっと安心するかも。


「ちなみに、有内(ありうち)君の家は遠いの?」

「いえ。ここから歩いて十分くらいです」

「そうなの。じゃ、折角だしもう少しゆっくりしてちょうだい。折角喜世(きよ)の手料理も食べているんだからたくさん食べてね」

「食べすぎて動けねえ時は、お袋の車で送ってやるからよ」

「流石にそこまで迷惑はかけられないから。程々にしとくよ」


 喜世(きよ)さんのことだし、無理強いしておかわりさせるなんてことはしないだろうけど。それでも食べすぎて動けないなんて姿、他人の親に見せるわけにいかないしね。

 そんな僕の言葉を聞いた響子さんは、こっちを見ながらにっこり笑うと。


「これは、何が何でも土曜日ちゃんとあがらないとね」


 なんて口にした。

 え? 土曜日って、確か仕事が入ってるって日だっけ。

 予想外の言葉に、喜世(きよ)さんもちょっと驚いてみせる。


「は? お袋、こないだ言ってたろ。仕事で何かあったら残業だって」

「ええ。だから、何かあった時のトラブル対応時に代わりに出れる人を調整するわ」

「そ、そこまでしたら職場に迷惑がかかるだろ」


 喜世(きよ)さんが戸惑いの顔を見せると、響子さんがにんまりとする。


喜世(きよ)。確か土曜日って、皆さんも一緒なのよね?」

「あ、ああ。沙和達も一緒だけど」

「だったら尚の事よ。()()()()()わけにいかないでしょ?」

「え? 遅れを取る、ですか?」


 突然出てきた言葉に、思わずそんな問いが口から突いて出てしまう。

 すると、響子さんは再び僕を見た。


「ええ。()()として一緒の時間を過ごすのも、より仲良くなるために必要だもの。娘だけのけものは可哀相でしょ?」


 なんか友達って言葉を強調されたけど、表情を見るとどこか意味深な感じがする。

 裏の意図があるのかな?


「そ、そうだな! せっかくみんなでいられるんだしよ。お袋がそう言ってくれるなら、お言葉に甘えねえと。な? 優汰(ゆうた)

「え? あ、う、うん」


 色々勘繰りそうになる僕の思考を遮るように喜世(きよ)さんがこっちの肩をバンバンと叩きながらそんなことを言ってくる。

 勢いで返事しちゃったけど、なんか焦ってる気もする……。


「お姉ちゃん! 優汰(ゆうた)さんは(あおい)のものなんだから。抜け駆けは駄目だからね!」

「お、お前のものじゃねえ! みんなものもだからな!」

「そうだそうだ! 俺のマルカー友達だし」

「そうそう! 俺と(ばく)兄ちゃんとまた遊ぶんだから! (あおい)だけに独占させねえぞ」


 (あおい)ちゃんの言葉に反応し、(ばく)君と琉武(るむ)君も口を挟んできたけど、そういう話題だったっけ?

 同じ疑問を覚えたのか。響子さんが子供達の会話を聞いてふっと笑う。


「そうね。じゃ、まずはご飯を食べたら、もう少しみんなで遊んでもらいましょうか」

「はーい!」


 響子さんの言葉に、素直に返事をした子供達三人は、そのままカレーを食べ始める。


 まあ、それでいいなら構わないけど。

 なんとなくごまかされた気持ちになりながら、僕は響子さんの意味深な笑みを見つめていた。

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