表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第六章:注目の的

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/235

第25話:結末

 り、麟太郎(りんたろう)!?

 僕は或人(あると)さんから()()()()の名前を口にされたことに、驚きを隠せなかった。

 でも、さっきの涙声は間違いなくお母さん。ってことは、或人(あると)さんは両親と一緒ってこと!?


『まあな。あいつは本当に優しすぎるんだよ』

『ふっ。だからこそ、瑠音(ると)の目にも留まるか』


 ディスプレイの画面がズームアウトすると、背もたれ越しに両親を見ながら会話する或人(あると)さんの後ろのソファに、僕の両親が映し出された。


 ほ、本当に、お父さんとお母さん!?

 ただただ呆然としていると、涙をハンカチで拭っていたお母さんと、それを慰めていたお父さんがこっちに顔を向ける。


優汰(ゆうた)。久しぶりだな』

「あ、うん。久しぶり」

『お前から友達ができたとは聞いてたが、まさかこんな可愛らしい女子四人とはな。何で話してくれなかった』

「ご、ごめん。急にそんな話をしたら、驚かせちゃいそうだし……」

優汰(ゆうた)。ちゃんとご飯は食べてる? 学校は辛くない? みなさんと仲良く出来てるの?』


 お父さんとの会話を遮り、お母さんが矢継ぎ早に質問を繰り返してくる。

 相変わらずの心配性。この反応を見れば、絶対別人だなんて流石に思わない。


「あ、う、うん。全部大丈夫だよ」


 予想外すぎる展開に頭がついていってない。

 何でこんなことになってるんだろう?


「も、もしかして……あれって、優くんのパパチとママチ?」

「う、うん」


 急展開に唖然としていた沙和さんに、僕も放心しながら答えていると。


「ゆゆゆゆ、優汰(ゆうた)様の、ご両親!?」


 目を皿のように丸くし大声で叫んだ瑠音(ると)さんが、突然その場で土下座し──ど、土下座!?


「る、瑠音(ると)さん!?」

「ま。まさか優汰(ゆうた)様をこの世に生み出した創造神とお会いできるなんて……」


 そ、創造神?

 いちいち瑠音(ると)さんの反応が大げさすぎて、僕がぽかーんとしてしまう。


『る、瑠音(ると)。流石にそれはやりすぎ──』

「お父様! 創造神の前で図が高過ぎますわ! ちゃんと頭をお下げください!」


 さっきまで威圧されていた彼女はどこへやら。

 平伏したまま或人(あると)さんを説教している。

 いやいや。図が高いって……。


 思わず困って沙和さん達に目を向けると──!?


「ちょ、マ!?」


 驚きの声を上げた沙和さんもまた、その場で華麗なジャンピング土下座を決めた。


「ああああ、あーし、優くんの友達の武氏(たけうし)沙和です! スリーサイズは上から95、 57、92で、趣味はショッピングとカラオケです!」


 え? え? 沙和さんはなんで急に自己紹介してるの?

 っていうか、気づいたら喜世(きよ)さんもその脇で土下座してる!?


「あああ、えっと、荒井喜世(きよ)です! 優汰(ゆうた)君には普段から本当にお世話になりっぱなしですが、これからも末永く一緒にいたいと思ってます!」


 す、末永く一緒に?

 ま、まあ、友達としてずっと一緒にいてくれるのは嬉しいけど……。

 あ、あれ?

 千麻(ちあさ)さんまで正座した後、三つ指を突いてる……。


「わ、私、長月千麻(ちあさ)と申します。不束者ではございますが、どうぞこれからもよろしくお願い致します」


 て、丁寧な挨拶をしてるのは千麻(ちあさ)さんらしいけど、そこまでかしこまらなくっても……。


 部屋の中で立っているのは僕一人。

 この異様な光景に何も言えなくなり、僕は思わず助けを乞うようにディスプレイの向こうにいるお父さん達を見た。


『ああ。皆さん本当に礼儀正しくて、優汰(ゆうた)には勿体ないわ……うう……』


 お母さんはみんなの土下座を見て感極まったのか。またハンカチで涙を拭ってる。

 お父さんと或人(あると)さんは顔を見合わせると苦笑いし困ってる。


『お、お嬢さん達。どうか立ってもらえないかな? 優汰(ゆうた)もどうすればいいか、困ってるし……』


 うん。本気で困ってる。


「え、えっと。お父さんもああ言ってるし。立ってもらっていい?」


 平伏したまま顔をこちらに向けた四人に苦笑いを返すと。


「お、おっけー」

「わ、わかった」

「承知しました」

「か、神がお許しになられるのなら……」


 と、それぞれ緊張した面持ちで立ち上がると、軽く制服を払う。

 ふぅ……一体何が起こったのかと思った。

 肩の荷がおりた僕は、額の汗を袖で拭うとほっと一息()く。


「そ、それより、何でお父さんとお母さんがそこにいるの?」


 素直にそう尋ねると、口を開いたのは笑顔の或人(あると)さんだった。


『驚かせて済まない。瑠音(ると)から君の話を聞いた時に名前を聞いたのだが、有内(ありうち)優汰(ゆうた)という名前に心当たりがあってね。それで麟太郎(りんたろう)に声を掛けたんだよ』

『俺と或人(あると)は学生時代に海外留学した時に知り合ってな。互いに子供が生まれてからやや疎遠気味だったんだが。急にお前の名前を口にされてな。それで今日この場に呼ばれたんだ。本当にお前かどうか確認してほしいって言われてな』


 映像に映るお父さんは普段通りの笑顔。或人(あると)さんもさっきまでと打って変わって笑みが漏れている。

 

『しかし、まさかお前が麗杜(うららと)家のお嬢さんと知り合いだとは思わなかったぞ。どこで知り合ったんだ?』

「あ、えっと。遊んでたネットゲームで」

『ああ。確かファンタジーなんたらってやつか。他の三人もそうか?』

「う、うん。それで、最近同じ学校に通ってるって知って、それで友達になってもらったんだ」

『まさか、あなたにこんな素敵なお友達ができるなんて……母さん、嬉しくて嬉しくって……ううう……』


 あーあ。お母さんまた泣き出しちゃった。

 最近ほんと涙脆くなったんだよね。

 ほら。お父さんや或人(あると)さんが困ってるじゃないか。


 微妙な空気を仕切り直すようにコホンと咳払いした或人(あると)さんが、こっちに顔を向けてくる。


優汰(ゆうた)君。ひとつ聞かせてほしいんだが』

「は、はい」

『君は何故、瑠音(ると)のためにここまでしようとしたんだ?』


 何故ここまでって言われたら、それは決まってる。


「その、僕にとって瑠音(ると)さんも、沙和さん達みんなも、僕にとって大切な友達だからです」

『そうか』


 どこか満足そうに笑みを浮かべた或人(あると)さんが、一度真顔に戻る。


『正直、君の話は論理的ではない。筋道だっているわけでもなく、急な自分語りや他のご令嬢の話を急に出すなど、一貫性もない。言ってしまえば支離滅裂。しかも、私を説得するはずなのに煽りまでしていたのだ。お世辞にも褒められたものじゃない』


 ……言われてみれば。

 僕なりに整理して話したつもりだったけど、結局感情的になっちゃったし、勢いで話をしちゃってた。

 あれで僕の思いや瑠音(ると)さんの気持ちを伝えようなんて、無理に決まってるじゃないか。


「お、お父様。いくらなんでもその言いようは──」

『だが』


 瑠音(ると)さんが思わず何か言おうとしたけれど、或人(あると)さんがそれを遮ると、にこりと微笑んだ。


『自身の辛い過去を曝け出してでも瑠音(ると)の辛さを代弁しようとし、娘のために必死に私を説得しようとした熱意は十分感じた。だからこそ、他のご令嬢をも動かしたのだろうな』


 彼は僕達を一瞥すると、瑠音(ると)さんの方を見る。


瑠音(ると)よ。優汰(ゆうた)君の熱意に免じ、今回はお前の好きにさせてやろう』

「ほ、本当ですか?」

『うむ。だがよいのか? この機を逃せば、お前が優汰(ゆうた)君の婚約者(フィアンセ)になる機会がなくなるかもしれんが……』


 ……え?


「僕が婚約者(フィアンセ)?」


 よくよく考えてみたら、或人(あると)さんって、瑠音(ると)さんに恋人がいるならそっちを婚約者(フィアンセ)とする、みたいな理由があって彼女に僕を紹介させたのかも。

 恋仲を割くだけなら、わざわざ顔見せなんてなくてもいくらでもできそうだもんね。


 だけど、瑠音(ると)さんは元々自分で自由に恋をしたいから縁談を断りたかったんだよね?

 隣の彼女を見ると、急に顔を赤くして恥じらいながら、僕の方をちらちらと見てる。

 あれ? なんでこんな反応──。


「る、るとっちー。優くんの頑張りを無駄にする気ー!?」

「そ、そうだぜ。だいたいお前と同じで、優汰(ゆうた)だって自由に恋をしたいに決まってるだろ?」

「そ、そうですよ。だいたい私達は文化祭で選ばれなかった身。誰が選ばれるかの勝負の最中ではありませんか」


 どこか慌てながら沙和さん達が瑠音(ると)さんを引き留めようとしてる。

 確かに千麻(ちあさ)さんの言ってたような話はあったけど、それが断る理由なの?


 色々疑問があるけれど、さっきまでの展開もあって混乱してて頭が整理できない。

 えっと、これって結局、どうなるの?

 僕が困った顔で様子を窺っていると、瑠音(ると)さんがひとつため息を漏らすと。


「お父様。残念ながら、(わたくし)の青春はこれからですので。いつか改めて、自らの恋人を紹介できるように致しますわ」


 どこか決意を決めたような顔でそう宣言した。


『そうか。願わくば、優汰(ゆうた)君のような相手を選ぶことを願っているぞ』

「……はい」


 しっかり頷いた彼女を見て、或人(あると)さんは満足そうな顔をする。


『では、今日の話はここまでだ。麟太郎(りんたろう)。優子さん。よろしいかな』

『ああ』


 或人(あると)さんが後ろの両親に声をかけると、二人が僕に顔を向けた。


優汰(ゆうた)。せっかくできた友達なんだ。大事にするんだぞ』

『素敵なお嬢さん達に、迷惑をかけちゃ駄目よ』


 笑顔のお父さんと心配そうなお母さん。

 またしばらく会えないかも。そう思うと少しさみしい気持ちになったけど、


「うん。気をつけるよ。お父さんとお母さんも仲良くしてね」


 僕はそんな言葉を送ることで、未練を断ち切った。


『では今日はここ失礼する瑠音(ると)。また後でな』

「はい」

「あ、或人(あると)さん」


 話が終わりそうになった瞬間、僕は思わずアルトさんを呼び止める。


『どうした?』

「あ、あの……。瑠音(ると)さんの願いを聞いてくれて、ありがとうございました」

『……こちらこそ。では』


 僕が感謝の気持を伝えると、或人(あると)さんがこりと微笑むと、そのまま画面が切れ、部屋の電気が明るくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ