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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第六章:注目の的

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第24話:サプライズ×サプライズ

 え? この声って?

 僕が思わずドアの方を見ると、そこに立っていたのは真剣な顔をした一人の美少女だった。

 金髪のポニーテールに褐色の肌。最近見慣れたやや着崩した制服姿。

 この姿にさっきの声。間違いない。


「沙和!?」


 僕より前に名前を呼んだ瑠音(ると)さんの声に反応し、視線をそっちに向けた彼女は無言で小さく頷く。


「ったく。沙和。動くにしても唐突すぎだろって」

「本当ですよ。まったく。声がけの一つもせず飛び出すなんて……」


 その後ろから姿を見せた二人もまた、僕にとって見慣れた相手。

 喜世(きよ)さんと千麻(ちあさ)さんだ。

 二人は沙和さんを見ながら呆れ顔をしているけど。


「ちっちーときよっちが遅いだけじゃん」


 彼女はさらっと、そんな一言で片付けた。


 でも、なんでみんながここに!?

 戸惑いが強すぎてその場で呆然としていると。


『君達は……』

「おじさん。どもでーす!」


 或人(あると)さんからも驚きの声を漏らす中、部屋に入り僕に並んだ沙和さんは、びしっと腕を伸ばし逆ピースをしながら、普段通りの笑顔で軽く挨拶を交わす。


「ご無沙汰しております」

「勝手に押しかけてすいません」


 彼女の後ろに並んだ千麻(ちあさ)さんと喜世(きよ)さんは丁寧に会釈する。


『君達が何の用だね』


 ディスプレイ越しの或人(あると)さんが、そう尋ねると。


「あれー? おじさん知らないの? 『優くんのピンチにTOP4あり』。有名な言葉だよ?」

「……そんな事言ったことあったか?」

「いえ。初耳ですね」


 僕も初耳だけど……。

 後ろでこそこそと話す喜世(きよ)さんと千麻(ちあさ)さんと同じ気持ちになっていたけど、沙和さんは彼女達を意に介すことなく、両腕を組み話を始めた。


「でもさー。おじさんって酷いよねー」

『俺が酷いだと?』

「うん。優くんの人柄の良さを見抜けてないしー。優くんがあーし達のことで嘘を()いてるなんて疑っちゃってさー。そんな事を言われたらさー。るとっちだって傷つくじゃん、ね?」

「え? え、ええ」


 突然話題を振られ、僕を挟んで反対に立っていた瑠音(ると)さんは戸惑いながら返事する。

 正直、今なんでこんなことになってるのか。僕以上に困惑しているに違いない。


「いーい? おじさん。あーし達はるとっちとこれからも友達でいたいわけ。もち、恋をしたら応援もしたいしー、せっかくあーし達と友だちになった優くんとも、もっと仲良くしたいんだよねー。でもー、るとっちに急に婚約者(フィアンセ)ができたりしたら、そうもいかないじゃん?」

『いつか人の関係など変わるもの。遅かれ早かれそのような時は来る──』

「けど、今じゃなくたってよくなーい?」


 いつになく堂々とした沙和さんは、ふくれっ面をしながらじっと或人(あると)さんを見つめた。


「あーし達はるとっちの幼馴染。そして、最近になってそこに優くんっていう、とーっても素敵で、めーっちゃ優しい友達ができたわけ。あーし達はまだ恋人いないしー。優くんはいじめのせいでこれまで学校生活楽しめてなかった。だからー、あーし達みんなで、これからもーっとアオハルしよーって話してたんだよ? そこにおじさんがわがまま言って割って入るの、あーしは許せないわけ」

瑠音(ると)の事情を知った後、。私は先日優汰(ゆうた)君にこんな話をしました。『できれば私はもう少し、みんなとの関係が今のまま続いてくれたら』と。先程、優汰(ゆうた)君は私達の言葉を代弁してくれましたが、今こうやって瑠音(ると)のために必死に或人(あると)様を説得されていたのも、彼の優しさなのです」


 千麻(ちあさ)さんが一歩前に出て沙和さんに並ぶと、普段の彼女らしい落ち着きを見せながらそう離してくれる。


或人(あると)さん。こいつは自分で言ってた通り、中学校で無視され続けて、ずっと友達がいなかったんです。俺達と友達になる時だって、うまくやれるかってずっと不安を抱えてて。それでも友達のためにって、色々思いやってくれたり、一生懸命応援してくれる奴なんです。瑠音(ると)だってそう思ったからこそ、恋人役を優汰(ゆうた)に頼んだし、こいつも一旦は受け入れたんです」

『だが、優汰(ゆうた)は嘘を()いた』

「そのとおりです」


 喜世(きよ)さんもまた沙和さんと僕の間に立つと、こっちに顔を向けてくる。

 

優汰(ゆうた)。お前、さっき瑠音(ると)に嘘を吐いてもらったっていってたけどよ。お前からすりゃ恋人であることが嘘だっただろ?」

「う、うん」

瑠音(ると)のお願いを一度は聞いておきながら、何で嘘を突き通さなかったんだ? 或人(あると)さんと話したかった以外にも、理由があんじゃねえか?」


 ……喜世(きよ)さんは、本当に僕のことをよくわかってる。

 真剣な顔でこう切り出されたら、本当の理由を言わないとだよね。

 僕は背筋を正すと、或人(あると)さんに向き直った。


「僕は……僕が恋人だって嘘を()いたら、きっと信頼されないって思ったんです」

『では、何故娘に嘘を()いてもらったなどと言った?』

「その……瑠音(ると)さんが自分の意志で嘘を()いたと知ったら、お父さんに怒られるんじゃないかなって思って」


 そう。

 僕があんな風に嘘を()いたのも、その上で恋人じゃないと真実を告げたのも、こんな理由だった。


優汰(ゆうた)様……」


 どこから嬉しそうな声で僕の名前を呟く瑠音(ると)さん。

 彼女を見ると、目を潤ませ泣きそうな顔をしてる。


「ごめんね。驚かせちゃって」

「いいえ。(わたくし)貴方様(あなたさま)にここまでお気遣いいただけただけで……とても嬉しゅうございます」


 僕が苦笑いすると、彼女は首を横に振ると指で目尻の涙を拭微笑んでくる。


「おじさん。優くんはー、あーし達のことで嘘なんて()いてないし、おじさん以上にるとっちのことを考えてくれてる。これでわかったっしょ?」

「確かに、瑠音(ると)は将来麗杜(うららと)家の跡取りとなる。だからこその心づもりもあるかと思います。ですが、どうかもう少し、瑠音(ると)を信じ自由にさせていただけませんか?」

「俺からもお願いします。或人(あると)さんが本気で瑠音(ると)のことを思ってるってなら、こいつを信じて好きにさせてやってください。瑠音(ると)なら或人(あると)さんのお眼鏡に叶う相手、ちゃんと選ぶはずなんで」

「お願いしまーす!」


 三者三様にディスプレイに向け頭を下げると、それを見た瑠音(ると)さんがぎゅっと唇を噛むと、或人(あると)さんに向き直る。


「お父様。本来このような話は、(わたくし)から口にせねばいけなかったこと。優汰(ゆうた)様も、沙和、喜世(きよ)千麻(ちあさ)も、不甲斐ない(わたくし)のために尽力してくださっただけ。何も悪くございません。……(わたくし)がお父様の決断に意見するなど許されるものではありませんが、どうか。どうかこの件だけは、(わたくし)の自由にさせていただけませんか? お願い致します!」


 深々と頭を下げる瑠音(ると)さんをしばらくじっと見ていた或人(あると)さんが、ふっと優しい笑顔を見せ目を細める。

 と、その瞬間。


『う、ううう……』


 何処かから、急に誰かの嗚咽が聞こえてきた。

 え? 誰だろう?

 周囲を見たって僕達しかいないし誰も泣いてない。ってことは、或人(あると)さん……は、泣いてないよね?

 僕達が思わず顔を見合わせていると、突然こんな会話が耳に届いた。


『ああ……優汰(ゆうた)に、こんな素敵なお友達ができたなんて……』

『母さん。いくらなんでもこんな所で泣くもんじゃないって』


 ……へ?

 泣いているであろう声の主は、間違いなく僕の名前を呼んだ。

 それだけじゃない。最近ご無沙汰ではあるけれど、僕はこの二人の声を聴き間違うはずなんてない。

 でも、どうして? 本当にそこにいるの!?


 僕が目を丸くしたのを見て、或人(あると)さんがにやりと笑う。

 そして、あの人はカメラの外の方を見てこう言ったんだ。


『お前が言っていた通り、優しい()()だな。麟太郎(りんたろう)

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