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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第六章:注目の的

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第12話:普段と違う三人

「優くーん! やっほー!」


 僕の姿を見て、服装に似合わず元気に手を振ったのは、間違いなく沙和さんだと思う。

 きっと彼女の左側で何も言わず両手を組んで立っているのは瑠音(ると)さんで、右側で両手を足の前で合わせ立っているのは千麻(ちあさ)さんかな。

 ただ、ぱっと見やっぱり普段の三人と違いすぎて、なんかまだピンとこない。


「こんにちは」

「ごきげんよう」


 僕が車の側まで来ると、残った二人も挨拶をしてくる。

 声を聞いた限り、さっき予想した通りの並び順だ。


「こんにちは。三人とも応援に来てたの?」

「うん。そうだよー」

「それより、優汰(ゆうた)様は会場に着くのが随分遅かったのね」

「あ、うん。ちょっと電車の乗り換えに失敗しちゃったり、困ってたお婆ちゃん助けてたら時間がかかっちゃって」


「人助けをして遅れる辺り、やはり優汰(ゆうた)君はお優しいですね」


 千麻(ちあさ)さんがくすりと小さく笑ったけど、それでちょっと気恥ずかしくって、僕はその場で頭を掻く。


「でも、この間は応援には来ないって言ってたよね」

「そうね」

「だったらどうして?」

「きっかけは、やはりあなたでしょうか」

「え? 僕?」

「はい」


 千麻(ちあさ)さんの言葉に、僕は首を傾げた。

 僕がきっかけって言うけど、自分で行きたいなと思ったから行こうって思っただけなんだけど。

 そんな僕に対し、沙和さんがサングラスをずらしこっちを見た。


「ちっちーから、優くんが頑張って応援に行きたいーって聞いて、思っちゃったんだよねー」

「思ったって、どんな事を?」

私達(わたくしたち)は、確かにTOP4と呼ばれるまでに人気になってしまったわ。だけれど、それを理由に古くからの友達への応援を渋ってよいのか。そう考えたのよ」

「でも、これまでだってちゃんと喜世(きよ)さん達のことを考えて自粛していたんだし、無理をしなくてもよかったんじゃない?」

「そうだとは思います。ですが、本音を言えば、私達もまた優汰(ゆうた)君同様、友達を応援したい気持ちはあったのです」

「でさー。優くんも行くっていうならー、あーし達も頑張ろってなったわけ」


 言われてみれば、みんなは僕なんかよりずっと前から友達なんだ。

 そんな相手が頑張るって時に、応援したいって気持ちがあるのは確かに自然だと思うし、それを我慢してきてたのもまた負い目だったのかも。


「それで、みんなと同じような格好の人を集めたの?」

「ええ。普段と違う格好にするだけじゃなく、より多くの人に紛れれば、私達(わたくしたち)が応援に来ていると考えにくいと考えたのよ」

「そ。木を隠すなら青森ってね!」


 瑠音(ると)酸の説明に沙和さんがドヤ顔で補足したけど、それって……。


「沙和。それを言うなら、木を隠すなら森の中ですわ」


 ……だよね。

 瑠音(ると)さんが呆れながらそう口にすると、沙和さんがてへへっと舌を出す。

 せっかく大人びた服装をしてても、中身が変わるわけじゃない。

 ただ、そんなギャップのせいで、普段とは違う可愛さがあるけど。


「とはいえ、今回の森は流石に目立ちすぎですけどね」

「し、仕方ないじゃないの。時間も限られていたのよ。あそこまで揃えただけでも褒めてほしいくらいよ」

「そーそー。『優汰(ゆうた)様が行かれるというのに、私達(わたくしたち)が指を加えて見ているなどありえませんわ!』なんてやる気出してたもんねー」


 ……え?

 口に手を当てにししっと笑う沙和さんを見て、はっとした瑠音(ると)さんが慌てて僕を見る。


「い、いえ。わ、(わたくし)は別に、優汰(ゆうた)様が応援する姿を拝見したかったわけではありませんのよ! ちゃんと喜世(きよ)を応援したい。そんな思いで頑張りましたのよ!」

「だけどー。優くんの応援しているところも、見たかったっしょ?」

「そ、そんなもの当たり前ですわ! あの優汰(ゆうた)様が息を切らしながらも喜世(きよ)の名を呼んだあの瞬間、ここまで準備をし応援に来た甲斐があったと強く感じましたもの!」


 え、えっと、瑠音(ると)さんは結局、僕目当てだったってこと?

 目をキラキラさせ熱く語った内容に、喜世(きよ)さんの活躍の話題なんて皆無。

 ま、まあ、最近どこか塞ぎ込んでいたし、これで普段の瑠音(ると)さんらしさを垣間見れるなら、それはそれでいいけど……。

 ちょっと複雑な気持ちで瑠音(ると)さんを見ていた僕に気づき、沙和さんと千麻(ちあさ)さんが顔を見合わせるとくすくすっと笑う。


「まー、とりあえずそろそろ移動しよ? この格好もいいけどー、やっぱこれだと動きにくいし」

「そうですね。一度どこかで着替えて、それから祝勝会の準備でもしましょう」

「え? 祝勝会?」

「ええ。そこは移動しながらお話するわ」


 良かった。ちゃんと喜世(きよ)さんのことも考えてくれてたんだ。

 なんて言い方をすると、ちょっと酷いかもしれないけど。さっきの反応だと喜世(きよ)さんがおざなりに感じたから。


「優くーん。ちなみに今のあーし達、どーよ?」


 と。沙和さんがその場でくるりと一回転すると、腕を伸ばし逆さまにピースを出しながら格好をアピールしてくる。

 どうかと言われたら、やっぱり……。


「大人びた感じがして、これはこれで似合ってると思うよ。髪の色が違うから違和感はあるけど」

「そういえば、ウィッグをしたままでしたね」

「そうだったわね」


 ウィッグ?

 ちょっと聞き慣れない言葉に首を傾げる中、三人が帽子を取ると髪の毛が一緒に外れ、その下から三者三様の見慣れた色の髪の毛が現れた。

 あ、あの髪はかつらだったんだ。ってことは、ウィッグもそういう意味かな。

 でも、そこまで応援のために準備したなんて凄いなぁ。

 帽子を被り直した三人を見ながら感心する。


「えへへー。でもー、こーいうあーし達も良かったりする?」


 やっと沙和さんらしくなった彼女が、改めて質問してくる。

 勿論良かったのは間違いないし、きっと他の生徒が見たら泣いて喜びそう。

 ただ、実のところはこういうことかな。


「確かにその格好も良かったし新鮮だったけど。きっとみんなは可愛いしスタイルもいいから、何を着ても似合うと思うよ」


 僕が笑顔で素直にそう口にすると、三人は急に顔を赤らめるともじもじとしだす。


「も、もー。優くんってば、そういう事すぐ言うー」

「ほ、本当ですわ。実は誰にでもそういうことを仰ってるんじゃなくって?」

「え? ううん。みんな以外にこんな話をする機会なんてほぼないし」


 最近あったのなんて、岩良(いわよし)さんを褒めた時くらい。

 だけど、彼女もちゃんと可愛いし魅力的だからこそ、僕は素直な感想を口にしただけだし、今だってそれは同じ。


「そ、そうですか。それだったら、嬉しいですけど……」

「そ、そーだねー。えへへっ。やっぱ優くんのそういうとこ、好きかも」

「ま、まあ、優汰(ゆうた)様のお言葉ですもの。素直に受け止めておきますわ」


 僕の言葉を聞いて、三人がはにかんでくれる。

 ……うん。やっぱり、可愛いよね。

 彼女達の笑顔に内心ドキッとした僕もまた、日差しの暑さとは違う熱を感じ始めていた。

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