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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第六章:注目の的

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第8話:行くと決めたはいいものの

「えっと、こんな感じでいいかな?」


 僕は朝も早々に朝食もそこそこに、自分の寝室で青と黒のチェック柄のシャツとデニムジーンズに着替えると、洗面所の鏡で髪型が変じゃないかを確認していた。


 今日は中間テスト前日の日曜日。

 それまでの間、今週もみんながお弁当を協力してくれて、昼休みは充実した時間を過ごせたけど、流石に喜世(きよ)さんはバレー部の朝練に付き合うからってことで、お弁当作りは自粛してそっちに専念することになった。


 今日は喜世(きよ)さんにとっての集大成となる日。

 当事者じゃないのに、既に僕は緊張しちゃってる。


 今は八時半前。丁度第一試合が始まる頃だ。

 試合会場である東京体育館の最寄り駅までは一時間もかからないし、西葛橋(にしかつらばし)高校の試合は二試合目。

 初めて行く駅と場所だから不安はあるけれど、今から出ても余裕で間に合うと思う。


 ちなみに、応援に行ってもいいのかは結局千麻(ちあさ)さんに相談した。


 お弁当箱を返すときに誰かに相談しようって思ってたんだけど、瑠音(ると)さんはちょっと普段と違う感じがし話しづらかったし、沙和さんは全肯定してくる印象しかない。


 個人的に、こういう時に一番冷静かつ中立な意見をくれそうなのは千麻(ちあさ)さん。

 そう思って相談してみたんだけど、彼女の答えはこうだった。


  ──「私達が応援に行けないからこそ、優汰(ゆうた)君がその分応援して、喜世(きよ)を元気付けてあげてください」


 勿論この答えをくれた後、ちゃんと彼女自身の応援できない事への気持ちなんかも説明してくれたからこそ、僕は納得して応援に行く気になれたんだけど。

 やっぱり千麻(ちあさ)さんはこういう時に頼りになるねって素直に感謝してたら、すごく嬉しそうな顔をしてくれて、そういう意味でも彼女を相談相手に選んでよかったと思う。


 ちなみに、喜世(きよ)さんには応援に行くって話を伝えてない。

 それでなくても先輩の件でプレッシャーもあるんだ。そこで応援に行くなんて伝えて余計気負わせちゃってもいけないし、試合に集中してもらいたかったからだ。


 ……さて。

 あまりのんびりしてて、試合に遅れたら元も子もない。

 行くまでに何があるかもわからないし、そろそろ家を出ようかな。


 僕は一旦リビングに戻って用意していたリュックを背負うと、そのまま一人家を後にしたんだ。

 

      ◆   ◇   ◆


 葛橋駅(かつらばし)駅までバスで移動し、そのまま地下鉄へ。

 休日だけど朝早いからか。なんとか空き席に座ることができた。


 地上を走っていた車両がそのまま地下に入ると、晴れ空から一変、無機質な壁しか見えなくなる。

 実は一人暮らしを始めてから、江戸川区を離れて観光したりなんて経験はほとんどない。

 だからこそ、地下鉄に乗りながら、ちゃんと乗り換えできるかっていう不安をずっと抱えていたりする。


 しばらく揺られていると、ふと気づいた時に見た駅は大手町駅。

 確か、乗り換えは飯田橋駅だから、あと三駅くらいかな。

 東京って駅と駅の間が短いから、すぐ通り過ぎちゃいそうで不安になる。


 ……そういえば。瑠音(ると)さん、何かあったのかな?

 なんとなく貴堂君の件で電話した時も、お弁当を渡してくれた時も、どこか普段と違って口数が少なかったんだよね。顔を合わせても少しよそよそしい感じがあったし。


 もしかして、この間僕の家に泊まってる時に、気まずくなるようなことでもあったのかなって思ったけど、あの日は普段通りだったと思う。

 やっぱりテスト勉強の関係で気が張ってるのか。もしかしたら、麗杜(うららと)家のお嬢様だからこそ、私生活で色々あるのかもしれない。


 別に相談されているわけじゃないし、僕が勝手に気にしすぎてるだけで、本当は何もない可能性はあるんだけど、何となく普段と違う彼女を見ていると、ちょっと不安になったりもする。

 本当に、何事もなければいいんだけど……あれ? 今ってどの辺だろう?


 ふと気いた時には、丁度どこかの駅から地下鉄が出発するタイミング。

 背中側がホームだからと少し身を捻って流れるホームを見ていると──え!?

 目を丸くした僕の前を、飯田橋駅って書かれた表札が流れていく。


 しまった! 乗り過ごした!

 思わず窓に貼り付いたものの、それで電車が止まるわけじゃない。

 無情に流れたホームの景色は、そのまままた無機質な暗い壁に姿を変える。


 だから油断しちゃ駄目だったのに。

 幸先不安だけど、まあ時間はまだ余裕があるし……。


 自業自得としか言えない状況の中、僕は一人その場で大きく肩を落としたんだ。


      ◆   ◇   ◆


 え、えっと、ここはどこだろう?

 東京体育館の最寄駅に着いた後、僕はすっかり迷子になっていた。


 あの後、地下鉄を乗り換え飯田橋駅まで戻って、無事千駄ヶ谷駅までは来れたし体育館も目にしたんだけど、駅前で腰を痛めたお婆ちゃんを見かけたんだ。


 なんとなく放っておけなくって、彼女を背負って近くの住宅街にあるお婆ちゃんの家まで送っていったんだけど、そこまで大体歩いて十分以上掛かってた気がする。


 駅前に戻っちゃえば体育館まですぐだけど……えっと、スマホの地図アプリでわかるかな?

 僕がポケットからスマホを出した瞬間、そこにある通知を見て首を傾げた。

 あれ? この通知、イズコのチャット?

 最近は通話がほとんどでテキストチャットはあまり使ってないんだけど、どうしたんだろう?


 スマホのロックを解除し、そのメッセージを見てみると……え!?

 僕はそれを見た瞬間、今日何度目かの驚きを見せた。


瑠音(ると)優汰(ゆうた)様は会場にいらっしゃるの? 姿が見えないのだけど』

千麻(ちあさ):まだ来ていないのであれば、急いだ方がよいと思います』

『沙和:きよっちピンチなの! 早くしないと()()()()()()()()()よ!』


 え? みんな応援に来てるの?

 っていうか、喜世(きよ)さんがピンチ!?

 試合が終わりそう!?


 スマホの時計を見ると、時間は十時半前。

 ネットで調べたら大体次の試合まで一時間半はあるって聞いてたけど、もしかして前の試合が思ったより早く終わっちゃったのかな?


 と、とにかく急がないと。

 えっと、今がここだから……こっちの道に出れば。あとは真っ直ぐで駅前に行けるかも。

 僕は地図を確認したあと、スマホをポケットに戻すと急いで駆け出したんだ。

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