最終回 姉妹の和解
芳子は入り口で煙草を吸いながら右手に拳銃を持っている。
ぎゃあ!!
魔物の動きが止まった。
「敏麗ちゃん、今だ!!」
敏麗はスカーレットと顔を見合せると手を握り合い再び鈴を掲げる。
「咲き香りなさい!!気高き花よ!!」
プリティーズの決め台詞を再び放つ。
『プリティーズ!! オォプランタン グランフルーレ!!』
敏麗とスカーレットが鈴を回し連続でシャンシャンと音を響かせると部屋は薔薇の香りに包まれる。
「ぎゃあ!!」
魔物は断末魔のような叫びをあげてると芳子が本に煙草の日を押し当てる。本は焼け魔物は跡形もなく消えていく。
敏麗は焼け跡が残る本を広いあげる。それは魔物の召喚呪文が書かれた本だった。
「敏麗ちゃん」
芳子がやって来ると本に煙草を押し当てる。本は燃えていく。
「この本がなければ魔物達は現れないって。」
芳子はなぜか魔物の事を知っていた。
「これで全て解決ですわね。」
「君はまだ解決する事あるだろう。」
部屋の入り口に瑛林が立っていた。
「瑛林、貴女ここには来たくないと。」
「君に話があるから連れて来た。スカーレットちゃん、僕達は皆を迎えに行こう。」
芳子がスカーレットを連れて部屋を出る。
敏麗と瑛林の姉妹だけが残される。
「お姉様」
暫く沈黙が続いたが瑛林がその沈黙を破る。
「元気そうで良かったわ。」
敏麗はそれだけ言うと部屋を出ようとする。
「待って!!お姉様。」
瑛林が敏麗の腕を掴む。
「私が遊撃隊に加わったのは決してお姉様を敵視していたからではないのです。ずっと疑問に思ってたのです。お姉様の作った女学校は西洋や日本の女性の文化や生き方ばかり。なぜ自国である中国に目を向けないのか。抗日のデモに参加した時私は思ったのです。自分は中国人だと。彼らの仲間になる事で自分が中国人である事を肯定できると思ったのです。」
「それで貴女は肯定できたの?」
「はい。最初はそう思ってました。しかし沢東は中国人のみが正しいと考え異国人や異国に携わる者を非国民とみなし、弾圧しはじめました。お姉様は決して中国を否定した事はありませんでしたよね?」
「ええ。」
「中国人だからと言って他国を否定する事は間違ってると今だから分かります。それからお姉様のドレス素敵ですよ。」
「ありがとう。」
敏麗が微笑む。
「今度こそ一件落着ですね。」
部屋の外から二人の様子を見ていた文秀が呟く。
「これが目的だったのか?文秀。」
芳子が尋ねる。
「何の事ですか?そもそも貴女でしょ?彼女達をどうにかしてほしいと相談してきたのは。」
「ではなぜ話に乗った?」
「貴女もお分かりでしょう。ここに憑いていた者の事。敏麗さんがいなければ倒せないと。」
「ああ、軍の下見で一度来てたからな。その時に。さあ、全ては終わった。敏麗ちゃん、行こう!!」
敏麗は芳子に呼び掛けられると手を振る。
一向は屋敷の外に出る。外はもう朝だ。
「日が変わりましたね。3月25日に。まだ6:40と早い時間ですが。」
文秀は腕時計を見る。その時刻は芳子が処刑された時刻だった。
(わたくしの仕事は果たされたようね。)
敏麗は隣の芳子を見つめる。
「敏麗ちゃん、どうしたんだい?僕の顔に何かついてるか?」
「いえ、何も。」
敏麗は笑顔で答える。
FIN




