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JKなのに乙女ゲーの皇子様に転生しました  作者: 涼瑚
第一章、転生先の環境改善
14/20

14、せっかくだから手入れをしよう

評価&ブックマーク、ありがとうございます!

「お疲れ様でした。本日の書類は以上でございます」

「宰相もラインハルトもお疲れ様です。…少し相談したいことがあるのですがよろしいですか?」


 今日は書類の量も少なく、いつもより早めに執務(屑親父の代わり)が終わったので前から考えていた話をしてみることにした。


 押し付けられた執務を始めてから半月。

 当初はそれなりに緊張していたものの、最近になって余裕ができてきたので、ちょっくら皇宮組織を手入れしてみようかと思ったのだ。


「まずはこの紙をご覧下さい」

 つつっと机を滑らせたのは、これから提案するものを箇条書きにした紙。


 ・資料の書式統一化+保管方法の改良


 ・文官の能力別の各省庁への割り振り直し


 ・監察科の設置


「……詳細なご説明を頂いても?」

「はい。まず書式の統一から。例えばこれとこれ、何れも穀物の生産高の報告ではありますが、それぞれの重点の置き方がまるで違います。……これを纏めるのはかなり骨が折れると思いますよ。」

「確かに。しかし、どのようにして?」

「ですから、こちらであらかじめ理想的な表を作成しておくんです。そうすることで資料整理の際の労力も、現場でわざわざ一から書類を書く必要も無くなりますよ」


 どういうわけか、この世界には「表」やら「グラフ」やらの概念がない。

 ……よくいままで国が続いていたものである(大袈裟)。


「これは……!なんと便利なッ!」

「ああ、もう一つ言っておくとこれ、暫定版なので学者とか実際に扱う職員とかに相談した方がいいと思います。……ただ」

「何か?」

「私の外見ですと、色々と支障が出そうな気がしまして。それに今更かもしれませんが、私が皇帝陛下の代わりを勤めているのってバレてしまっても大丈夫なんですか?」

「ハッ!それは……」


 忘れてたんかい。

 今気付いたみたいな顔すんなよ……。


「確かに、陛下のご不在及び殿下の皇帝代理の件を知っているのは一部を除いて七長官のみ。今後はともかくとして、今はあまり情報を広げたくはありませんな」

「ええ。ですから、その調整をお願いしたいんです。申し訳ありませんが」

「いえ!殿下はご存知無いと思いますが、我々は殿下に救われたも同然なのです。ですので、その恩返しができるのなら喜んでさせていただきます」


 救われた、ねえ。屑親父が酷すぎたから私が真面目っぽく見えてるだけだったりしない?


「では、この件については取り敢えずそういうことで。では、保管方法についてです。現在は全部所の書類が同じ場所に保管されており、探すのに時間がかかります。なので」


 ここで簡単な図を書いた紙を出す。


「まず、このように省ごとに分けて、それから百年以上昔の物は百年毎、それ以降は十年刻みで本棚を分けます。そして、こんな風に題名の頭文字をアルファベット順に並べます。最後に本棚毎の書類目録を作り、完成です」


 前世の図書委員の仕事をアレンジしたものだ。

 あ、ラインハルトが手あげてる。


「どうぞ」

「あの、素晴らしい案だと感銘を受けましたがその……目録?を作る段階の質問をしてもよろしいでしょうか?」

「はい。何か不明な点が?」

「はっ。過去の物はノートを利用すれば作れると思いますが、最新の物は新たに追加されるため、ノートではいけないかと愚考する次第でございます」

「ああ、説明し忘れていました。最新の書類の目録は、このようにすれば後から追加できるかと」


 す、と取り出したのは反故紙を纏めたもの。紙の右側に二ヶ所穴が開き、そこに紐を通して結んである。

 穴空けるのにホチキスがないから苦労したんだよね。

 興味ありげに覗き込む二人の前で、紐を解いてばらばらにして見せると納得したようだ。


「これは……後々書類が必要になったときにとても便利ですな」

「保管科の者が喜ぶことでしょう」


 おぉ、評価は上々みたい。


「さらにさらにこれを使えば本棚を見てすぐに目的の書類にたどり着けます!」


 ばんっと掲げて見せたのは、前世の本屋でよく作者の名前とかが書いてあった見出しプレート。アルファベットを書いて、アルファベット別の束の一番最初に挟む事で書類の位置がある程度まで絞り込めるようにするためだ。辞書のような感覚だと言えば分かりやすいだろうか。


「如何でしょう?」


 ひとしきり資料書式・保管改革について話終わると、がばっと宰相に手を握られた。


「素晴らしい……っ!殿下は、殿下は天才です!早急に皆で協力し、案を詰めて参ります!」


 うん、とっても有り難いんだけど体格差考えて?二歳児ってけっこう脆いからそんなに力入れられたらポキッといっちゃうかもだよ?


 つまり、痛い。気持ちは伝わってるからそろそろ離してほしい。


「よし、行くぞラインハルト!早速会議だァ!」

「はっ!失礼致します!」


 行っちゃった。まだ文官の再分配と監察科について話してないんだけどなー。

 まあいっか。母上の所行こうっと。



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