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あの日、僕が守れなかった君は。  作者: Miho Isaka
第二章 あの日

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Ⅱ 影


時は少しさかのぼり、2025年7月21日。


1学期の終業式である。


神崎の視界に、高梨の姿が映った


高梨が智也を追うように歩いている


--------------------


アレはなんだ


智也を追ってる、のか?


--------------------



3月某日


その日、神崎は春休み期間の暇つぶしに、家から離れた駅まで来ていた


特に目的はないが、「何か面白いものでも見つかれば」と


当てもなくぶらついていると、見知った人物を見つけた


--------------------


ん?


あれは高梨遥か?


正直、見つかりたくない


見つかっても別に話しかけては来ないだろうが


誰かを見ている?


あれは智也か?


高梨遥、良からぬことを考えてるんじゃないだろうな、、、


ん?


智也と誰かが一緒に、、、あれは桜庭結衣だ


まあ、新学年から生徒会の会長と副会長だから、打ち合わせだったりがあるんだろうな


にしては他の新生徒会のメンバーが見えないが


智也に限って、いや、そのまさかもあり得なくはないか


まあ、高梨遥とのエンカウントは避けたい


適度に距離をとりつつ、何かあったら止められる位置くらいにはいておくか


--------------------


その後何事もなく高梨は駅に向かい、帰りの電車に乗った


--------------------


気まぐれの遠出だったが、いい暇つぶしになった


智也と桜庭結衣さんの件は、まあ生徒会が本筋


次点で、ただの偶然


大穴は──デート


智也が?


可能性は低いが


その場合の備えもしておくか


いい休日だった


--------------------


2025年7月21日


あの時、そうあの日も高梨はいた


そして今、智也の後をつけるように動いている


というか、尾行が上手くない


智也なら気付くぞ、あれ


あの時は街中だったからある程度遠くから楽観的に眺めたが


ここは校内だ


何かあってからでは遅い


尾行の尾行は変だが、今はこうするしかないか


終業式の喧騒も消え


高梨の智也尾行及び神崎の高梨尾行は終わった


高梨遥は、注視した方が良いな


智也は生徒会室か


この時間なら桜庭さんは僕の家に向かうために帰ってる


一応智也に注意喚起しておこうか


神崎は生徒会室へと歩みを進めた


--------------------


「智也。」


珍しい客だ


俺に用だろうか


「どうした、颯。まだ帰ってなかったのか。」


「うん。智也、今日、終業式の後からずっと、遥が後をつけてたぞ。」


「やっぱりか、、、誰かに追いかけられてるような気はしてたけど、高梨さんね、、、」


「1年の時の続きかもしれないな。お前、休みの日も気をつけろよ。」


「休みもか!?!?もしかして、高梨さんが俺を尾行してる姿を見たのか?」


「3月に智也をつけてる姿は見たことがある。学校からは離れた駅でさ。」


3月、離れた駅


まさか結衣と会ってた時か?


そこに高梨さんがいて、俺を見ていたかもしれない


更にその高梨さんを颯が目撃した


高梨さんの怪しい動きを颯が放っておくはずがない


恐らく俺を尾行する高梨さんを尾行してたかもしれない


尾行の尾行を


いや、寧ろ放っておくか?


颯は高梨さんとはあまり関わりたくないはず


あの件以来、颯も高梨さんもお互い近づかないようにしてる


ただ、最悪のケースとして、


俺達を見て、尾行していた高梨さんを颯が尾行している


高梨さんの視線の先にいる俺達のことも、颯は当然見ている


結衣と一緒にいる姿も


「颯、高梨が離れた駅で怪しい動きをしていた時、他に顔見知りはいなかったか?」


「あぁ、いたよ。」


「それは誰、、、いや、お前は答えないか。」


「分かってるじゃん。答える気はない。」


「だよな、お前はそういう奴だ。」


まあ十中八九颯は俺と結衣の姿も見たんだろうな


まあ颯なりのプレッシャーか


規則を破るならそれなりの行動をしろ、とでも言いたいのか


「随分と勘ぐってるな。」


勘ぐるだろ


「まあ、思った通りに動きなよ。別に邪魔したりなんかはしないからさ。遥の方はどうか分からないけど。あの一件のこともある。まぁ、遥の方は僕に任せてもらっていい。では、また新学期に。」


颯は去った


久しぶりに感じた、颯の圧


規則違反か、、、まさか俺がな、、、


冷や汗が滲む額をぬぐい、1学期最後の残務を片付けるのだった


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