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あの日、僕が守れなかった君は。  作者: Miho Isaka
第三章 残響

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Ⅱ 時計



2025年7月21日 夜


アタシは、神崎颯を愛していた


心の底から愛していた


ウイルスのせいで鬱屈した中学生活を送っていた


高校に上がって、颯と出会った


クラスは違ったけど、好きになるのに時間はかからなかった


颯も同じ気持ちでいてくれた


あの半年間は本当に幸せだった


学園祭の時だって


アタシは我慢できなかった


颯も我慢できなかった


だから、学校の中だったけど、あんなことをした


後悔はない


あの、あの忌々しいあの日


颯が塚田を壁に叩きつけた時


本当にカッコよかった


守ってくれてる


あのまま塚田を殴り飛ばしてほしかった


でも、そうはならなかった


相馬がそれを邪魔したから


その後、相馬は交渉みたいな真似をして、その場を収めた


その瞬間は、ホッとした


塚田への憎しみも


相馬が颯のかっこいい姿を邪魔したのも


その時は忘れられた


自分たちは助かったのだと


また颯と一緒にいられると


でも相馬は


「本心を言えば、君たちも卒業までは一度離れてくれ」


それ以外の言葉は入ってこなかった


何の権利で颯とアタシを引き裂くのか


でも颯はきっと


そんな相馬の馬鹿げた話を無視してくれると思ってた


でも、違った


颯は、私に別れを告げた


噛み砕くのも


受け入れるのも


辛かった


でも、颯がそうしたいなら


アタシは受け入れた


久しぶりに学校に行ったとき、できるだけ普段通りにしようと頑張った


出迎えてくれたクラスのみんなと話してる時も


隣の席の子がノートを貸してくれた時も


でも、無理してるのは颯にはバレちゃってた


でも安心した


颯はアタシをまだ理解してくれてたから


アタシをちゃんと見てくれてたから


最後は、自分でもびっくりするくらいスッキリとした言葉で別れられたと思う


もう1年以上前のことだから


颯への未練もそこまで残ってない


残って、ない


でも


あの日々を奪った相馬だけは許さない


彼女なんて作ってるんだったら


今度はアタシが壊す


待っててね、颯



高梨は眠りについた

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