第5話 酒場バッカスとギルド協会
目が覚めるといつものようにドリスと一緒に家を出た。
村に向かって歩いているときにドリスが口を開く
「ドリスよ昨日は村を見きれなくてすまんのう。今日は村の酒場バッカスから案内するとしよう。」
「バッカス?」
「そうじゃ。バッカスでは色んな情報や張り出しがされておるんじゃ。」
「張り出しには何があるんですか?」
「張り出しには賞金を稼げるものもあるんじゃ。村のお金の流れで一つ言い忘れておっての。これでお金を稼ぐことも出来るんじゃよ。」
「その張り出しはバッカスの人がしているんですか?」
「いやギルド協会という協会が出しておる。後でそこにも案内するとしよう。」
「ほれ着いたぞ。ここが酒場バッカスじゃ。」
話しに夢中になっているとふとドリスの足がピタリと止まった。
「ここが....酒場?」
酒場の見た目はウエスタンに出てくるような見た目だった。
中に入ってみるとドワーフや顔に傷がある男、不気味に笑うゴロツキらしきものもいた。
入って来た僕をみるなりあまり友好的ではない感じがヒシヒシと伝わってくる。
ドリスはズカズカ進んでいき酒場のマスターのところに進んでいった。
僕も恐る恐るドリスの後をついていく。
あたりをキョロキョロ見渡しながらカウンターに向かって歩いてみるとあちこちで酒を飲んでる人がいて情報交換をしている感じが見えた。
酒場の至るところにドリスの言ったとおり張り出しがされていた。
カウンターには大きな樽酒やワインなどのお酒が色々並んでいた。
酒場のマスターは顔に傷がありゴツい感じで凄く貫禄があった。
まるで戦士でもやっていたのかと思うくらい顔に傷があった。
(この店主只者じゃないな。)
「マルスや久しぶりじゃのう。ここにも長いこと来てなかったから懐かしい感じじゃわい」
「ドリスさんがココに来るのは珍しいですね。そちらの方は?この空島では見かけない方ですね。」
「この子の名前はハリスじゃ。何やら人間界での本屋さんという本が沢山あるところがあってのう。そこからこの空島に来たというわけじゃ。」
「なるほど。そういうことでしたか。」
マルスはグラスを拭きながらドリスの話に耳を傾ける。
「ハリスと言います。これから宜しくお願いします。」
「宜しく。ただ今は君はあまり歓迎されてない。来る時は用心しなさい。身ぐるみを剥がされるかもしれないからね。」
マルスはボソリと僕の耳にささやく。
(確かに他から見れば僕は異世界人だ。歓迎されないのもよく分かる。)
マルスの小言を聞く前にヒシヒシと他の鋭い視線が僕を差してくる。
(今はまだココに来るのは早そうだな。)
僕はドリスを見つめた。
ドリスも凍りついた空気を感じたのか会話を切り上げようとしていた。
「長居するのも良くないじゃろうからそろそろワシらは失礼するとしよう。」
「分かりました。いつでもこの酒場はやってますので気軽に来てください。」
マルスは目をニッコリさせていたが何故か圧を感じた。
(さすが風格があるなぁ)
僕らはそそくさと酒場を後にした。
酒場から少し離れた後に誰も居ないことを確認しドリスが口を開ける。
「今のお主は酒場の人からあまり歓迎されてないようじゃな。今の段階ではあまりあそこに行くことはオススメ出来んのう。身ぐるみを剥がされる可能性がありそうじゃ。」
「分かりました。」
僕は言った。
「次はギルド協会じゃのう。あそこはドロシーというものが受付をしておる。」
「そこでお金が稼げるんですか?」
「そうじゃ依頼をこなしてお金を稼ぐこともできるぞい。もちろん危険な依頼もあるがその分報酬はたんまり手に入るんじゃよ。」
「すごいですね。」
「ギルド協会は誰でも依頼を受けることは出来るがまずは登録手続きをせねばならん。」
「そうなんですね。さっそく登録したいです。」
僕は勢いよくそう言うとドリスは困った顔をしていた。
「それなんじゃがお主はまだ登録出来んのじゃ。」
「えっ?どうしてですか?」
僕はドリスに尋ねた。
「お主はまだ協会の基準を満たしておらんのじゃ。ほれコレじゃよ。」
ドリスはローブの中から紙を取り出し僕に差し出した。
僕は紙を手に取り読み始める。
「ギルド協会登録基準?」
武器を扱えること、魔法を使えること、当協会のテストに合格したもの
紙にはそう書かれている。
「この魔法を使えることと協会のテストってなんですか?」
「ふむ、魔法は回復魔法じゃな、テストは危険区域での協会の人の監視による岩魔神の討伐じゃ。」
「岩魔神?強いんですか?」
「ああ、なかなか強いぞ。それにやつの皮膚は硬いからのう。あれを討伐できれば大抵の魔物は討伐出来るわい。」
「今の僕にはやることがいっぱいありますね。」
「お主にはやるべきことは色々あるが今は一つずつこなすのじゃ。これからのやることを少し整理するために協会に顔を出してから帰るとしようかのう。」
「他の見るところはあるんですか。」
「いやこの村での案内はこれで終わりじゃ。後は他の種族が暮らしている村になるという感じじゃな。」
ドリスと話しながら歩いていくと大きな建物が見えてきた。
建物は白い外壁で青い屋根があるお城みたいな感じの建物だった。
「ココがギルド協会じゃよ。」
ドリスは協会を指差して言った。
「ずいぶん大きいんですね。」
「ココは色んな依頼がくるからのう。」
ドリスは言った。
僕らはギルド協会の中に入るため歩き始めた。
協会の中を歩いていくと受付らしきところが見えてきた。
そこに男性が1人立っている。
優しそうな見た目で少し背が高かった。
爽やかな感じで女性にモテそうなタイプだ。
「ドロシーや少し邪魔するのう。」
「ドリスさんあなたがココに来るのは珍しいですね。普段は顔を出さないので。」
「今日はこの子を案内しとってな。」
ドリスは僕を指差した。
「見かけない子ですね。」
「この子はの...」
ドリスはドロシーに僕がココまで来た経緯を説明する。
「なるほど、そういうことでしたか。」
「私の名前はドロシー。協会の受付をしています。」
「僕はハリスと言います。」
「ハリスさんですね。これから宜しくお願いします。」
僕とドロシーの2人はお互いにお辞儀した。
「ドロシーよお主の依頼受付はどこまであるかのう?」
「色々ありますよ。採取や討伐依頼まで豊富にありますね。危険な依頼になれば報酬もたんまり稼げます。」
「そうか。ドロシーや今後はこの子が世話になるぞい。」
「わかりました。いつでも待ってますね。」
「それじゃぁワシらはこれで失礼するぞい。」
ドリスはそう言って協会を後にした。
僕らはたわいない話をしながら家に向かって歩いていた。
そうしているうちに家についた。
「さて村案内で2日間かかったのう。これで案内は終わりじゃ。明日は今後のことを少し整理しながら話をするとしようかのう。」
「はい。」
僕は言った。
それから僕らはいつものように食事を取り寝室に向かった。
ベッドに入ったときに少しこれからのことを考えた。
(元の世界に戻る方法はまだ分からないけど色々やらなければいけないことは多い感じだなぁ。)
僕の頭は混乱していたが色々考えても仕方がないなと思いこれ以上考えることを辞めて眠りについた。




