第4話 謎に包まれた人物パウロ
ドリスと一緒に歩きながら話していると村の賑やかな声が近づいてきた。
「へい安いよ安いよ」
「あら結構良いものがあるわね」
(空島の世界でも商売で成り立ってるのか)
「ドリスさんあの棍棒を持ってる人は?」
「あれはドワーフじゃ。そして耳が少し長い種族がエルフじゃよ」
「ほぇ〜」
僕は目をまん丸にして口をあんぐりとしていた。
最初に来たときより緊張してないせいか色々と見渡していた。
他の種族も服を着ていてお金でやり取りしているみたいだ。
「そういえばこの空島ではお金はどうしているのですか?」
「ふむ、そうじゃな珍しい素材などを買い取る者がおってな。そこで換金するんじゃよ。」
「珍しい素材?」
僕の頭はチンプンカンプンだった。
「ふむ、実際のお金を見せた方が速いかもしれんのう。」
ドリスはそう言って村の中の換金所に案内してくれた。
「ここじゃよ。実際に自分で見てみると良いが案内の意味もあるから始めはワシも一緒についていくとしよう。」
ドリスは換金所を指差し先に入って僕を手招きしていた。
換金所は少し大きめのテントらしき建物で暗めな感じがしている。
ドリスによると換金所は神出鬼没で表れたり消えたりするらしい。
「もしお金がなかったらどうするんですか?」
「その時はお金に変わるこれがあると便利じゃぞ。」
ドリスはローブのポケットから小さい虹の卵を3つ取り出した。
「おぬしも何かあったときにもっておきなさい。」
ドリスは虹の卵3つを僕に渡してにポケットにしまうようにハンドサインを出してきた。
そして僕の耳元にこう囁いた。
「これは換金も物々交換も両方出来る貴重なものじゃ。これからの旅で約に立つじゃろう。」
「ありがとうございます。」
僕はドリスに深くお辞儀した。
「さていよいよ入るとするかのう。」
ドリスは換金所の中の暗闇を進んでいき遂に見えなくなった。
僕もドリスの後を追い暗闇の中へ消えていった。
進んでいくと暗闇の中からボワッと言う音がしてランプの光が次々ついていく。
そして店の人が出てきたがいかにも怪しく不気味な感じで謎に満ちていた。
全身ローブに包まれて素顔が見ることが出来ないが隙間から傷跡が見える。
(素顔はどんな感じなのだろうか?)
僕は店の中よりも店主の素顔が気になっていた。
「いらっしゃい。」
暗闇の奥から低く掠れた男性の声を聞き顔が少し引きつった。
不気味な声と顔でドリスの背中に隠れようとしていたがドリスは僕を見てニッコリと笑っている。
「お客さんかい?」
店主はドリスに話しかけた。
「この子はちょっと色々訳ありでのう。しばらくこの空島で生活することになるじゃろうから案内をしておるんじゃよ。」
「そうかい。初めてで恐がらせちゃったかな?私はデリス。換金所の店主をしていてあちこち飛び回ってる。まぁ珍しいものも売ってるから商人でもあるがね。」
「僕はハリスって言います。」
僕はドリスの背中からひょっこりと顔を出して自己紹介をした。
「いきなりですまんのう。デリスよ。お主の商売は順調か?」
「ああお陰様でね。まぁ初めて来る人はみんな怖がるからそのうち慣れてくるよう。」
「すみません。恐い人だと思ったのでこれから宜しくお願い致します。」
僕はドリスの背中から離れて深くお辞儀し店の中を見始める。
緊張が溶けてきたおかげで色んな物が目に飛び込んできた。
杖に古びた本、氷の草などが並んでいる。
なぜか分からないが僕は古びた本が気になっていた。
ダイヤが着いていていかにも魔導書のような見た目だったからだ。
「何じゃ?古びた本が欲しいのか?」
ドリスはヒゲを撫でながら手に取った。
「なんでか気になって。」
「良いじゃろう特別じゃこれ以降は自分で買うんじゃよ。」
ドリスはそう言って杖を振り雲の絵が書かれた金色のコインを出した。
「いくらかのう?」
「200ピムだね。」
ドリスはコインを店主に渡し本を僕に差し出した。
「今のコインが空島でのお金になるから覚えておくんじゃよ。」
ドリスは僕に説明した。
「今後はこの子が1人で来ると思うでのう。力になってほしいんじゃ。」
「それはお安い御用だよ。ところでなんでココに来ることになったんだい?ここの人たちではないね?」
「じつは...」
僕はココまで来ることになった敬意を店主に説明した。
「ふむふむ、それは興味深いねぇ〜君に興味が湧いたよぅ。またいつでもおいでぇ〜」
「ありがとうございます」
店主にお礼を言って僕たちは店を後にした。
「いきなり恐がらせてすまなかったのう。最初にココを説明したのは必ずお世話になるところじゃからのう。」
ドリスの表情は少し申し訳ない表情をしていた。
「そういえばあの卵ってそんなに価値があるんですか?」
僕はドリスの耳元でコソコソ聞いた。
「あの卵は一つで1000万ピムの価値がある。価値が下がることもないからいざという時の助けにはなるであろう。そしてこの卵は危険な場所に3つしかなく空島の世界では30個しか手に入らん。」
「そんなに良いものをもらって良いんですか?」
「言ったでおろう。ワシはそなたを導く者でもあると。そのためにココに迷い込んだものには手助けをしておる。じゃが卵も20年ごとに30個手に入るからなくなることはないんじゃよ。」
ドリスはニッコリしてフォッフォッフォと笑っていた。
「つい話し込んでしまったが遂に着いたわい。」
ドリスと話しているうちに次の案内場所に着いたらしい。
目の前に飛び込んできたのがお店だった。
なにやらエルフが買い物をしているらしい。
覗き込んでみると薬草が買っているのが見えた。
「アレはなんですか?」
僕はドリスに尋ねた。
「あれは回復草と言ってな。傷や怪我をしても治る凄い草なんじゃ。まぁ味は苦いからのぅ。ワシはお茶にまぜて飲むんじゃよ。」
「あっ!!おじいちゃん!!」
僕は咄嗟に声が出てしまった。
「ん?なんか言ったかのう?」
ドリスは店で買い物している光景を見ていたおかげで運良く聞こえてなかったみたいだ。
僕はホッと胸を撫で下ろした。
「薬草や羽など色々売ってるんですね。」
「ココは村一番の大きな店じゃからのう。ココ以外にも村はあるが今の状態では厳しいのう。危険な魔物などもおるから今のままではいかんわい。」
僕はドリスの話を聞き力をつけないといけないなと決心する。
ドリスは店に近づいて店主に話しかけた。
「パウロや今日も店は繁盛してるのう。」
「ドリスさん久しぶりですね。今日はどうしたんですか?」
「今日はちょっと村を案内しててのう。」
「案内?」
「そうじゃよ。おーいハリスや来なさい。」
ドリスは僕を呼びかける。
「初めましてハリスと言います。これから宜しくお願いします。」
「見ない顔だね新入りかい?」
「そうじゃ実はのう...」
ドリスが僕の来た敬意を説明した。
「そうかい。それは大変だったね。無事に元の世界に帰れるといいね。」
店主は僕のことを気にかけてくれ村の人達の温かさに目が少し潤んだ。
僕たちは店を色々と見回っていたがあまりにも村が大きいせいか1日で村を見きることは出来なかった。
「今日はココまでにしておくかのう。」
ドリスはそう言って村を出て家に向かって歩き出した。
賑やかだった声が遠ざかり僕は次の日が来ることを待ち焦がれていた。
そしていつものようにベッドに入り目を閉じた。
(明日はどんな発見があるだろうか?)
僕は内心ドキドキしながら眠りについた。




