第3話 空島の世界にようこそ
ドリスについていきながら歩いていくと村らしきところが見えて来た。
村はエルフやドワーフなど色んな種族で賑わっていた。
「村の人にそなたのことを知ってもらわねばの」
ドリスはそう言って手招きした。
ドリスは村人と話していた。
僕は自己紹介をしようと思い隣で会話を聞いていた。
「◯×△※」
「×□◯※×」
「えっ?.........」
僕の頭はチンプンカンプンだった。
何を言ってるのかわからなかったからだ。
ドリスは僕の表情を見るからに会話を切り上げようとしていた。
「◯△×□※×」
「×□◯※×」
村人はニッコリしてその場を去っていった。
どうやら会話が終わったようだ。
「ふむ、すまんのう。そなたに色々と案内をしたかったんじゃがまだ早すぎたみたいじゃのう。」
ドリスは申し訳ない表情をしていた。
「今のままでは誰とも会話が出来ないのう。家に帰ってこの世界での言語を勉強せねばいかんのう。」
ドリスはそう言って家に向かって歩いていった。
さっきまで賑やかだった声が遠ざかるのを感じた。
「ごめんなさい。」
僕はドリスにそう言った。
「気にすることはない。言葉を知れば誰とでも話せるようになるからのう。」
ドリスはニッコリと笑った。
家に向かっていく途中で僕はドリスに訪ねた。
「ドリスさんなんで僕の言葉が分かるんですか?村人の言葉は分からないのに...」
「それはのう。翻訳の魔法をつかっておるんじゃよ。」
ドリスは言った。
「翻訳の魔法?」
僕の頭にはハテナマークがついていた。
「そうじゃ。翻訳の魔法は誰とでも会話できるようになるんじゃ。人や動物、全てのものと話せるようになるんじゃ。」
「ドリスさんはなんで翻訳の魔法を使っているんですか?」
僕はドリスに質問した。
「実はのう。そなたのようにこの世界に迷い込んだものもおるんじゃよ。そういった人々を導き元の世界に返してあげたりするのもワシの役目なのじゃ。」
僕はその言葉を聞き元の世界に戻れる期待で鼓動が速くなったのを感じた。
「もとの世界に戻れるんですね。良かった〜」
僕はつぶやいた。
ドリスは少し険しい表情をして言った。
「戻れる方法は確かに存在しておるがその道なりは果てしなく険しいぞ。」
僕はその言葉を聞き戸惑った。
「自分は元の世界に戻れるんだろうか?」
簡単に戻れないことを聞いて僕は不安になった。
「そなたなら大丈夫じゃよ。不安になってもワシがついておる。」
ドリスはヒゲを触りながらニッコリした。
「じゃがまずは言葉の勉強からじゃな。さぁ家に着いたぞい」
ドリスとの話に夢中になってたせいかあっという間に家に着いてしまった。
ドリスは家について暖炉の部屋で杖を振り魔法でこの世界の言葉が分かるための辞典などを出してくれた。
そして何処かにいきこの世界での生活の仕方の本なども差し出してきた。
「ありがとうございます。」
僕はドリスに言ってそれらの本を持って自分の部屋で勉強を始めることにした。
「マカタ...トス」
(ふむふむなるほどこれはありがとうという意味なのか)
「トスカテロはおはようという意味か」
(まるで呪文みたいだ)
「コレは相当気合入れて覚えないとな」
それからというものの僕は本を読んだり書いたりしてあっという間に1日が終わった。
「コンコンコン」
と音がなった。
「食事にしよう。あまり詰めすぎるのも身体に良くないわい。」
ドリスは言った。
「わかりました。」
僕はドアを開けてドリスに言った。
そして暖炉の部屋でスープのみの料理が出てきた。
今日は赤色のスープに豆らしきものだった
ドリスが僕の勉強中に作ってくれたのだろうと思った。
「頂きます。」
とお互いに手を合わせて合掌し食べ始めた。
スープに口をつけてみるとトマトスープのような味でコクがあった。
豆は煮豆のような感じで一つで腹持ちがよく、またあっという間に料理を平らげてしまった。
「ごちそうさまでした。」
と僕とドリスは言った。
食事の後に僕はドリスに訪ねた。
「そういえば2日間お風呂に入ってないんですけどココの人たちは入らないんですか?」
「お風呂?」
ドリスは首を傾げた。
(もしかしてお風呂に入る習慣がないのか?)
僕はそう思いドリスに人間界でのお風呂の説明をした。
「ああ、そういえばかなり昔に迷い込んだ人間もそういっておったわい。ここではお風呂という習慣もないんじゃ。もちろん身体も汚くなることも臭うこともないんじゃ。」
ドリスは説明した。
「空島って凄い神秘的なんですね。色んな人がいて料理もとても美味しくてココでの生活も良いなぁってちょっと思うんですよね。」
僕は言った。
ドリス口調は穏やかながらも表情は少し険しくなった。
「それはならんのじゃ。そなたはしっかりと元の帰るべき世界を考えなさい。」
ドリスはピシャリと言った。
「ごめんなさい。」
僕は少し落ち込んでしまった。
「そなたには帰るべきところがあるんじゃ。しっかりとそれを大事にしなさい。」
僕はそれをいわれてハッとした。
「そうだよなしっかりと帰れるようにしなきゃ。」
僕は強い決心をした。
「それで良いのじゃ」
ドリスは険しい表情からニッコリしていた。
ドリスは窓に向かって歩き出し空を見上げてこう言った。
「夜になったわい。そろそろ寝るとしようかのう。」
「はい。おやすみなさい。」
僕はドリスに言って寝室に向かっていった。
寝室に入って少し勉強しようと僕は緑のランプを付けて言語の勉強をし始めた。
その時に「パタン」とドアが閉まる音が聞こえた。
ドリスも寝室に入ったのだと思った。
どれくらいの時間が経ったのかは分からないがあくびがすごく出てきたので僕は勉強をやめてふかふかの雲のベッドで眠ることにした。
それから勉強して寝るの繰り返しの日々を過ごした。
とりあえず勉強をしてわかったのが時間や日数という概念がないことやお風呂に入る習慣がないことなど色々とわかるようになってきた。
僕がここに来て今に至るまでに経った期間がどうやら10日みたいだ。
僕は自分で記録したメモ紙をみて思った。
「とりあえずこれからも日数を記録していかないとな。今頃会社の人たちはどうしてるんだろうか。」
僕は元の世界でのことも考えながら寝室を後にした。
ドリスといっしょにいつものように食事をとってこう言った。
「さぁいよいよ今日は案内じゃな。」
「はい。よろしくお願いします。」
僕はドリスに言った。
ドリスはドアを開けて僕はドリスの後をついて行った。
(いよいよこれからが始まるな)
僕は思った。




