第2話 一杯のスープとドリスとの生活
ドリスから差し出されたスープを僕は頂くことにした。
「頂きます」と僕は言った。
「何じゃ?その言葉は?」
ドリスは不思議そうに言った。
「頂きますは僕らの世界の食べるときに食に感謝を込める言葉です。」
僕はドリスに言った。
「不思議な世界じゃのう」
ドリスはヒゲを触り暖炉を見つめながら不思議そうに頷いた。
僕が食べ終えるのを待って気をつかわないようにしてくれてるのだろうと僕は思った。
スープに口をつけるとあまりのウマさにイスから飛び出しそうになった。
「すごく美味しい。こんな食べ物は初めてだ。」
スープは透明にも関わらずコクのあるスープだった。
味はコンソメに近い感じでクリーミだ。
スープにある豆らしきものを一つ食べてみるとお腹にズシンと溜まってくのを感じた。
枝豆みたいな感じの味に近くお酒のツマミにも合いそうな感じだった。
僕はバクバクと貪るように食べてあっという間にスープを平らげてしまった。
「ごちそうさまでした。」
僕は手をあわせてそう言った。
「それも人間界での言葉か?」
ドリスは不思議そうに言った。
「はい。頂きますとごちそうさまは食べるときに食に感謝する大事な言葉です。」
僕はドリスに説明した。
「この空島ではそういった文化がないんじゃ。人間界での話をもっと聞きたいのう」
ドリスは興味津々な感じで目をニッコリさせながら言った。
「色々話してもう夜じゃな。しばらくココに泊まっていきなさい。これからの話しはゆっくり話しあっていくと良いわい。」
ドリスは窓から空を見上げて言った。
「夜?まだ空は青いですよ?」
僕は目を丸くして不思議そうに言った。
「あの水色の月を見てみなさい。」
ドリスは月を指さした。
「あの月が出たらワシらは夜と呼んでいる。」
「綺麗な月ですね。この世界の月はすごく神秘的だなぁ。」
僕はポッケからスマホを取り出して月の写真を取ることにした。
「それは何じゃ?」
ドリスはヒゲを触りながら訪ねた。
「僕らの世界ではスマホと呼ぶもので写真や電話を掛けたりする便利なものなんです。」
僕はドリスに説明した。
「写真?電話?聞きたいことが色々出てくるんじゃがまたそれは次の日に聞くとしよう。今日は色々あったじゃろうからもう眠りなさい。」
「寝る所は階段を上がって少し歩くとあるからそこで休むと良い。」
「わかりました。おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
僕は暖炉がある部屋を出て階段を昇り少し歩いてから寝室に着いた。
ドアを開けると寝室にはふかふかした感じの雲のベッドがあり天井はプラネタリウムを見てるかのような天井だった。
ベッド付近には小さい緑色の火がついてるランプもあった。
「部屋のランプだろうか。すごく綺麗だ。」
僕は火の色にうっとりしていた。
「そろそろ寝ないとな」
僕はそうつぶやいて雲のベッドに入った。
入った瞬間に身体が喜んでいるのを感じた。
雲のフカフカで身体が沈み自分の身体にフィットするのだ。
それはまるで高級布団に入っているかのようだった。
「これから僕はどうなるんだろうか?」
元の世界に戻れる不安とこれからの生活のワクワク感が入り混じりなんともいえない感情だった。
僕はそんな両方の感情を抱きつつ天井のプラネタリウムを見つめながら眠りについた。
「キュイキュイキュイ」
僕はその音に目を覚ました。
窓の外を見てみるとキュイキュイとイルカみたいな鳴き声をする鳥が飛んでいた。
寝る前に見た水色の月もなくなっていたのだ。
どうやら朝になったらしい。
僕はベッドから出て暖炉の部屋に向かった。
「ドリスさんおはようございます」
「おはよう。」
「よく眠れたかのう?」
「はい、もうぐっすり眠れました。ふかふかのベッドに綺麗な天井で見たことないものばかりでした。」
「フォッフォッフォッ」
ドリスは目をニッコリさせて言った。
「あれっ?暖炉の火が消えてる。」
僕はぼそっとつぶやいた。
「うん?朝は寒くなからのう。消しておるんじゃよ」
ドリスは火の始末をしながら言った。
「ドリスさんはどこで寝たんですか?」
僕はドリスに訪ねた。
「ワシは海の部屋で寝ておったぞ」
「海の部屋!?」
僕は驚いた。
「良かったらワシの部屋を見ていくかのう?」
「はい、見たいです。」
僕は内心ワクワクしていた。
「ついてきなさい。」
ドリスはそう言ってスタスタと歩いていった。
ドリスの後をついていくと階段を登ると左に通路があってその先の部屋に通じていた。
ドリスはドアを開けた。
「どうぞ見てきなさい」
ドリスは言った。
「わぁー凄い」
僕は驚いて目を丸くした。
海の床や天井でそこにはイルカや魚が泳いでいた。
ベッドは雲のベッドで僕が寝たのと同じだった。
まるで水族館の中にいるような感覚がして僕は感動した。
床を恐る恐る踏んでみるとピチャピチャとした音もなかった。
それでけでなく泳いでいるイルカなども自分の足元を通り過ぎていった。
「まるで絵が動いてるみたいだ。」
「ほう、そんなに人間の世界では珍しのか。」
「ワシらの世界ではコレも普通のことなんじゃ。」
ドリスは説明した。
「ドリスさん部屋を見せてくれて有難うございます。」
僕は深々とお辞儀をして感謝した。
「フォッフォッフォッ良いんじゃよ気に入ってくれたようでなによりだわい。」
ドリスはヒゲを撫でながらニッコリしていた。
自分の部屋が褒められたのが嬉しかったのだろう。
「さぁそろそろ食事にしようとするかのう。暖炉の部屋でまっていなさい」
ドリスはそう言って朝ごはんの支度をしにいった。
「はい、ありがとうございます。」
僕はそう言って暖炉の部屋に向かっていった。
暖炉の部屋でイスに座って待っていると朝ごはんが運ばれてきた。
「さぁどうぞ。」
ドリスはそう言って料理を出してきた。
「ありがとうございます。」
料理を見てみるとパンとスープの2品だった。
パンは湯気が立っていて柔らかそうだ。
スープはかぼちゃ色をしたスープで湯気が立ちポタージュのカリカリしたもの見たいなものが入っていた。
「頂きます」
僕はその言葉に驚いた。
ドリスが手を合わせて合唱し言っていたからだ。
「頂きます。」
と僕も言って食べ始めた。
パンを取って一口かじるとパリッと音がしてフランスパン見たいな歯ごたえだった。
パンの甘みも感じられ手で触ると柔らかいのに食感があるのは驚きだった。
次にスープに口をつけるとかぼちゃみたいに甘くカリカリしたものは一つ食べただけでまたお腹にズシンと溜まっていった。
またあっという間に平らげてしまい僕のお腹は満足だった。
「ごちそうさまでした。」
ドリスは僕と同じ動作をして食事を終えた。
「食に感謝をする言葉はいい言葉じゃのう」
ドリスは目をニッコリさせた。
「食事を終えたから少し休憩してから外に行くかのう。今日は空島の世界を案内するわい。」
ドリスは言った。
「ありがとうございます。」
僕はそう言って2人で少し休憩していた。
「さぁそろそろ出かけるとするかのう」
ドリスはそう言ってドアを開けた。
僕もドリスの後をついていった。




