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だらだらと飲んでいたら、あっと言う間に一週間たってた!

と言うわけで一週間ぶりの更新です!

「初めまして! 私、ビビアンって言います! この『竜の巣』に住んでる古竜、ナーガの子供です!」


 はきはきした自己紹介に、物凄く好印象を受ける僕に、


「いや! ナーガってダサい名で呼ばないでファブ……ぐへっ!」


「違います! 私はファブニールなんて古臭い名では無く、ビビアンです!」


 全世界の神竜、古竜、邪竜様! ごめんなさい! 僕が言ったんじゃないです!

 傍で聞いてる僕でさえそう思える、ぞんざいな態度。

 そして母親は、


「私はナツミ! 人間が作り出す甘味を求め、日夜ツアーコンダクターになって日銭を稼ぐ、誇り高い古竜よ!」


 ナツミは殴られたダメージを物ともせず、シュタッ! っと立ち上がり明後日の方向に指を指す。

 うん?

 甘味を求め、人間に日雇いでこき使われる生活を送る古竜の、何が誇り高いのだろうか?

 色々ツッコミどころはあるが、二人がやり取りする情報を元に、現状を把握しようとするのだが、


「ママこの前、太るからもう甘味は止めるって言ったよね? 竜の巣から出るのは竜の門を開くのに、必要なヒントを広めるためだって言ったよね? なのに何これは?」


「いや~~~~~~! やめてぇぇぇぇぇ!」


 そんなナツミに、いつの間にか近寄ったビビアンが、彼女の下っ腹を片手でフニフニともみしだいた!

 うん。

 それは見なかったことにしようとしたのに、


「うわぁっ! スレンダーな方だと思いったのに、ぽよんぽよんですよ! 例えるなら回復ポーション二〇瓶分ですよ!」


 マリアーナが己の尺度で声を上げ、


「あれは、私が王族の料理を一ケ月食べ続けた……うわぁ……」


 昔を語るように、ミナが眉を潜め、


「あらあら?」「おろおろ?」


「「うふふふふふふふふ………………」」


 姉上とヒルダの、意味深な笑みが止めを刺した!


 なので、


「ぶごぉぉぉぉぉぉぉぉ! お前ら! 私を最古の竜と知っていながらもそこまでおちょくるか! ならば見せてやろう! 私と言う災害……きゃふっ!」


 ナツミが纏う、一国も平地にしそうな魔力が四散する。

 それは、


「ママ! ここは(竜の門)私が仕切るって言ったでしょ!」


 彼女の脇腹に(多分、岩をも砕くような抜き手で)ツッコむ、ビビアンがいた!


 まあ、それはそれで助かったのだが…………。


「この人たちには、私が作った『竜の巣へ向かうための、一〇〇の迷宮』を淘汰してもらわなきゃなんだから! もちろん! 何年かかってもね!」


 うん?

 ビビアンの無邪気な笑みに騙されそうになったが、


『それって、物凄く面倒臭いことに巻き込まれてねぇ?』


 そう思える瞬間だった。



「うわっはっはっ! よくぞ来た勇敢なる人間どもよ! 我が力欲するのならば、この迷宮を通り、我の元まで来るがいい!」


 仕切り直し、ノリッノリで声高らかに用意したと思われる台詞を口にするビビアン。

 その仕草も笑顔も、子供のお遊戯を見ているみたいで微笑ましいのだが、


「うわ~~。これ、ガチ目な迷宮だわ!」


 ミナがぼやく通り、目の前に口を開いているのは、ヤバい雰囲気がビンビン伝わってくる迷宮。


「この迷宮は我が心血を注ぎ、百年かけて作った大迷宮だ! フロアごとになぞなぞ……ごほん。謎があり、それを解き明かさなければ次のフロアの扉が開かぬようになっている。ああ! それと、壁を破壊しようとしても無駄だぞ! フロアを区切る壁は、私がお小遣を叩いて買った……潤沢な資金で買いあさった、アマダイトで出来ているのだからなあ!」


 何のフラグが立ったか知らず、得意げに話し続けるビビアン。

 しかも、


「さあさあ! 勇敢なる者たちよ! 頑張るのだぞ! 頑張れば、もしかして一ケ月ぐらいで我の元へ来れるだろう!」


 新しいオモチャ自慢する子供のように、目をキラッキラさせたビビアン。


『いやいや、いろんな意味でマズそうなのでまた今度!』


 なんて言える雰囲気じゃない!

 あの笑顔にそんなこと言ったら、絶対に泣く!

 そして、


「それでは諸君! 迷宮の深淵でまた会おう!」


 物凄く良い笑顔を残して、多分、迷宮の深淵だと思える場所に消えてくビビアン。


「はあ…………。しょうがない。強行軍で一週間ぐらい、付き合おうか……」


 僕が妥協案を口にしたその時、


「あらあら? この程度の迷宮。五分もあれば十分ですわ!」


 空気の読めない姉上がいた。


「おろおろ? わっちなら四分じゃ!」


 空気を読むより、競争心を取った婚約者(ヒルダ)がいた。


 そして、


「それでは、どちらが先に」

「迷宮をクリアするのか」


「ちょ! ちょっと姉上! ヒルダ!」


 僕の静止の声も届かず、


「競争ですわ!」

「競争じゃ!」


 バリバリバリバリ!


 バキッ! ゴンッ! ドシャァァァァン!


 轟音を立て、アマダイト製の壁を打ち砕いていく二人。


 かくして、古竜の迷宮攻略は、ただの『壁を壊して一直線に進む』ゲームに成り果てた…………。

最後までお読みいただきありがとうございます。

だらっとしてしまいがちな梅雨の季節。

作者に活を入れるため、ブクマ、感想、評価などよろしくお願いします!

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