第19話 メイドなあの娘とデート
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個別デートラストは長い付き合いのヒロインである理子です。お楽しみに!
「おはようございます。征男様」
「おはようございます。理子さん」
朝のトレーニングを終え自宅に戻るとメイド服に身を包んだ理子が出迎えてくれた。汗を流す為にシャワーを浴びる。今日は、理子とのデートなので先の二人と同様入念に体を洗う。
「征男様、コーヒーです」
「ありがとう」
洗い終えるとリビングで理子の作った朝食を食べ終え食後のコーヒーを飲む。
「征男様、今日の……デ、デートで刈穂町に行きたいのですが、よろしいですか?」
デートという単語に顔を赤らめながら不安そうに頼み事をする理子。
「良いですとも刈穂に行きましょう!今日は、父さん達がいないのでタクシー呼びますね」
デートって言うだけで恥ずかしがる理子に萌えながら俺は同意し早速タクシー会社に連絡を入れる準備をする(薫とデートの時は本人の要望もあり刈穂まで自転車で行ったが薫並の身体能力がない理子に自転車移動はさせるつもりはない)。
「あ、あの征男様……出来れば、征男様のバイクで行きたいのですが……ダメですか?」
「構いませんが、オススメはしませんよ」
俺はよく父さんのセレナやフェックスを村の内外で乗り回しておりその事実は理子も承知している。しかし彼女が俺が運転するセレナやフェックスに乗ることはなかった(例外は去年の大雪の時留美を迎えに行く為に俺の運転するセレナに乗ったのみ)。それに俺は彼女を俺の運転する乗り物に乗せることにノリ気ではなかった。何故なら俺は無免許で運転しているからだ。バレた時、俺一人なら幾らでも逃げおおせる自信があるのだが理子が乗るとなると話は別だ。逃げる時に無茶な運転をするので彼女が怪我をしない保証はできないからだ。
「そう、ですか……」
「ちなみに理由を聞いても?」
残念そうな顔をする理子を見て気になった俺は理由を聞いた。
「えっと、その……薫さんから征男様と一緒にバイクで二人乗りしたと伺いましてその……うらやましいなと……」
「………」
普段の落ち着いた雰囲気は何処へやら頬を染めもじもじしている理子がそこにいた。え?何この可愛い生物?
「……でも、やはり無理ですよね!我が儘を言って申し訳ありm「よし、バイクの準備をしましょう!」え……」
普段我が儘を言わない理子が珍しく我が儘を言ったのだ応えてやるのが男というもんだ。
「理子さん控えめな所は貴女の長所ですが、貴女は私と恋人なんですからたまには我が儘の1つや2つ言っても良いんですよ」
「征男様……ありがとうございます」
嬉しそうに礼を言う理子に気にするなと声を掛けた俺はバイクの準備を始めた。あんな可愛い仕草を見せてくれたのだおじさん頑張っちゃうぞー!
あの後、ガレージからバイクを出した俺は理子が来るのを待つ、俺の服装はダメージジーンズにグレーのTシャツその上から茶色い革ジャンを羽織り見た目より年上に見えるようにした(職質の確率を減らす為)。
「お待たせしました」
よく女性は外出時の準備に時間が掛かるというが生真面目な所がある理子は例外のようで俺を待たせることなく自宅の戸締まりをしてすぐに来てくれた。
「似合ってますよ理子さん」
「あ、ありがとうございます征男様」
理子の服装は白無地のチュールスカートと淡いピンクのブラウス女子向けのデニムジャケットを身に纏っていた。家に居る時は殆どメイド服しか着ていなかったので彼女の私服姿は新鮮に感じた。俺が服装を褒めると戸惑いながらも嬉しそうに笑ってくれた。女の子の私服を見たら褒めるのは当然だよなぁwww?(彼女が出来た途端、彼女いない奴等を煽るクズ)
「準備も出来たことですし行きましょうか?」
「は、はい!」
俺がバイクに股がり理子に後ろに乗るように促すと緊張気味に返事をしながらバイクに股がったしかし……
「あの、理子さんそれでは走行中に振り落とされる危険があるのでもっと腰の辺りを……そうですね。抱き着くように強く掴んでください」
「だ、抱き着く!?わ、わかりました。し、失礼します!」
抱き着くという言葉を聞きテンパりながらも恐る恐るといった感じで俺の腰に手を回して抱き着いた。おぉ、留美程ではないがなかなかの弾力性を背中に感じるぞ!てか薫の時は緊急事態だったから深く考えてなかったがよく考えたら俺前世で女の子をバイクに乗せたこと無いじゃん!!(サブマシンガンを持った屈強な傭兵なら乗せたことある)ヤバいそう考えたら緊張してきた……でも女の子を乗せるのも悪くないなフフフ……。
「征男様どうかしましたか?」
「ん?いえ、だ、大丈夫ですよ」
ニヤケそうになる顔をフルフェイスのヘルメットを被りながら隠しながらそんなしょうもないことを考える俺がいた……っとそんなことを考えてる所じゃないな。
「では、改めまして出発しますね」
ニヤケ面をおくびにも出さず俺はフェックスを走らせるのだった。
フェックスを走らせること数十分警察に止められることなく無事刈穂に到着した。
「着きましたよ理子さん」
「ありがとうございます征男様」
駐輪場にフェックスを止め刈穂の街中を歩く俺と理子
「ところで今日はどちらに行くのですか?」
「実は薫さんから美術館の入場チケットを二枚頂きましてそちらに向かおうかと」
「美術館ですか良いですね」
美術館か……こちらの世界に来てからというもの美術品に触れる機会がなかったな。オタク道を突っ走る俺だがこう見えて美術品を見る目は有ったりする(前世の仕事で美術品の警備&奪取の依頼を受けていた為、自然と身に着いた)。
「このチケット商店街の福引きで当たったそうなんですが、薫さんは興味が無いようでして『この際だから征男と一緒に行っちゃえば?』とおっしゃっていたので…」
「ハハハ、薫さんらしいですね」
何気ない会話に花を咲かせながら俺達は美術館に向かうのだった。
「ほう、このような品も展示されているとは……」
「綺麗……」
美術館に着いた俺達は美術品の鑑賞を楽しんでいた俺が陶器や彫刻に目がないのに対して理子は絵画や宝石類に目を輝かせていた。理子が芸術に興味があるなんて原作はおろかこれまでの生活でも知らなかったので新たな発見を見つけられてラッキーだった。
「すみません征男様、私だけはしゃいでしまいました……」
「いえいえ理子さんの珍しい姿が見れて良かったです」
「うぅ……恥ずかしいです」
美術館を出た後の食事と休憩の為に立ち寄ったカフェで理子は俺に謝ってきた。どうやら俺をほっといて美術品にばかり目がいったことを気にしているようだ。美術館は美術品を見るためあるものだし別に気にしていなかった(むしろ理子の新たな一面が見れてラッキーである)。
「それよりも午後は服を見に行きませんか?そろそろ夏も終わりですし冬服を確認したいので」
「良いですね!征男様早速行きましょう!」
理子も女の子だオシャレには気を使う筈と思い彼女に提案したら理子は喜んでこの提案に乗った。こうして午後の予定はショッピングになった――――
しかしこの時俺は一つの誤りをしていた。それは……
「征男様にこっちのセーターが似合いますが……でもこちらのコートも……う〜ん」
そう、理子が自分の服を選ばず俺の服ばかり選んで来るのだ。俺は先ほどから理子によって着せ替え人形のように何度も服を試着することになってしまった。この試着室に入るのは何回目だろうか?
「あの〜理子さん?私の服よりご自身の衣服を選ん「とんでもない!征男様は私が仕える主であると同時に…こ、恋人でもあるのです!主と恋人の服を選ぶのはメイドであり彼女である私の勤めっ!自分の服は後回しです!」あっ、はい………」
貴女はメイドじゃなくてメイドコスプレしたJCでしょ!と、ツッコミを入れたかったがあまりの迫力に思わず頷いてしまう俺……情けないと思うかもしれないがあんな迫力で力説する理子は初めて見るので頷いても仕方ないのだ(言い訳)。
「あ、こちらのパーカーも良いですね!征男様このパーカー着てみてください」
「あ、はい……」
こりゃしばらく着せ替え人形やらされるな。この後も俺が試着室の世話になるのは言うまでもなかった。
「今日はお付き合いくださりありがとうございます征男様」
「いえ、私も楽しめましたので構いませんよ」
あの後気に入った服を何着か購入してブティックを後にした俺と理子はいつぞやの公園のベンチに休憩がてら座っていた。
「普段も征男様と二人でいますが私も今日は特別に感じました」
「それは良かった」
俺と理子の親は仕事柄滅多に帰ってこないので二人で過ごすことの方が多く、二人で過ごすのは慣れたものだと思っていたのだが今日は理子の新しい一面が見れて嬉しかったし普段とはまた違った笑顔が見れて少しドキッとした。
「理子さんもう暗くなってきましたのでそろそろ帰りませんか?」
「え!?もうこんな時間!夕飯の準備もありますし帰りましょう……少し残念ですが……」
腕時計を見て時間の経過に驚いた理子は夕飯(今日の夕食当番は理子だ)のことを考え帰ることに同意し駐輪場に向かう為に俺から背を向けた……少し名残惜しそうではあったが………。
「……理子」
理子の寂しそうな背中を見ていたら思わず素の口調で引き止めてしまっていた。
「はい?なんでしょう征男様」
俺の素の口調は小学生の時に一度見たことがある為か薫や留美程驚きはしなかったが呼ばれて振り替える理子
「今日のデートの礼をするのを忘れてたからな。二人にしたのに理子にしないのは不公平だろ?」
もう癖だな彼女達の前だと意識していないと素の口調が出ちまう。まぁ、彼女達の前だけだし別に構わんが……。
「お礼だなんて……そんなお気遣いしなくてm――――〜〜ッ!?」
礼を断ろうとした理子の口を俺の口で塞ぐ……まあ、簡単に言えばキスだな。
「これが礼だ。満足してくれたか?」
10秒程してキスを止め俺は訪ねる。理子はさっきまで出ていた夕日にも負けないくらい顔を赤く目が潤んでいた。
「はい、とっても………征男様またデートしてくれますか?」
潤んだ瞳で尋ねる理子、勿論答えは決まっている。
「ああ、勿論だ。また行こう理子」
「ありがとうございます征男様!」
余程嬉しかったのだろうか?理子が思いっきり抱き着いて来たので俺はそれを優しく受け止めた。
日が暮れ夜に染まりつつある山道を1台のバイクが走る。
俺が運転するフェックスだ。俺は秋穂に帰る為にフェックスのアクセルを吹かす。
「理子寒くないか?」
夏とは言えもう8月も終わる、昼間だって暑さは8月初頭に比べたら暑くなかったし夜は更に気温が下がるましてやバイクを走らせているのだ。俺はともかく理子が心配なので尋ねた。
「いいえ、あったかいです。征男様……」
俺の背に頭を預けながらそんなことを言う理子、バイクを運転しているため理子の姿を見ることは出来ないがまるで背後から抱き着いて俺の温もりを感じているように思える。
「そうか……」
まあ、俺も風が直撃する前方はともかく理子が抱き着いているおかげで背後は暖かかった。
「この温もりも家に着いたら終わるのか、残念だな……」
「へぇ?征男様何か言いましたか?」
「いいやなんでもないそれより暗くなったから飛ばすぞ理子!」
「はい!」
まあいい、バイクデートがこれで最後という訳ではないのだ続きは時間に期待すればいい……何故なら俺達の恋は始まったばかりなのだから………
バイクは夜の山道を疾走した。
今回でデート回は一旦終了して次回からはまたバトル回が続きます。




