↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Justice Origin  作者: 黒雨星狩
第二章「衝動は、その身を焦がす」
PR
55/64

第二章「衝動は、その身を焦がす」36話

「⋯⋯私を、ご存知でしょうか?」

その手紙は、そうやって始められていた。

「私は、どうしても成し遂げたいことがありました」

インクが滲み、文字を綴る手が一瞬鈍る。

「どうやっても、私達には壊せない壁があって。でも、逃れることは赦されなくて――」

書き殴った文字の下に、血が滲む。

それは、私のものであって、私のものではない。

「だからこそ、貴方に託したい」

私に出来なかったことを、彼女が成し遂げられるとは限らない。

でも、もうそれ以外に、方法がなかった。

せめて、■■ちゃんだけの負担にはしたくない。彼女だけが、背負って良い贖罪ではない。

この罪を償うことが出来るなら、どんな罰でも受け入れよう。

それが生き地獄だとしても、彼と一緒なら、きっと―――

「■■■ちゃん!ここにいいた――」

「⋯⋯⋯⋯もう、時間みたい」

「⋯⋯誰と話してるんだ、■■」

きっと、私達には分からない。

この物語の結末は、誰も知ることが出来ない。

今はまだ、この世界では――

「軛が、そろそろ外れるかもしれない。さっさと始めるぞ」

「ええ、了解。■■■■」

「む、無理はしないで下さい!■■■ちゃんの体調が崩れれば――」

「大丈夫。ありがとう、■■ちゃん」

「で、でも」

「それより、問題なのは■■■■の方ですよ?」

「いや、俺は別に――」

「能力の発動限界、とっくに超えてますよね?」

「⋯⋯⋯さあ、どうだかな」



「⋯⋯私、決めた」

「⋯⋯⋯?」

「フリューゲル、手、出して?」

「ちょ、何を――」

「バァーッン!」

「うわっ!?」

これが、私の日常。

弟(フリューゲル)をからかって、そして叱られて。

毎日が幸せだとは思わない。

でも、この道に辿り着いてよかったとは思ってる。

もちろん、アイツを許すことなんて出来ないが、それでも、憎しみ以上の感情はない。

見つければ殺すが、命の天秤にかけられれば、私は間違いなく奴を殺さない。それぐらいの価値だ。

「そういえば、彼女の件、何か聞いた?」

「彼女⋯⋯?」

「〈水馬〉」

「水、馬⋯⋯ですか」

「あ、イルカとかじゃないよ?」

「それは海豚――」

「この反応、本当に知らない感じだね⋯⋯」

「え?」

道を妨げる。

それだけで、私の敵に成り得るのに。

私しか覚えてない。

でも、私は――

誓われた道へと向かう。

その先に、かつての未来があると信じて。



「おい」

「⋯⋯?」

「涼介、お前な⋯⋯」

「別に、やりすぎではないと思いますが?」

「いいや、やりすぎだ」

「ですが――」

「お前は、あの人を知らないから出来るんだ。今の俺でも、流石に出来んぞ?」

「貴方が⋯⋯ですか?」

「ちなみに、セロも同じ意見だと思う」

「セロ様も!?」

「そんなに驚くことでもないだろう。⋯⋯とにかく、あのバカ野郎の回収に行ってこい。どうせ、お前の尻拭いしてやってるんだろうからな」

「し、尻拭いって――」

「ほら、さっさと行ってこい。アイツが自責の念で潰れてしまう前に、な」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。