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神ってる的な感じ、の話

小説と呼ばれるものには、視点というものが必ずある。

1人称、2人称、3人称ってやつだな。


1人称は、端的に言えば、主人公自ら、喋くり倒しているってなふうの書き方。

当然だが、本人が見えているもの、思っていることしか、わからん。

まぁ、本人が神ってる的な人なら、他人の考えてることもわかるだろうが。

見ず知らずの人が、どこでなにしてるかも、すべて把握してるんだろうが。

そうでもなければ、自分のことしかわからないってのが、当たり前。


2人称は、端的に言えば、伝聞を軸にした書き方。

主人公は客観的な立場で、けして「話の主人公」にはならない、主人公なのに!

たとえば、主人公はAという人物と親しく、行動をともにしている。

そこに、主人公も知っている、Aの友人Bという人物と3人で食事する場面。


Bは実直な性格で、周囲の信頼も厚い人物という定評がある。(又聞き)

このBと大雑把でいい加減なAは、学生の頃に同じサークルに所属しており

それがきっかけで親しくなったのだと、いつぞや一緒に食事をした折にAが

もらしていたことで、私は初めて知った。(伝聞)

私は、存外、AがBと親しくしているのは、Bの実直さをAが内心では羨んで

いるからではないかと思っている。(勝手に推測。Aはなにも言っていない)


で、「話の主人公」は、Aなんだよな。けして「私」ではなくて。

非常にざっくりだし、正確でもないが、こんな感じだ。

2人称というのは特殊で、文章も構成も、ものすごく難しい。

書いている人自体、稀少種と言っても過言ではないのだよ。

自分は、2人称は面白いと思ってるんだが、周りに理解された試しがない。

ただし、読むぶんにはね! 書こうと思ったことはないし、書けないね、絶対。


3人称は、端的に言えば、人のことを他人があれこれ言っているってな書き方。

この3人称は、これも特殊といえば特殊で、書き方に幅があるんだな。

ほかにもあると思うが、有名どころだけ。

1.誰の気持ちもわからんが、すべての情景は見えている。(視点切り替え有)

2.情景は限られるが、()()()()()()()は代弁できる。(視点切り替え無)

3.情景は限られるが、()()()()()()()()()は代弁できる。(視点切り替え有)

4.全登場人物(主人公含む)の気持ちもわかり、すべての情景も見える。


この中の4が、まさに「神の視点」というやつだな。

これ、勘違いしてはならんのは、この4は「視点切り替えがない」ということ。

基本、1人称の書き方と同じような流れ。

会話文や地の文の途中に、いろんな人物の心理描写が入り込んでくる。

書き手(神)が「ちょいとこいつの心を見てやれ」と思ったって感じだな。

だから、同じ場面中に心理描写される人物は、コロコロ変わる。

A・B・Cの3人いれば、3人の心理が、書き手(神)の意向により描写される。

よって、視点切り替えなどいらんのだね。

切り替えなくても、神の目があるから。見ればいいだけだから。


だが、漫画は、ほぼコレ。

同じコマに主人公とライバル(敵)がいて、それぞれ泡吹き出しセリフがある。

心の声が、主人公も主人公以外も同時に見えてるってことだね。

別に、めずらしくもないし、当たり前に読んでると思うんだよな。

でもね、それは、画(絵)で、見た目に分かり易いからってのはあるのさ。

活字だと、ひとつ間違えば煩雑になるので、取捨選択が必要な書き方だな。


で、自分は、どれかっていうと「3」にあたる。

神ではないが、神ってる的な感じ(重複表現:それふうな雰囲気、という意味)

同じ場面に、複数の心理描写は入れない。

でも、場面と視点を同時に切り替えて、別の人間の心理描写をしてる。

別に、めずらしい書き方じゃなくて、昔からある書き方なんだけどなぁ。

SFとか推理小説とか、20年以上前に書かれた作品でも存在してる。


でもって映像にも多い手法(構成)なんだよな。

心理描写できるのは活字の特権だが。


映像を見ている側は、明確には、主人公たちが、なにを思っているかは不明。

ただ、セリフの中で「こう思っている」ということは言っていたりする。

でも、主人公のいない場面では、ほかの人物でも同様に表現されている。

たとえば、主役の探偵がいる場面では探偵視点、犯人の場面では犯人視点とか。

犯人ではないが、関係者の視点になる場面もある。

これ、まったくめずらしくないと思うんだよな。

ドラマ見てても、この場面・視点切り替えで引っかかる人は少ないだろう。


実は、自分は、物語を書き始めた当初、1人称+3人称で書いてた。

まだ、ライトノベル(ラノベ)というものが、メジャーではなかった頃だ。

けど、周りからは「おかしい」と言われた。

1人称で書くなら、主人公に見えない場所について書くのは「おかしい」と。

当時は、そういう書き方をしている「プロ作家」はいなかった。

それでも好きに書いていたわけだが、途中で限界みたいなものを感じたのだよ。


なんか、動き回りにくい。


どうしても1人称の視点に縛られる。

主人公だから、それでいいんだが、たぶん、1人称部分が強過ぎるんだろうな。

3人称部分のところが「関係ないとこ」みたいな印象になるっていうか。

当然、書いてて読み返しをするんだが、3人称のとこは読み返すのがしんどい。

自分で必要だと思って書いておきながら! しんどいって……。


そこから、3人称で統一することにした。

主人公はいるが、ほかのキャラクターも「いらん子」ではなくなった気がする。

その代わり、きちっとしたキャラクター設定が必要にもなったわけだが。

明らかな、いわゆるモブと、名のついたキャラクターで設定の厚みが違う。

なので、あまりキャラクターを増やしたくない(笑)


自分が、この書き方を選んでるのは、いろんなキャラクターを動かせるから。

そのほうが楽しいんだよな。

読んでくださるかたにも感情移入して頂くキャラクターは自由選択ってことで。

主人公は話の軸でも、好きなキャラクターが主人公である必要はないよね。


てなわけで、自分は「神の目」は持たない。

が、神ってる的な感じで、これからも書いていこうと思う。


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