表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/37

最終話

 翌日の爽やかな朝、私たちは、いつもどおりに電柱で待ち合わせた。

「おはよっ、弥生」

「おはよう。武は朝から元気だね」

「元気が取り柄だかんなー」

 なんてことない、いつもどおりのやりとり――。

 でも、違うところもあって。

 それは――。

「武、やっぱり私のこと、弥生って呼ぶことにしたんだね」

「あんまり突っ込むなよー。照れるじゃんか」

 私たちは。

 どちらともなく、手を繋ぐ。

 まるで、あのとき、みたいに――。

「ねえ、志乃ちゃんに謝らなきゃいけないね」

「志乃ちゃんに?」

「きっと、心配させた。あんな手紙入れちゃって」

「ああ、そうだなー」

「あと、佐藤くんや、景子やむっちゃんや陸くんにも。つっけんどんな態度取っちゃって、わるかったなあって」

「それもな、そうだなー」

 真夏の朝の風は、気持ちいい。

 昨夜のぬるい風とは、比べものにならないくらいに――。

「……やよちゃん、きょうも、りぼんつけてるんだな」

「当たり前じゃん。だって、私たち」

 私は、笑顔で言う。

「幸せに、なるんでしょ?」

 私は、思ったのだ。

 それは、あの男に対してできる、最高の復讐だろう――。

 武もうなずいて、満開のひまわりのような笑顔で、だな、と言った。

 武が、じつのところなにを考えているかなんて。

 わからない。

 けれど、いまはいつもと変わらない日常に、武が隣にいてくれる――。

 それだけで、充分かなって。

 頭のりぼんを、意識する。

 私は、幸せを誓ったこのりぼんに、愛されている――と、感じた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ