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色のない世界  作者: Ka67
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Night with a full moon Ⅰ

『この男を知っているか』


そう聞いて、何年経っただろう。

男の顔を写している1枚の写真も、以前は綺麗だったのが、何年も四つ折りに畳んでいるから、折り目に沿って所々切れていた。

わたしが探している男は、まだ幼かったわたしの目を奪った人物だ。

だが、聞く度に答えは「いいえ」だった。

それもそのはず、情報屋から聞いた話によると、写真に写っている男は、極めて交流関係が少なく、男を知っているごく少数の人も、みんな行方不明や、謎の死を遂げているからだ。

夜も更けてきた頃、わたしは大通りから抜けて、路地に入った。その路地は少し続いており、空の木箱や、酒の瓶などが無造作に転がっていた。

路地の隙間からは、満月が石畳の地面を照らしていた。

わたしはいくつかある空の木箱の1つに座り、月を眺めた。


「今日も、収穫はなかったな」


月に男の写真を翳して呟いた。


「どこにいるんだよ、父さん」


路地の奥から数人の影が出てきた。

わたしはまだ、気づかない。


Night with a full moon Ⅰ the end.

And to be continued...

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