17 姉を守る。
進み出た俺に対して、旅人を名乗る男はイヤな顔をした。
「いや、ガキじゃなくて、そこの美少女の顔をよく見せてくれよ」
覗き込もうとする男の視線を遮るように動き、
「ダメです」
男が険しい顔をして俺を見た。
「なんだお前」
「僕のセリフです。なんですか貴方は? 何しにここに来たんですか?」
「だからよぉ。見聞を広めに来たって言っただろうが」
「見聞を広めた後、何をするのか教えてください。また見聞を広めるためのこの旅の費用はどこから出ているのか教えてください」
男はいよいよ不機嫌さを増した。地面を蹴り、
「ガキは黙ってろ」
俺は胸を張って答えた。
「黙りません」
男の眉がつり上がった。俺は咳払いをして、
「貴方の行動はすべて“下調べ”のように見えます」
「ほう。なんの下調べだ?」
「さあ? なんですかね?」
「……」
「盗賊、とかでしょうか」
突然男が笑い出した。顔を覆い、空を向き、けたたましい声で笑った。
それからゆっくりと剣を抜いた。鞘などはなくぶら下げていただけの剣だった。だがその剣は手入れが行き届いていて、皆顔に怯えを見せた。
「うるせぇガキだな」
俺は慌てて熱を込めた。訓練の甲斐があって一瞬で熱が全身を覆った。
それを見て、剣を抜いたばかりの男が顔を歪めた。
「……幻力だと?」
いきなり切りつけてきた。
幻力? 何のことだろう。
俺は一歩も動かず、それを手の甲で払った。熱を帯びさせておけばなぜだか皮膚がめちゃくちゃ硬くなり多少の攻撃は跳ね返すことができる、と思っていたのだが、実際できた。
破裂音と共に剣は大きく弾かれた。
すげぇ、俺。
男は大きく飛び下がって改めて剣を構えた。
俺を凄まじい目で睨みながら、
「……お前、何者だ?」
と問うた。
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