15 郷場所。
つまるところ相撲だった。みんながなんだか「?」という顔をしていた。マイアは俺が積極的に発言したことに驚いたのかびっくりした顔をしていた。
「……ふうん」
言葉ではらちがあかないので、
「ちょっとやってみましょう。ガルド、お願いできますか?」
戸惑っていたガルドだったが、俺に言われて途端に指を鳴らしながら近づいてきた。
「お、おう。いいぜ? こてんぱにしてやらぁ」
「お手柔らかに。じゃあ、ここに立ってください」
「これでいいのか?」
「いいですね。それでは中腰に」
「こうか?」
「強そうですね。この中腰になった状態で始めます。誰か開始の合図をお願いできますか?」
俺の言葉に、俺たちの乳繰り合いの邪魔をしたセゴが「ハイハーイ」と手を上げ、
「私がやるわ!」
と名乗り出てくれた。
俺とガルドが中腰で向き合い、二人の横、行司の位置にセゴが立った。
相変わらず、ガルドは首をわざわざ倒して斜め下から眼を付けてくる。今時珍しいチンピラ具合だった。
俺は思わず苦笑しながら、
「お願いします」
と言うと、セゴは
「よーいどん!」
と言って上げた手を振り下ろした。
ガルドが殴りつけてきたので、その右腕を握って動きを止めて、
「殴るのは無しです。組んでください。そう、腰の辺りを握るといいです。こんな風に」
ガルドは「な、なんで受け止められるんだよぉ」と言いながら若干泣きそうな声で指示に従った。
「……そうそう。いいですね。じゃあ、押しますよ。はい。僕の勝ちです」
あっさりと押し出した。今度こそガルドは完全に半泣きだった。
「な、なんだ……お前。なんなんだよ……」
ガルドがすごすごと引き下がるのを放置してボーダンは地面に描かれた円を見た。
「いいね。これなら怪我をしないね。やってみたい人はいるかな?」
男の子達が次々と手を上げた。この世界では皆労働力であり、肉体労働者である。肉体にそれなりに自信がある。
改めて相撲大会が始まった。
俺以外はそれなりに勝負になった。途中から女の子も参戦し、女の子同士、あるいは女の子と男の子という取り組みも行われた。
俺は行司に回って、その場を仕切った。途中途中で上手投げなどの投げ技も教えると皆あっという間にそれを覚え、なかなかの名勝負も生まれた。
マイアは俺の意外な特技に惚れ直したのか、熱っぽい目で俺を見ていた。
俺はますます調子に乗って、トーナメント戦まで開幕した。
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